お次はアンダー(その1)

次はアンダーカウルです.アンダーカウルは上側のステー取り付け部分が丸まんま破壊されているのと,カワサキデカールにバッキリと割れ.あとは擦過傷です.うーん,こけたスピードはそんなでも無かったものの,なかなかなダメージ(T_T).で,新品のカウルを入手するつもりは毛頭ありません.高いし,欠品してるし, (T_T)またこけるといやなので,リペアすることに自然に決定しました.

まず,とにかく元の形に戻さなければいけません.当初一番心配していたのはステーの取り付け部分.これはかけらをちゃんと確保していたので,それを元に復元することにします.といっても型が無いので何とか用意しなければいけません.型を作ってしまえばリペア液なんかで忠実に形状を再現するのも容易.もしなければ固化するまで形を整えるのが大変.しかも成功確率はどんどん低くなります.そこで目をつけたのが右側の無傷なカウル.この取り付け部分から型を取ればなんとか形の復元が可能ではないかと考えたのです.で,当然ですが私の対応には一癖あるわけです.普通の人なら型取りくんとか使うんでしょうが,これが意外に高い.800円ぐらいですが(^^;.

話はがらっと変わりますが,最近,100円ショップって流行ってるんですよね〜.妻が私以上に好きなもんで,しょっちゅう行くんですが,時が経つにつれレパートリーがどんどん増えていく.ちょっとした工具類や,電池,食器や,自動車用のケミカルなんかもあります.私も真鍮ブラシセットやネジが取りにくいところに落ちたときにつかむ部分が付いた自在アーム(名前失念),ボタン電池,錆び取り液なんかを購入したことがあります.勿論文具なんかも多くって,息子が学校に持っていく文具なんか全部ここで揃ってしまうぐらいです(せこい).

で,その文具の中に以前から目をつけていたものがありました.粘土.紙粘土でもない油粘土でもない粘土があって,これが型取りに使えると思ったのです.でもなぜかこの粘土,ずっと以前からうちにあったりします.実はいろんな外装を買い集めては補修の練習をしていたのです.NINJAの外装然り,その他ZX9Rなんかも...購入時期が余りにも古いので,今回その粘土の名前と言うのがどうしても思い起こせません.たぶん油粘土でも紙粘土でもない,けど白いということぐらいしかここで明かせないのは非常に残念ですがお許しください.というわけで,今回はいざという時のために習得した技術を不本意ながらも役に立てることになったと言うわけです(くやし〜!).

で,早速型取り.右カウルのネジだけ外して粘土をカウルとの間に空気が入り込まないようにステー取り付け部分の周辺に練りつけていきます.つけて数日放置.放置している間,カウルはZXRから外していなかったので,屋外で養生したような形になりましたが,約一週間後の週末に取る頃にはこりこりに固まっておりました.でもこの部分の凹みにはテーパが掛かっているので,問題なく穴の裏側から押し出せば抜けてきます.すぽっと出てきた粘土はなかなか綺麗に型の役目を果たしてくれそうな感じ.うーん,とっても期待できそう.

次に気にしなくてはいけないのが,デカール.以前デカールの上を擦って一部剥がしてしまった時は,例のバイク屋さんの店長に”素人には貼るのが難しいからやめたほうが良い”と言われ,パテして上からアクリルスプレーで誤魔化したのですが,今回はそんなのでは誤魔化しきれない.よって,デカールを注文.アンダーカウルそのものは既に欠品情報があるぐらいですから,デカールのほうも欠品中では?と懸念したのですが,幸いにも5日で入荷!その知らせを受けた瞬間の私は神様の存在に気づいたような感じでした.(大袈裟)

さて,デカールが入手可能なことが分かったら方針決定です.もしデカールが入手できないようであれば前回の方法に極めて近いごまかしをしようと思っていたのですが,今回そのような苦労をしなくても良いので,とにかく破れたデカールを剥がしていきます.しかしデカールってこんな大きいものだと本当にはがすのが大変です.余りにも接着力が強くってよく破れます.しかもその瞬間結構な力で引っ張っているので,ちぎれたデカールを握った自分の拳が顎や鼻に命中して失神しそうになりました.自分の拳でKOなんて洒落にもなりません.

まあ,そんなこんなで酩酊しながらはがし終え,今度は割れを修復しなければなりません.まず,割れて変形している部分を出来るだけフラットになるように形を整えます.丁度エンジンが内側から当たった部分は変形が激しいので,一部削って収まりをつけました.また裏面側をちょっとペーパーで削って脱脂しておきます.形が整ったらところどころ瞬間接着剤で点付けします.これは補修剤を付けたときに徐々にずれてくるのを防ぐためのものです.また,表面側からビニールテープを張ります.これは補修剤を裏側から塗るのですが,養生中に表面側へ垂れてこないためのものです.

またステーの穴の部分には例の粘土を角度をあわせてテープで貼り付けて,破片を貼り合わせていきます.破片もそんなに粉々ではなくせいぜい2ヶですので,また瞬間接着剤で点付けして形を合わせます.

ここまでやってから,満を持して裏側に補修剤を塗っていきます.これは以前NINJAでご紹介したデイトナの奴です.2液性の補修剤を塗って,その上からグラスファイバを貼っていきます.貼れたらまた補修剤を塗って,ここでまた養生です.まあデカールのあたりの割れは良かったのですが,ステーの周りはとってもグラスファイバの貼り付けが難しく,よく見える側がちょっとささくれ立ったようになってしまいました(T_T).まあ完全に出来るとは思っていません.裏側は多少汚くても良いでしょう.ここで深追いはせず養生です.

5日以上養生して,表面のテープと粘土を取ります.粘土のほうは型取りくんのように簡単には取れないのがご愛嬌.ぼろぼろになってはがれてきますが,まあ,一部補修剤がしみこんで固まってしまったところもあるようで,飛び出た部分なんかかみそりで削ってもおいそれと削り落とされてはもらえません.まあ許容レベルまで穴の内側を削って(あんまり綺麗ではない),割れの補修は取り敢えず完成.あとは表面をペーパー(150#)で荒らしてから,パテを盛ります.擦過傷の部分,裏側から補修した部位の表面側,結構赤い地にパテがなんとも痛々しい.で,一日置いてから磨きます.うーん,結構綺麗?ちなみにこの時パテのない部分もペーパーをかけて荒らしておきます.これは次工程の塗料の乗りをよくするため.

実は今回傷がついたのは赤い部分とデカール部分だけだったので,下部のエボニーの部分は手をつけないことにします.従って新聞紙でマスキングします.さて,ここで小休止.次は塗装だ〜.
(つづく)

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