EARL'S,サイレンサ換装

99年のお正月が明けて初めての週末,マフラーの換装とEARL'Sステンメッシュの取付けを行いました.

まず土曜日にマフラーを取り敢えず外しました.

変形がサイレンサーとエキパイのつなぎに集中しておりますのでその部分にあるサイレンサの前にある蓋(この部分別になくっても構造上は何の障害もないと思うのですが,ないと異様に見栄えが悪い)が変形しているのではないかと心配だったのです.実際先日この蓋を取ろうとしたときに異様に固く,断念した事が有り,どのようにしてサイレンサにこの蓋がついているのかわからなかったのです.新たに入手したサービスマニュアルではこの蓋は左に回すと取れる(この蓋が廻らないように2本のスプリングでゆるみ方向とは逆に常時引っ張る構造になっている)とあります.

さて実際この蓋を取ろうと左に回してみました.ちょっと廻ってうんともすんとも回らなくなりました.やはり変形部分と蓋の外径が干渉しているようです.この干渉していると思われる部分をマイナスドライバでこじってやっと取れました.さて,その中にあるナット3本を抜いて,サイレンサを見てみると,エキパイ側のフランジとあたる面が変形してます.このためフランジの間にあるパッキンとの間に隙間が出来,排気もれが起きていたのです.案の定,排気もれが溜まる部分(フランジ周辺とその蓋の内部)にはカーボンが堆積していて,これぞまさにカーボンサイレンサー(犬も食わんネタ)!!!とりあえずは外したフランジとエキパイ側のフランジの変形をごり押しで直し(直ってないという話もありますが),カーボンを拭き取り,初日の作業終了です(作業時間15分).

次の日曜日はまずEARL'Sの取り付け.ZXRはノーマルはマスターシリンダから一旦一本出しした後ボトムブリッジに取付いているジョイントと呼ばれる部品で二股になって,左右のキャリパーに伸びています.EARL'Sを取り付けるときにはこのジョイントを経由しないでマスターシリンダとキャリパーを直に繋いでやります.まず,リリーフバルブからブレーキフルードを抜きます.EARL'Sのキットについていたビニールホールを繋いでオイルパンにポタポタと落とします.ブレーキレバーを握りまくって何とか全部出切りました.次ににジョイントをボトムブリッジから外します.これはハンドルを左右に切ればカウルの中とレンチが干渉しないので何とか外れました.

さて,マスターシリンダからバンジョーボルトを外すときにその悲劇は起こりました.レンチを当ててバンジョーを廻すもちょっとやそっとじゃ取れず,一層の力を入れた瞬間外れ,それと同時に私の左手小指に激痛が走りました.レンチとキーシリンダに挟んでしまったのです.どくどくと真っ赤になっていく小指,しかしこんな事にひるむ私では有りません.冬だからすぐに乾くだろうと思って作業再開です.

キャリパー側を緩めずジョイントとマスターシリンダ側のバンジョーをフェンダーの後ろに移動させようとしたとき,傷口に何かが触れて"いてっ"と指を引っ込めました.その拍子にそのジョイントがフェンダーにあたり"がりっ"と傷が付いてしまいました.しくしく...しかも指の傷口の周りを見るとバンジョーからもれたブレーキフルードが...発癌物質が傷口についたまま作業を続けるこの根性!しかも外気温4℃!

キャリパー側のバンジョーを外してそのままいろんな箇所についたブレーキフルードや汚れを落とし,EARL'Sの取り付けです.取付け自体は順調に進み,新しいブレーキフルードをリザーバタンクに注ぎます.ここでエアーが自動的に抜けてくるかもしれないという淡い期待のもと作業中断です.

この間にサイレンサーの取付けを行います.取付けのフランジの平面度もあまり復活していないので液体パッキンをフランジにべたべたに塗り込んで取り付けます.結局外すときに苦労した蓋は"こんなんで取れちゃわないの?"と心配になるほど楽勝で取付きました(もちろんスプリングを付けたら外れなくなりましたが).

一瞬で取付いたサイレンサーとは逆に,リザーバータンクの中のブレーキフルードは全く減ってません.しょうがないので定番の"ブレーキレバーを数回握り,リリーフバルブをあけて強く握った後リリーフバルブを締めレバーを戻す"を繰り返しましたがリミットスイッチがいかれるかと思うほど繰り返しても一向にエアの抜ける兆しさえも見えない.そうこうするうち日が暮れてきました.取り敢えず寒いので策を練りつつ来週に持ち越しか...と思ったのですが...(作業時間120分)

結局月曜日は妻子とも調子が悪く会社を休む事になりました.それで作業再開!とはいっても何にも策がないままではしょうがないので,ホームセンターに灯油を買いに行くついでにいってきました.エア抜き工具はEARL'Sからでていてこれが6000円もするのですが,それを買う気はさらさらない.そこでどうするか?農業用の散布機の手動ポンプで何とかならないかという事で探しに行ったのです.丁度良いポンプは1450円.ただしそれを内径5mmのビニールチューブにくっつけるニップルアダプタがない...売り場を何度も往復して探しあぐね,結局買ったのは8x5mmビニールチューブ1.5m.

勘のいい人はもうわかったでしょう.そう,あれをやってしまったのです.人間ポンプ.昔からエア抜きにみんな苦労しているのはなんでだ?と思っていたのですが大学生になってからブレーキフルードは毒性があるのでそんなことやっちゃ駄目よと教わったのです.ところがやってしまいました...

帰ってからリリーフバルブに1.5mチューブを付け,バルブを開けるなりちゅーと吸います.するとちょっとフルードが出てから出るは出るはエアが丁度ステンメッシュの内面積x長さ分ぐらい出てきました.この時注意すべきは3点.生命の危険指数からいうと順番は

1.ブレーキフルードが吸い込み側のチューブ口に近づかないようにする.
2.リザーバタンクのブレーキフルードが無くならないようにする.
3.リリーフバルブからエアーが出てこない様になるのを確認する.

ですが,結局一旦1.でチューブがいっぱいになったので一回廃油入れにフルードを戻し,再度リザーバタンクにフルードを満たし,確認の意味でエアーがもう出てこないようになってからチューブの長さ分だけ吸い取って.という作業を両側に行いました.これで最後にリザーバタンクにフルードを満たし,ブレーキレバーを握ると,うーむ効いてる感じ...

最後にブレーキキャリパーを外しブレーキクリーナーでキレイキレイにして作業終了です.人間ポンプをやっての感想は"これをバイク屋さんがやってたらきっと世界中にバイク屋のおやじがいなくなってしまう.(すなわち若死にする)"というくだらないものでした.よい子は絶対真似しちゃ駄目だよ!!(作業時間:60分)

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