勝手口の交換(その2)

購入後3年が経ち,ドアが朽ちていくのはもう運命のような気持ちになろうとしていたのですが,それを処分するのもお金がかかるのです.また,せっかく購入したのを取り付け断念なんて私の性格上考えられない.でも作業は先延ばしに延ばして今の今まで来たわけです.

作業になかなか取り掛かれなかったのは実ははじめての作業であることのみが原因だったわけではありません.というのはドアの付け替え自体,一時でも家の開口部を締められない瞬間が出来るわけで,こりゃまた寒暖の激しい時期は無理.暖かい時期はまあ,開口部があってもいいんですが,蚊なんかが家の中に入ってくるので,できるだけ虫が飛び回っていない時期を狙いたいのが人情.またそういった期間を出来るだけ短く済ませたいのでまとまった作業時間が確保できる時期を見極めなければなりませんでした.

そうなるとまとまった休みが取れて,春または秋となると,ゴールデンウィークしかありません.幸いにも購入後3年が経過した今年,大目の連続した休みが取れる目処が立ったので,いわばこの休みがラストチャンス.これを逃すとこのドアは産業廃棄物まっしぐらになってしまうのです.幸いにもこの期間中の長期予報ではほとんどが快晴とのこと.

ということで,普段のGWは子供たちは学校だったりするし,どこに行っても混んでいるので毎日うちでバイクいじりをしているのですが,今年はこのGWを利用してドアを付け替えるというのを自らのミッションとして据えたのです.(←大袈裟)


さて,そのGW初日は二日酔い,2日目は雑用で手付かずで,実際の作業にかかったのは3日目の昼間.もともと気が進まないところに来て,どんな工程でやっていくのがベストか頭の中でただ中途半端に考えていただけで,時間だけはどんどん過ぎていくのです.そうはしてられないということで,とりあえずドアを外す振りでもいいからしてみようと,内側の縁,上下左右のネジを外して行きました.

見えているネジが全て外れても大方の予想通り,ドアはびくともしません.まあ,軽くシーラントかなんかで固定されているだけになってるんじゃないかな?と安易に考え,今度は屋外から勇気を出してディスクグラインダでモルタルを削っていきます.とりあえず,ドアの縁の外側を固定している状況がどうなっているかを調査してみようと思って削ったのですが,これが全然検討はずれ.写真のように縦に板を打ち付けている箇所と,壁の内部に横に走っている板(ラス板)で押さえつけられている箇所があり,どう考えてもこれらを除去,または切断しない限りドアは外れてきそうに有りません.

一応悪あがきをして下部のドア枠を切断して抜けば,ドア枠を中央に寄せながら抜くことは出来ないかな?と考え,ディスクグラインダでサッシ部分を切断.中がどうなっているかを確認しました.するとドア枠は奥で外側に板状に張り出しており,その部分をネジや釘で固定しているようです.単に板が押さえているだけならなんとかなりそうでしたが,ネジや釘を抜かなければいけないとなるとやっぱり板を切断するなりして除去し,その下のサッシの出っ張った部分の固定を外さなければいけません.

もう,こうなってしまったら今後作業の中身について皆目見当が付かなくなってしまいました.ぎらぎらと照りつける太陽のもと,相当な体力消耗もあり脱力しつつ,とりあえずドアを閉めて家の中に入る私.しかもこの時点でドアの下枠は切断してしまっているので,どのドアを入れるか自分で作業するか業者に頼むかは別として,ドア交換は必須となってしまっています.単にネジを緩めてモルタルを剥いだだけだったらここであきらめることも出来たのですが...

失意の中,何とかしなければいけないということで,策を練ります.PCでwebを検索したところ,もともとのサッシは上下左右に25mmの板が張り出していて,それが外側から固定されている模様.こんなのは先に調べておけば,そもそもドア交換なんて大それたことを想像すらしなかった筈なのに.これは将にバイクでも何度か味わった後悔先立たずの最たる状態であります.

2時間程度考えて何か自分で出来る策を練ったのですが,ここはこの家を設計した人に聞くしかないという結論に達しました.一応この家は注文建築ではありませんが,設計事務所が直販していたのを購入しているので,売主がすなわち設計者という便利な状況.まあいつになるかわからないけど,この状況を見て作業を続けられないようであれば交換作業そのものを依頼してしまうことも念頭に置き,思い切って電話してみたのです.

受付の女の人に事情を話すも,怪しまれるようなことばかり自分がいたりします.でもなんとか話が通じ,夕方になりますが担当者が行くので待っていてくださいとのこと.とりあえず担当者といっても営業さんが来るんだろうな〜と思いつつ待つこと2時間.日没まで約1時間というところでなんと来てくれたのは設計者でもある社長その人でした.ちょっと驚きながら庭に通し,話を聞いてもらいます.状況を見て少し驚いたようですが,根掘り葉掘り聞く私に対し冷静にいろいろ教えてくれました.社長の話では,木造の場合はドアは柱が立ったらすぐに外側から取り付けるので,その交換となると大工事になってしまうのだとか.一般的に木造のドアやサッシは水の浸入を防ぐため,縁板が外側に伸びていて,これをしっかり固定してしまうので,ドアの大きさよりも相当に大きくモルタルを剥ぎ,ドアの固定を外さなければいけないとのこと.実際社長の会社でもそんな工事を請け負うケースは無いようで,大掛かりなリフォームのときにやるケースぐらいだとか.

加えて,私の購入したドアにこのような縁板がないのは,2x4か,鉄筋コンクリート用のものであるためで,はめ込み方が基本的に違うので,うちのドアに対して入れ替えるのは非常に難しいとのこと.出来ないことはないけど,工事を頼むと非常に高くなるはずとのことでした.社長は親切にもサッシ屋さんに電話してくれ,状況説明,各部,交換用のドアを写真撮影してあとで工事見積もりを出してくれるとのことで,去っていきました.

そもそも全く下調べもせずドアを購入し,木造建築の基本もわからずに作業を開始してここまでひどい状況になってしまいましたので,もうこうなったら工事は依頼するしかないということで腹をくくってその日は作業終了.問題の下部を切断してしまったドアですが,実際切断されたアルミがささくれ立っているので危険極まりない状態ですが,一応まだドアとしての機能は果たしてくれます.一応その日は古いドアをそのまま閉めての就寝となりました.

ということで失意の中次回へ...

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