勝手口の交換(その3)

さて失意とともに過ごす一夜が開け,翌朝.朝食を済ませ,やはり呆然とドアの前に立ち尽くす私がいました.昨日の社長の話では,いずれにせよこのドアを交換するときに大きくモルタルを剥がさなければいけないとのことでした.一応ドアの撤去からの作業見積もりをお願いしたのですが,どうせそのあとをプロが直してくれるのであれば,その撤去部分だけでも自分でやってみようということを考えておりました.

昨日の話では撤去はとにかくモルタルを全周剥がして,板を除去してドアの固定を外すといったもののようで,いずれにせよ必要以上に物を壊さない限りは特殊なスキルも必要としないようなので,とにかくやってみて損はないと踏んだのです.昨日の作業で使用した工具類はそのまま庭に放置してありますし,そのまま片付けるのは何か勿体無いような気がしますし.

早速ディスクグラインダーでモルタルに切れ目をいれ,剥いでいきます.ディスクグラインダーなので,切れ目の深さを調整しつつ進めるのは大変です.それに切りカスがたくさん顔に飛んで来て痛い.また,モルタルの下にある金網が微妙にくっついていてなかなかモルタルが剥がれてくれません.

何度も休憩を入れ,脚立で高いところにも切れ目をいれました.特に高いところは顔に向かって飛んでくるカスの数が膨大で,少し経路がぶれてしまったりするとその粒の大きさも大きくなったりでやりにくかったんですが,なんとか終了しました.切れ目が直線から大きく外れているのはご愛嬌といった感じですが,なんとか板の奥にあるドアの縁板が全て見通せるようになりました.

次にこの縁板を押さえているラス板などを切断していかなくてはいけません.ここで一つ工具を調達することにしました.このラス板切断にはジグソーがあると便利かな?と思い,ジグソーをホームセンターに出かけて買ってきたのです.そんなに安い買い物ではありませんが以前から欲しかったものなので,これで買う理由付けが出来たということで勢いで購入に踏み切りました.

しか〜し,このジグソーをラス板の間に差し込んで切ろうとしても,すぐに歯の先端で奥の板をついてしまい,全く切れないばかりか危険で仕方ありません.ということでせっかく購入したジグソーをあきらめ,普通の鋸を薄くストロークさせ,ラス板を切っていきます.ラス板そのものは結構柔らかい材料なので,以外に簡単に切れてしまい,いざ購入したジグソーの存在に疑問を感じつつその作業は終了.

次に縁板を止めている釘を抜いていくのですが,これをやってしまうと今度はドアをつけるのもやってしまわなければ長期にわたってうちの開口部を開けっ放しにしてしまわなければいけません.ひとまずここで業者さんにドア取り付けを任せるか,自分で悪あがきをするかを決めなけばいけません.

そんな折,社長からFAXで見積もりが届きました.その内容は,ドア撤去,取り付け,左官,塗装,廃品引取りなどを含んで約13万円.ドアについては私の買ったドアは廃品となり,上下開きの2枚ガラスの付いたドアを新たに購入してそれをとりつけるというもの.実際はそれが5万円以上掛かっているので,これだと予算を大幅にオーバーしてしまいます.ここで長考に入ります.このまま作業を進めると,ドアを外し,購入したドアのフィッティングをやってみることになります.なんとかそれで取り付いてしまえば,あとは左官や塗装などテクニックを必要にする工程になります.もし新しいドアのフィッティングに問題が生じて,全然取り付けできなかったとしても仮にしばらく取り付けておいて,あとで業者さんに他のドアを取り付けてもらうことも可能ではないかと考えました.そうなるともう心は決まりました.それは行けるところまで自分でやって,どうしても無理なら業者さんをお願いするというもの.早速社長には出来るところまで自分でやる旨のお電話をしておき作業を続けることにしました.しかしあまりにも長考したため,作業再開と行こうとしたにも拘らずその日は日没してしまいあえなく作業中断.


さて次の朝(実際には昼前),性根をすえてドアを固定している釘を抜く作業に取り掛かります.実際はラス板を外すときに半分程度の釘は取れてしまったのですが,それ以外にもとめている釘があって,それが結構奥に止まっていたりするので,くぎ抜きが突っ込みにくい.特に下回りはラス板そのものを除去してもその外側に釘があったりしてもう一枚板を除去しなければいけなかったりして手間取ってしまいました.結局結構な時間をかけて釘を全部抜きましたがとき既に午後2時.釘を抜きながら徐々にドアの固定が甘くなるのを確認しながらやっていったので,下回りを終えた時点で,ドア枠が取れるのを確信しましたので,おもむろにドアそのものをヒンジからとって,枠をそのまま手前に引きました.するとドア枠が徐々に抜けてきました.おお〜,苦労してようやっとここまで来たな〜と感動です.

ここで,例のドアをここにはめてみてフィッティングです.その前に枠のひん曲がった部分を修正しておき,おもむろにドアをぱっかり開いた穴にはめて見ます.すると幅は約10mm小さくてOK.高さは約45mm低くてここにもスペーサーをはめてやればなんとかいけそう.下側は切込みを入れたり既存ドアの下枠を支えていた木枠を約25mm下にずらして固定し,加えて下床のフローリング板に切込みを入れてやれば床面に新しいドアの下面が床にべったりくっつきます.このドアは2x4などの用途なので既存ドアのように縁板はありませんが,枠の断面が外向きのコの字型チャンネルですので,その内側を押さえれば固定できないことはない感じです.こうなると,なんとかこのドアをくっつけてみたくなるのが人情というもの.俄然やる気が出てきました.せっかく見積もりを即日出してくれた社長には申し訳ありませんが,作業続行!

しかし,ここらへんで長くなってきたので続きは次回.

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