Fブレーキパッド交換

オーリンズリアサスの効果に酔いしれる年末年始.といっても物の完成度の割にいまいちの走りしか出来ず,フラストレーションが徐々に溜まりつつありました.こういう時に人のせいにしないで物のせいにしたがるのがいけないところ.でもひとまず思いっきり物のせいにしてみました(^^;.

というのはブレーキ.フロントの効き方に違和感があって,リアの腰高さもあいまって車勢が崩れそうになることが有ったのです.単にブレーキが下手なんじゃあないの?なんて思わないで!実は握り込みに対してグラフのような感じで制動力が変化するのです.ブレーキの遊びやなんかではなく,これをタッチというんでしょうか?もうちーとブレーキ欲しいな〜なんて一握りすると,想像以上にがっつーんと急に効きはじめるのがなんとも危険な感じなんです.このおかげで現状の腰高車勢の効果もあると思いますがフロント荷重の急激な増加が生じ,コーナー進入時に恐い思いをすることがとっても多く,コーナー一発目から上体ガチガチになってセクション全体メロメロ〜なんてことが常態化しつつある私.悪いことに最近の肩凝り惨禍もあって必要以上にこの上体ガチガチが辛い.また再発してしまうのではないかとビクビクしながらZXRを走らせるのがなんとも自虐的.

で,早速原因追求.キャリパーを外してまずパッドの観察.もともと交換時期に入り幾年月.残量は1mmを切っています.まあこれは渋ちんなので仕方がないとして,今回はついに交換です.で,よくよく見るとちょっと変な現象が.右側のパッドが外周部分と内周の残量に差が大きく,テーパ状に削れているのです.これは臭い!で,いつものキャリパー清掃に移ります.パッドがない状態でレバーをニギニギしてピストンを出します.すると,4ポッドの内外でのピストンの出方に明らかな差があります.ちょっと手で押さえていれば他のピストンが出て来るようなかわいいもんでは有りません.極端な話指で押さえているだけの状態では片側のピストンが全部出て,フルードがダダ漏れになったとしてももう一方のピストンは1mmたりとも動きません.で,今迄使ってきたパッドを挟み,ニギニギして,均等にピストンを出します.ピストンを清掃して再び押し込みますが,これがまた硬い硬い.簡単に出た方は容易に手で押し込めますが,もう一方はぜんぜんダメ.古いパッドを挟んでドライバーを差し込みグギグギして何とか押し込みました.これを数回繰り返しましたが,やっぱりキャリパーの内外でピストンの摺動に差が残ります.ここまでやって,ようやっと最近のブレーキ不調の原因がうすうす分かってきました.多分,キャリパーの片側のピストンの出が悪くって,パッドが左右不均等にローターを押し,ローターの反力に負けているときは効きが悪く,ローターが若干曲がって均一に押せるようになったとたんに効きが良くなるのです.このため上のグラフのような効き具合になってしまうと見ました.まああくまでも想像ですが,これが正解ならば,均等に押せるようにピストンの摺動を改善し,パッドを交換すればもとのリニアな効き具合に戻るはずです.先が見えてきました.

ここで,やめときゃいいのに頭の隅にある物が思い起こされました.実は以前入手したZXR純正キャリパーが有ったので,これと入れ替えてみては?と思ったのです.で早速思い立ったが吉日です.ごそごそスペアキャリパーを出してきて早速付け替えてみました.キャリパーはブレーキホースなんかも付いたままなので,外すとブレーキフルードまみれになってしまいますので,さっさと作業を進めて一瞬のエア抜きの後レバーニギニギでピストンを出します.さて,ピストンの出具合はどうでしょう?

だめです.現行キャリパーより摺動に差があってとても今以上になりそうではありません.何度かピストンの出し入れをやってみましたが,納得できるレベルになるのに時間がかかりそうなのでやめました.また元のキャリパーに戻すことにしました.うーむこの着脱でクラッシュワッシャが4つも無駄になってしまった(T_T).

キャリパーをもとに戻してからは再び数回ピストンの出し入れをしてなんとか許容できるレベルまで摺動するようになりました.まあこれでもなお問題が出るならシール類の交換でしょう.新しいパッドを入れ,入念に"ビオレ"でエア抜きします.で,このパッドも止めときゃいいのにスペアキャリパーからの使い回しです.スペアキャリパーのパッドは新品同様というわけではありませんが,残1.7mmというところでしょうか.まあデイトナの新品もあるのですが,もう所々に渋ちんの根性がばらまかれている私のバイクメンテにおいては登場の余地が未だありません.エア抜きついでにフルードも全交換.リザーバタンクの色の変わりようがなんともお正月っぽくて素敵!最後にレバーの仕上げニギニギをして効きを確認して作業終了.
(作業時間:120min.)


で,恐る恐る試運転です.パッドを交換してすぐはやっぱり効きが悪いですが,10回も急制動すればなんとかあたりが付いてきました.リニアなタッチに変わったなという感じ.このおかげで,少々の無理が効くようになって,バンクしながらのブレーキングにも安心感が増しました.相乗効果でもありますが,コーナーリング中のリアの接地感が増し,今までオーリンズをしてもこじる感じでコーナーをクリアしようとしていた自分を再認識できました.

今回のメンテもあまり正解とはいえないようです.本来はキャリパーのオーバーホールを実施すべきなんでしょうが,貧乏性なのと面倒くさがりな性格でこんなになってしまいました.あんまり真似しないでね〜.

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