クーラントタンク補修

最近の数回のツーリングもあって,ZXRもここ数年にはない一般的な走行ペースとなりました.ここで少しメンテナンスが必要な個所が出て来たので,早速対応です.まずチェーンです.ZXRのチェーンは以前も書きましたが,チェーンソーのオイルをつけて定期的なメンテをしてきたのですが,あまりの走行距離の伸び悩みにローラーの表面になにやら黒い皮膜のようなものがかかっていて,ちょっとした距離を走ってもそれが取れないでおりました.リアビュー一つとってみても,やっぱりチェーンのローラーは銀ピカでないと...で,この1ヶ月で1100kという普段にはない距離をこなしたおかげで,銀ピカになりました.うーむ,嬉しい...としげしげチェーンを眺め悦に入る私.チェーンのリンクの動きもスムーズで,気持ち抵抗も減ったかなという感じです.しかし,実のところ私が使用しているオイルはチェーンソーのもので,昨今はやりのあの真っ白になっちゃうスプレイタイプのチェーン潤滑剤に比べ持ちがよろしくないのは公知の事実.実際,スプロケットも刃の隙間がピカピカになっていたのはいいのですが,以前に比べその減り具合が早いような気がします.それにスプロケットの表面をウェスで拭いてもあまりオイルが付いてこないのでほとんどスプロケット表面にオイルが残っていなかったという事が分かりました.まあ,このオイルの特性上1000k以上無給油というのはちょっと無理があったかもしれません.で例のごとくまたシコシコオイルを塗りたくっては拭き取ってというのを繰り返して清掃.最後は適当に塗って出来上がり.せっかく銀ピカだったのに目立たなくなってしまった〜.まあ如何にチェーンやスプロケットを長持ちさせるかというのが本題ですから,これは致し方ないもの...と自分に言い聞かせます.

で,ここからが今回のメインディッシュです.今回のツーリングに出かけるすーっと前に気付いていたのですが,クーラントリザーバタンクが割れていました.実際,こけた訳でもなく,風で倒れたときもこの部分に負荷がかかることがなかったようで右のカウルステーの曲がりなども見られなかったのですが,なぜか割れてます.多分経時変化と一個所をネジで止め,その奥をゴムバンドで止めるといういかにも応力集中を呼ぶ構造にもその原因があると思われますが,ネジの取り付けのエラの部分の根元から四方八方に割れが走っています.一応下向きの割れがUPPERレベルとほぼ同じ所で止まっているのは確認していたので,そのまま放置していたというのが,実際です(←いーかげん).でもバンクさせたとき徐々にもれてきますし,高速で飛ばしていると,風の影響か,少なくとも滲んでくるという感じではなく,周辺に飛び散ったりします.現に白馬にいくにあたって外環で徐々に出てくるクーラントを目撃しましたし,帰ってくるともう,クランクケースの側面がなんとも変な色合いのフローマークで覆われています.クーラントはというとLOWERレベルまでは行ってませんが,なんか底の方に溜まっているクーラントが,クーラントではなくアオミドロのような怪しい色になっています.もう限界だ...

ここで普通の感覚の持ち主はクーラントリザーバタンクを注文して,自分で取り付けるというのが順当です.そうです.補修です.買えば今年の価格で約1800円という情報はありましたが,1800円をケチるというより,やらいでか!という気持ちが私を突き動かします.まあダメだったら買いましょう.ということでまず接着剤選びです.条件は

・あまりにも補修痕が目立つのもいやなので,硬化後に透明になるもの.
・やっぱりプラスチック用
・安いこと

で,決まりました.セメダインPPX.PPやPOMやほかのプラスチックに対応とのことで,硬化後の色はお楽しみです.値段は...忘れました.1800円以下だったことは確かです(←いーかげーん).クーラントも適当なグリーンのやつを購入しました.配合さえ間違わなければあの色の状態のクーラントよりも結果は良好なはず...

さて,早速作業開始.カウルをはずしてタンクを外します.中に入っているアオミドロのようなクーラントは,バケツに受けます.うーむ.冷却能力があったのか果たして疑問...クーラントは今日のところは抜かないで,タンクのみ外し,修理です.まず水で洗います.底に溜まったクーラントの澱(?)がなかなか取れなくって,水をぶっかけてなんとか取れました.割れている周辺は水垢なんかもついて汚らしくなっていますが,接着するときにこれが曲者になっては困るので,歯ブラシでごしごし落とします.それでも細い隙間の砂(?)のようなゴミは取れませんでした.で,乾燥.丸一日室内で乾かします.翌日,買って来た接着剤で満を持して接着です.一個所ずつやると,慎重に出来るのですが,今回無理矢理すべての割れに一遍に接着剤を塗布しました.これは次の工程のため.それは

吸う.

入りと出のノズル部分に指で蓋をして,キャップの付く口を思い切り吸います.目的は割れの隙間に接着剤を充填することです.結構な力で吸い出すと,多少滴れ気味につけていた接着剤が,割れに吸収され,割れに沿って凹みが出来ています.そこに再び接着剤を盛り,というのを3回繰り返し,乾燥を待ちます.ここで再び丸一日.

さて次の週末,クーラントの交換です.実はケチってクーラントの交換は見送って補充だけにしようかとも思ったのですが,意を決して交換することにしました(←渋すぎ).早速作業開始.クーラントキャップを外し,ポンプの横のドレンから抜いていきます.先日の変色クーラントは記念に取っておいたので,そのバケツにチョロチョロと...実は機体の中からあんな色のクーラントが出て来たらどうしようと思っていたのですが,意外に綺麗です.とはいっても3年前の車検の時に変えただけで,決して誉められたもんじゃ有りませんけど(^^;.丁度,小便小僧のような状態のところに娘が来て大喜び."おしっこしてる〜!"途中まで抜けたら,ラジエターの後ろにあるネジも緩めて完全にクーラントを抜いてしまいます.

ここでドレンやバルブを締め,タンクを装着します.実はこのタンクは約1週間水漏れ試験にかけられていたのでした.まあ,内圧をかけたり振動を加えたりした訳ではないので,所詮気休めですが...でも見事試験にクリアしたタンクを,取り付けのときに破損させてしまってはいけないので,まずゴムベルトを付け,ネジ穴に位置を合わせて座りをよくしてから,ネジを締めます.トルクも出来るだけやんわりとかけて,緩まない程度とします.次にクーラントをクーラントキャップ側から入れていきます.面倒なので混ぜてからではなく,先に原液を入れ,あとで水道水をその割合に応じていれていきます.今回のクーラントは車で使っているそこらへんのホームセンターで売ってたやつ.指定希釈率は1/3でした.問題のクーラントタンクにもUPPERレベルまで満たし,機体内のクーラントを攪拌する意味で,エンジンをかけます.すると,メンテナンスマニュアル本の記述どおり,キャップ側の水位が少し下がりました.その分補充し,キャップを締め,出来上がり.



さて試運転.季節が季節ですので,クーラント交換の冷却性能については全くわかりましぇん.問題のクーラントタンクは,試運転ではにじみの発生もなく,当面しのげそうです.でもやっぱり,割れに沿って接着剤の跡があるのは如何にも貧乏臭いので,ちょっと今回のメンテ,お勧めできません.お粗末!

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