キャブ同調

プラグコードを交換して以前よりも調子を取り戻したZXRですが,以前から点火系がまともになったらやりたかったのがキャブの同調です.キャブの同調にはどういった物が必要かと言うことですが,まずバキュームゲージが無いことには始まりません.しかも作業性を考えたら4連...ここ数年インターネットのWEBでバキュームゲージを購入し,日常のメンテで同調を細かく取っておられる方も居られてそれを指をくわえてみていたのです.

でも相場は2万.諸経費もろもろで2.5万というのが大体のリサーチ結果でした.かといって2連に変更してやるのもなんか悔しい...しかたなく半ばあきらめていたのですが,空圧機器で一般的に使われるような負圧計であれば,単品売りでそんなには高くないことを知り,俄然やる気が出てまいりました.いろいろリサーチしたのですが,海外からの個人輸入でも結構入手できる事や,それが約1万円強である事もわかりました.まあそこまでわかれば個人輸入かななんて思い始めたその時,あるツールやさんのWEBを見つけました.そこにはバキューム&フューエルポンプテスターが1230円/1ヶ!値段も驚きなのですが,そのお店は大阪中心に店舗を展開しているのにも関わらず千葉支店があって,それがすこぶる近所なのが驚き.すかさず地図で住所を調べ,週末にお買い物のついでにGO!

そこは予想と違い駐車場もあって,ゆっくりとしたお買い物も楽しめそうな素敵な立地条件.お世辞にも広いとは言えない店内に魅惑の品がワンサカ(←死語)

取り敢えずものは3ヶ有りました.そのうち1ヶが黒い枠であるのが気になりますが,"まあ精度なんてどうせ値段なりだろうし"とまたまたいけないチャレンジャー精神のもとご購入.1ヶ取り寄せということで後日連絡をもらうとして,会員にもなってほくほくと帰る私.

早速その次の金曜日,残りの一個が入荷したとの連絡があり,取りに行きました.さて,これをどのように取り付けるかですが,一般的にどんな4連メーターであっても同じ方向に並列に並んでいるのが定石です.で裏に付いているメーター本体をカバーに取り付けるネジを利用して何らかの板に取り付けることにしました.結局この板は会社で拾った曲がったアクリル板を修正して用立てました.Iさんその節はありがとうございました.(^^;板の裏側にはZXRのフレームに直接おいても振動の影響を最小限に抑えられるよう裏側の縁にゴムを接着しました.取り付けはドリルで穴を開け,ネジの長さが足りなかったりもしましたが,何とか取り付けられました.

次なる問題はその配置です.4つのバキュームゲージはそのカバーが赤と黒の2ヶずつ.単なる装飾なら赤黒赤黒とならべるのが良いかもしれませんが,私の場合,これは黒赤赤黒の順にならべることにしました.これは調整の時にまず左右の赤黒をそれぞれ合わせ,その後に赤を合わせるという単純明快な説明ができるからです(うーん...そうかな?).この段階でちょっと嬉しくなってタンクを外して乗っけてみました.ZXRはダブルクレードルのフレームの上にタンクが載っているので,フレームに渡して4連ゲージを置くとなんともぴったりと収まるじゃあないですか.とっても素敵...

で,次にバルブです.直接2次圧を拾ってはメーターを傷めてしまいますし,脈動により読み値が安定しません.いろいろ探しましたが,ホームセンターのエア機器のコーナーには両端がニップルになっているものが有りません.そこで金魚のコーナーに行きました.するとあるには有るのですが,2又と3又のものしかありません.メーターが一つしかなく,4気筒分を一つでかわるがわる計測する場合はこの組み合わせで使うらしいのですが,せっかくの4連です.なんとしてもならべて使いたい(←困った思い込み).で,もっと他の店でも探せば有ったんでしょうが2又の物を4ヶ(@198x4)買いました.これをバキュームゲージに接続するのですが,なんとも所詮は金魚用.口径が小さいので,バキュームゲージに付いてきたチューブに刺すにあたって金魚用のチューブをかまして付けました..出来上がりを見るとなんとも6千円弱で出来上がったとは思えない出来上がり...しばしうっとり.

で次の週末早速同調取りです.まず,タンクが上げられるようにして,近所の公園の前の道までZXRを暖気をしながら押していきます.これは近所迷惑を避けるためですが,家の近所は住宅地と言う訳でもないので,公園脇に人家はないところがちょうど有りまして,そこでの作業が適当と以前から目星を付けていたのでした.さて十分に暖気も済んだ時点でタンクを上げ(H1はエアクリーナーボックスの背が高いのでその上にタンクを載せられるので便利),インシュレーターの上部にあるキャップを取ります.これが意外に取れなくって苦労しました.あまり好ましいことでは有りませんが2,3番についてはマイナスドライバーでこじりながら引っこ抜きました(^^;.ここに4連バキュームのチューブを差していくのですが,一応漏れが有ってはならないのでグリスをニップル側に塗っておきます.4つのバルブ全てを締めて,再びエンジンをかけます.今回2又のバルブとなってしまったので,誤って遊ばせている側を開けておいてしまうと2次空気を吸って元の木阿弥となります.指差称呼なんぞしながら,セルを廻します.タコが安定したところでバルブを開けていきます.開けすぎると脈動を拾ってしまいますから針の動きに中止しながらです.針が安定したところで1,2番の間の調整ネジを廻します.差は30mmHgぐらい有ったでしょうか,始めどっちに廻せばよいのか分からず,差を広げてしまいましたが,なんとか10mmHgぐらいに合わせられました.と言ってもメモリがinchHgなので,内側の粗いメモリとそれを比べながら合わせました.まあこれはものがアメリカ製なんでしかたないことです.マニュアルの方ではこれを20mmHg以内にするように書かれています.次に3,4番を同じく合わせました.3,4番を合わせた時点で明らかにアイドリングの音が変わり,滑らかになりました.擬音で言うとプラグコードを変えてからはコロコロ(←以前はカラカラ)だったのが,デロデロデロデロ(何じゃそりゃ)...おおっ!これは期待できるぞ!

ということで今度は2,3番を合わせました.ここで力が入りすぎたのか,ドライバーでネジを押してしまいまして,バオンとあおりを入れてしまいました(^^;このあおりの後1,2番も3,4番もその差が大きく開いてしまいました.まあ安定するまで何度でもやるのがコツということで,気を取り直して1,2番から.同じく慎重に3,4番を合わせ,今度はスタンドを浮かせ水平にした状態での差を見ました.ちょっと4番が低いようです.再び3,4番,2,3番と合わせ,もう一度あおります.先程のような大きな変化はありませんが,全体の差で目標10mmHgと勝手に思い込む私は数度これを繰り返しました.あおりを数回いれると心なしかピックアップが違う.期待に胸膨らませながら,最終的には規定の1000r.p.m.において各気筒12-13mmHg以内の差に収まったところで作業終了.この時恐ろしいことにアイドリングスクリューを戻しまくりタコメーターが300回転ぐらいを指していてもアイドリングしていたこと.もちろん針は安定してませんでしたが,エンジンが止まるような兆候がまったく見えなかったのが驚きです.うーむ楽しみ.なんとかPSの戻し量をいじらずに全気筒が落ち着いたので今日はこれでおしまいです.ここまで約15分.

この時点で息子の幼稚園のお迎えまで約30分.カウルを大急ぎで取り付け早速試運転.エンジンの掛かりはもう十分暖気が済んでいますので比較してもしかた有りません.で,クラッチを繋ぎ出撃.すると,

おわっ!?

思いっきり外に膨らんでしまいました.プラグコードを変えた時にこういった現象は十分にあったので,用心はしていましたがそれと比較しても別物!?1000-2000回転でクラッチを切らず発進左折ができる(ToT)...凄まじいトルクアップです.ある程度予想はしていましたが,これほどとは...前回のプラグコードを変えた時点ではアクセルのON/OFFのタイムラグとピックアップの軽さが感じられましたが,それがもうひと磨きされた感じ.大満足です.しかしあまりにも低速がもりもりになったので,6000以上がいまいちです.今までアクセルを開け続け6000ぐらいになったらドッカン加速が有ったのですが,これが感じられません.これは単純に今まで6000以下が不調であった証なのですが,なんか変な感じ.これにはMJを変える必要があると思われます.まあ常用域の殆どが改善したので非常に乗りやすくなりましたし,ドッカン加速(←いや,だから不調だっただけなんだって)のおかげで恐ろしかったコーナーもスムーズに抜けられるようになりました.なんかうまくなった気分で,息子のお迎えの時間をちょっと過ぎるまで楽しんでしまいました.そのあと案の定幼稚園で息子には怒られましたが...

この約1ヶ月の間に激変したZXRの調子に気を良くし,次は何をしようと模索する私. まあ寒い時期にいじった部分は暖かくなるとまた変わってしまうかもしれませんので,やることは四季を通じてあるには有るんでしょうが...日本って素敵!

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