カウル習作(その4)

・7日目
さて,いよいよ塗装の日.今日はお日柄も良く,適度に乾燥していて無風状態.こんな日に塗装せずして何とする!といった感じですが,まず塗料についてご説明します.実はこれに至るまで,簡単に入手できる純正色の塗料はないものかと探ってきていたのです.結構ウレタンの場合は純正色に合わせ調合したものを売ってくれるところはあるようです.値段も手ごろなのですが,今回はあくまでもサンデーぺインターの域を出ないよう,缶スプレーです.で,私の好きな純正色というとA1の青/銀.特にあのブルーメタリックが好き.で,純正カラーリングの場合アッパーカウルはこのブルーメタリック一色.さてこの色に近い缶スプレーがあるか?ということですが,見つけてしまいました.ホルツのブルーマイカ(F18).

スバルレガシーなどで使われているもので,以前一度部分補修(やっぱりウィンカー取り付け部)に使ってみたのですが,驚くほどに同じ色.まあメタリック系の部分補修なので稜線でマスキングするなど境目を目立たなくさせる工夫は要りましたが,出来上がりは純正との違いが全く分かりません(ここらへんに個人差はあると思いますが).調合キットを店に常備しているホームセンターなんかも出てきて結構融通は効くようにはなってきていますが,色見本と調合比の対応表にはバイクのものはなかなか無く,私的にはこの缶スプレーを使えば十分な補修が出来るというので,ここはやってみよう!ということでこのカウル補修を考えついたのです.

で,早速準備.缶スプレーの場合この季節は気温が低く,連続して吹き付けているとガスが先に出きってしまって最後まで使えないようになってきます.これを防ぐため,私は洗面器にお湯を張り,その中に缶を漬け込んでおきます.15分ぐらい放置して,十分に暖まったら,塗りを開始します.でも一つ用心が必要です.カウルにスプレーを向ける前に良く水切りしておかなければいけません.というのはスプレーをカウルに近づけてスイングさせている時に,缶から水が滴れ,カウル表面に付いてしまっては台無しだからです.水滴が付いてしまうとその上から塗料を吹いても水滴の上にしか載ってくれず,仕上がりに大きなダメージを与えます.ですから,カウルから数メートル離れたところで缶スプレーを蓋を開けた状態で良く振って水を切ります.また,カウルにかからないところで,頭を押し,塗料の出を確認しておきます.これをやらないとたまに吹き出し口に水が付いていて,極端に出が悪くなることがあるからです.

十分そのような対策をし,いよいよ吹き付けます.また風呂のかき混ぜ棒にカウルを載せます.吹き付け自体はたいしたことは有りません.20-30cm離して直角になるようにスイングさせ,滴れない程度に塗っていきます.滴れる寸前で逆サイド,乾燥を待ってもう一度,というのを数回.地の色が見えなくなってきたらクリアを吹いて再び青,これを繰り返しメタリックを出していきます.それでも乾燥を待っていたので時間にして約6時間かけ,やっと塗装が上がりました.せっかくの日曜日,日中ずっと塗料臭い思いをさせてご近所の方.ごめんなさい.一部見えにくいところに滴れも出てしまいましたが,なかなかうまく塗れたかも...

今回缶スプレーはホルツの缶でブルーマイカとクリアをそれぞれ3缶ずつ使い切りました.

・8日目
さて,磨きです.乾燥は5日間行いました.今の季節はそんなに必要ないかもしれませんが,夏場なんていうのは湿気のせいかまったく乾燥しないので2週間ぐらい置いた方が後々の磨きが楽です.何故だか分かりませんが経験からいくと十分乾燥させた方が磨きに対してその効果が現れるのが速いのです.これは缶スプレーの場合に限定されてのことなのかどうか分かりませんが...

今回は結構落ち着いて塗装工程において滴れ寸前の塗りが出来たので,いつもは1200番の水研ぎから入るのですが,いきなり中目のコンパウンドから開始します.コンパウンドをかけ磨くときは,破れた靴下で(ちゃんと洗ってからよ!)やっていたりするのですが,細かい部分はやっぱり指でやってしまいます.指紋が薄めになってしまったりしますが,エッジ部なんかは特に繊維が引っ掛かり,想像以上に削れてしまったりしますので,こうでもして気を配ってやらないといけません.

でも結構この磨き作業が根気のいる作業で,アッパーカウルまるまるとなると丸一日を(私の場合2日に分けましたが)要しました.このアッパーの場合はそれぞれの稜線で一区切りとして,一区切りごとに仕上がりを確認しながら次の細目コンパウンドに移ります.大体10区切りで,それぞれに約1時間を要した感じです.腕の筋肉が普段使わないところが張っちゃって違和感が激しいですが,こんなもんでしょうか?

さて,磨きも済んで,完成.見栄えはなかなかな出来だと思います.自家塗装であるかどうかは目を凝らしてみるとやっぱりと言う感じですが...(^^;完成後すぐに装着してもいいのですが出来れば塗装面をはじめ各層が落ち着くのを待っておいたほうがいいかも?約3週間をかけ,自分なりに楽しんできましたが所詮素人作業.まあ事情がどうであれ,やってみようかと思う方が参考するにしてもあまりせっかちに作業を進めない方が良いようです.今回のようにスペアを使って気楽に自分の楽しみとしてトライしてみると意外に良い仕上がりが得られたりするもんです.実は今回は上手く行った例をupしましたが,今まで結構失敗もしていて,"下地勝負"とか"焦りは禁物"とかいろいろな教訓を得てきました.紹介するのにあまり恥ずかしくない題材がやっと出来たのでupしたような感じです.おうちに場所ばっかり取る割れたカウルのある方.冬のインドアも結構楽しいっすよ.(と誘う...)

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