仮組み(?)その3

この頃になると室内の子供たちも親父のはまっている様子を見て我慢できず庭に駆け出してきました.私がエンジンを載せるストーリーを考えている最中にフレームの下をくぐろうとした娘がフレームに頭を強打して,わんわん泣きはじめます.それをなだめながら全く心は上の空の私.うーん,家族って一体何なんだ?と自責する私(^^ゞ...

とりあえずフロアジャッキを使ってあげてみようと考えたのですが,何といっても地面が沈んでいくのは目にみえています.それでも一応ジャッキ下に板をかまして揚げてみることにします.まずエンジンをフロアジャッキの上に載せなければいけません.しかし頭数は私一人.ジャッキを安定するよう立てたところにまずエンジンを載せる必要があります.さあ,火事場の○○力のお出ましです.庭の隅からまずエンジンを転がしてフレームの近くに持ってきます.エンジンも"待ってました"とばかり心なしか喜んでいるようにみえます(もう病気?).ジャッキをまずフレームと平行に置き,下に木の板を挟みます.その隣にエンジンを据え,まず呼吸を整えます.さあ息をしばし止めて

"ふんっ!"

乗りました!乗りました!しかし...とりあえず乗ったエンジンを何とか支えないといけません.フロアジャッキ1点ではヘッドの重量ばっかり重くてどうしてもバランスが取れないので,これからは片手作業になります.といっても足回りまで組んでしまったフレームをどうやって片手で持ってくるか...この時ほど自分がタコやイカに生まれてこなかったことを後悔した瞬間は有りませんでした(かなり異常な心理状態に追い込まれてしまっていたんだと思います).

しかたないので近くを見渡すと,木切れが一本.ええーぃ!ままよっ!!ということでエンジンの腹の当たりに木切れをかましてその位置を維持することにしました.しかしこれが何かと不安定.木切れのあてがった先が土の地面なので,ちょっとずつ沈んでいく(T_T)...もう自棄半分ですぐ側のフェンスにエンジンの側面をもたげて,一旦そのままの体勢で保持します.エンジンからひとまず手を放し,一服...というよりも頭の中はこの時点でパニック状態.ここで体力の回復もままならないうちに作業を再開してしまいました.

フレームをかぶせ,ジャッキを揚げていきます.揚げれば必然的にかましているだけの木切れは効力を失います.左手でエンジンを支え,右手でジャッキを揚げるという.マイクロソフトも真っ青なマルチタスク状態.しかし,ここでV30(古いCPUです)相当の私のCPUは暴走し,左手のコントロールがおろそかになってきたのです.この時点で私はすでに"一般保護違反"状態に陥っていました.そろそろフレームのネジ穴にエンジンの穴が届こうかという時に,そっちに気を取られてエンジンがふらつきました(@o@).急ぎ右手をジャッキから放し,エンジンを抱えるようにサポートしたのですが時既に遅し.そのショックでジャッキが動き,同時にジャッキの足元に敷いていた板から外れてしまいました.ジャッキは足元の土の柔らかさに耐え切れず倒れ,エンジンは一気に10cm程度高度を下げました.ちょっと生命の危機を感じながらそれでもエンジンが直接地面に叩き付けられるのを避けようとしたのですが,そんな努力も空しく,なにやら

ポーッキーン

という音がしました.見ると地面に何やら真鋳色の部品が落ちています.それはオイルパンに刺さっているはずの温度センサーでした(T_T).ジャッキの上に落下する時に温度センサーが一番先にあたったみたいです.オイルパンを見てみると,綺麗に根元から,まさに私の新たな温度センサーの挿入を拒むかのように面一にセンサーは削ぎ落とされていたのでした(超激泣).ほんとに涙が出そうでした.しかたなくフレームなどいったん退避させ,エンジンを起こし,ジャッキを引き抜きます.一通り終わった時点で立ち上がったところ超弩級の目眩が...うちの娘がその様子をみて無邪気にエンジンを指差して"これなあーに"と聞いてます."これはね,このままゴミになってしまうかもしれないんだよ..."と答える自分を想像しながら,"このままではいかん!"と作業を再開します.(長い一日のレポートはまだまだつづく)

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