キャブいじり(その1)

キャブの調子が悪そうだというのはメーターの時にご報告しましたが,これがだんだん我慢できないレベルになってしました.まず始動は全く問題ないんですが,暖気が終わってしばらく走ってから信号で長時間止まると,アイドリングが極端に下がるんです.そしてアイドルスクリューを廻してアイドリング回転数を上げても,今度はクラッチミートの瞬間にエンストしそうになるんです.しかもミートできたとしてもかなり失速気味.これはキャブに違いない.

まずトライしてみたのはパイロットスクリューの調整です.アイドリング中の不安定は関係ないかもしれませんが,クラッチミートの瞬間プラグがカブリ気味になるのは,パイロットスクリューの戻し量が適正でないからではないかと思ったからです.事前チェックではオーバーフローしている感じもないですし,フロートレベルもあっています.次に簡単に出来るところというところで,これに白羽の矢が立ったわけです.ちなみに以前ご紹介しましたが,今付いているフルパワーキャブはほとんど部品をばらさずに組みつけています.このとき一応パイロットスクリューの戻し量を確認していたのですが,これがサービスマニュアルの戻し量に対してあまりにも違うので,それを疑ったわけです.その戻し量ですが,マニュアルでは2回転と1/8.実際は1,4番が1回転と3/4.2,3番が1回転と1/2.なんで?という感じですが,セッティングをちゃんとやろうとすると内側と外側でパイロットスクリューの戻し量を変えることもあるようなので,このキャブはこのほうがいいのかしら?ということでそのままにして組みつけていたんです.

まあしばらくこの状態で走ってきたんですから決定打でないような気もしますが,作業を開始します.といってもそんなややこしいことはしません.パイロットスクリューはキャブレターの下部にあるので,ドライバーが入らないから取り外して調整することが多いようですが,私はそんなことをしなくて良いように工具を組み合わせてなんとか簡単に済ませるすべを編み出していたのでした.それは写真のように1/4のソケットレンチの先に交換式のドライバー用のビットを差込み,それをキャブの下から差込んで廻すというもの.ニンジャの場合2番が一番スペースがなくてきついんですが,これならギリギリ廻せるのです.で,今回は一旦マニュアル通り一回ねじ込んでから2回転と1/8回転戻します.結果はというと,残念ながらあんまり変わりませんでした.

次は予定通りという感じですがキャブを外してとことん清掃します.てきぱきとタンクを外し,インシュレーターを外し,エアークリーナーボックスを後ろにずらし,キャブを外します.てきぱきと書きましたが,これが意外に時間が掛かっています.そう,季節は冬.そのためインシュレーターが硬くなっていてクリーナー側はおり込みにくいし,ヘッド側は単に抜けにくいしとっても手間取りました.ここで私は断言します.キャブのメンテナンスは夏にやれと.

話はそれてしまいましたが,フロート室のガソリンを抜いてアクセルワイヤーなどを撤去して完全にボディーから外してしまいます.フロート室を開け,メインジェットをチェック.ここで驚きの事実が一点.番手がなんと#135なんです.ノーマルは105または100なんですが,これがえらい大きいものが入っている.う〜ん,これならパイロットスクリューも戻し量が変だった理由もうなずける.パイロットスクリューをいじったときに変化がなかったのは私が鈍感になっているからのか,他のトラブルで変化がめだたなっかたのかわかりませんが,とにかく戻し量を多くしたのは濃くなりすぎるはずなので,この番手であれば不正解ということになります.う〜ん,まず開けて再確認するべきでした.

さて気を取り直してまずメインジェットを外してみると...なんじゃこれ〜メインジェットの内径は結構大きいので,完全に詰まっているわけではないのですが,ちょっと口径が狭くなっているような感じで汚れが2気筒において付着しています.それにメインジェットホルダーの側面の各12ケの穴のうち10%が詰まっているような感じ.原因は水のようです.恐らくウォーターポンプの一件(3件?)のせいで,クリーナーボックスに水が大量に入り込み,それがキャブの内部にも及んだためフロート室にも若干侵入したんでしょう.これが乳化してメインジェットの側面にくっついて白くなっているようです.う〜ん,こりゃえらいこっちゃ.ということで更なる清掃に手をかけるんですが,今日はここまでにしておきます.

つづく
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