キャブいじり(その2)

汚れている上に予想していなかった番手のメインジェットについて多少混乱しつつも,次はスロー系です.まず,スロージェット.これはキャブクリーナーを吹いたら一応4気筒とも通りはしたので,つまりはないと思ったのですが,調子が悪いのは低速であり,なおかつメインよりもスローのほうが穴が細く詰まりやすいわけで,一応外してみました.外してみたところつまりについてはOK.メインとは比べ物にならないほど美しい.しか〜し,やっぱり番手が違いました.純正は35番に対してなんと48番が入っているではないですか.

入手のときは単にフルパワー用のキャブということで入手したわけですが,これじゃあフルパワーを通り越して,まるでレース仕様.今まで,最高でも燃費が15km/literでしたので,こんなに燃費が悪いのは何でかな?と疑問視していたのですが,原因はここにありました.ほとんど私の場合メインジェットの領域は使わないので,主に4番のスロージェットが利いているものと思われますが,これでパイロットスクリューを通常の戻し量にしたりしてはいったい何をしているものやら.期せずしてキャブ調整の深い深い泥沼の中に落ちていったようなそんな感じ.

で,どうするか?ですが,メインジェットとスロージェットは純正状態に戻すことにしました.といっても4つずつ購入してもなかなかなお値段になりますので,ここは新しい中古を入手します.今度はちょっとこだわりましたよ〜.黒キャブに.いえね,フレームはA9ですが,外装はA1,足回りはA4という感じなので,どうしてもキャブが黒くないと落ち着かないんです.銀色ボディーのキャブはA7以降にしかないわけで,どうも純正チックではない.これは多少古くっても,黒キャブにこだわりたいという思いが以前からフツフツとあったわけなんです.しかし,今の今までそんなことを実行に移そうとは思わなかったんです.特に調子が悪いといっても純正状態のキャブがついていると思っていたわけで,このキャブで行ったほうが,純正状態のベストを見つける上では最善であろうと思っていたわけです.ところがこのキャブが飛んだ食わせ物であったわけで,これでなんとかジェット類を入れ替えても結構な出費になってしまう.従ってキャブごと換えるという選択肢がにわかに沸いてきたわけ現状もあいまって,一気に黒キャブ入手に動いてしまったのでした.

ヤフオクを徘徊すること2週間あまり.ついにフルパワー黒キャブ,メンテ前提のものが出ました.古いキャブであることもあって然して高額にならず,珍しく予算以内で無事入手.やってきた黒キャブは見栄えもそこそこ,なんですが,出品者がガソリンを抜かずに送ってきたんで,もう箱の中がえらいことになっていて,知らずに部屋で開けたらリビングにまで腐ったガソリンのにおいが充満してしまう始末.こりゃまた家族の冷たい目線を浴びることになってしまいましたわな...

さてその週末,箱の中の匂いを何とかするでもなくそのまま玄関前に持ち出し分解です.う〜ん,フロート室からいっぱい抜けてきた〜.これだとけっこうな詰まりになっているかな?と思ったのですが,メインジェットはそうでもありませんでした.しかしスローはさすが35番は口径が細いですね.2つがしっかりと詰まっていました.これはキャブクリーナーの一夜漬けでも取れず,結局導線のより線をばらしてその1本をやんわりと突っ込み徐々に穴をあけていったところ無事貫通しました.

他にフロートバルブの状況を確認し,こちらは結構新品に近い状態であることがわかりました.ニードルやダイヤフラムの状況も確認し,ほぼ問題ないことを確かめて清掃しいよいよ取り付けです.ここで燃料フィルタを念のため追加することにしました.というのは,もともとのキャブのフロート室を見たところ結構赤い粉が入り込んでいたのが見えたからです.少しでもキャブのメンテサイクルを長くするために,またまた珍しく新品の燃料フィルタを入手し,取り付けました.また,アイドリングをあわせた後に完璧を期するために同調もとりました.最近はタンク着脱あわせて15分程度で同調が取れるようになってしまったので,大して苦になりません.


さて,試運転.低速のつきは圧倒的に向上しました.速度に応じた回転数もスムーズに上がっていくので,加速感は劇的に向上しました.カタカタ音については変わりありません.で,しばらく走行してから信号でとまると...?あれれれれ?同じ感じで,徐々に回転が下がっていく.どうやらキャブだと思い込んでいたんですが,他に原因があったようです.う〜ん,こんなことってあるの?

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