キャブいじり(その3)

番手をノーマルにしたことで加速は鋭くなったんですが,キャブ交換でも直らないのがあったまってきたときのアイドリング.何がおかしいのかをひたすらトラブルシュートするしかなく,ネットで色々調べて見ました.まず,アイドリングの不安定とともに出てきている症状としてはアクセルを戻したときの回転の落ちが悪いということ.これはアクセルワイヤーがちゃんと戻っていない可能性があります.ワイヤーの戻りが悪いと停止時に徐々に戻っていき,回転が落ちるのですが,この状況を元にアイドルスクリューを低回転にあわせているとエンジンがストールするような状況になるわけです.そこでまずアクセルワイヤーを点検していました.確かに戻りがあまりよくありません.

原因はキャブの着脱のときに,キャブ側の金具の根元のところでワイヤーが曲がってしまったのと,スロットルホルダー側のグリースです.まず,ワイヤーが変に曲がっているとそれだけで動きは悪くなります.一応ここの曲がりを強制的に直しました.スロットルホルダーのグリースについては装着時にワイヤーにたんまりつけたのですが,これがたんまり過ぎてスロットルホルダーのリング状のスペースに入り込みべっとりと付いていたため,スロットルの動きが悪くなっていたのでした.早速べたべたになったホルダーの摺動部のグリスを念入りに除去しました.

スロットルの取り付け前に念のためにアクセルワイヤーの引き側を手で引っ張ってみて回転の落ちを確認していました.

しかし状況は変わりません.ワイヤーの状況があまり好ましい状況でなかったためここだと思ったのですが,どうやらまだ違うところにまだ原因があるようです.まあ上記2点の修正でアクセル自体の戻りは非常によくなったので良しとしましょう.

次に疑ったのはインシュレーター.それもキャブとヘッドをつなぐ側です.ここの締めが甘いと,アイドリングのように低速回転時に2次吸気によって燃調が不安定になり,回転が落ち着かない可能性があるということがそこかしこのバイクメンテナンス系のWEBで紹介されていたからです.

この作業についてはごくごく簡単.ヘッド側のインシュレーターを止めているバンドを締めるだけです.果たしてこのバンド,結構ゆるく止まっていました.特にキャブ側ではなくヘッドの側.今まで頻繁にキャブを着脱して来ましたが,このヘッド側のバンドは緩める必要がないので,ノーチェックでした.ここを今回しこたま締め込みました.


さて,その結果は?意外や意外,回転の落ちが良くなりました.それに暖気の時のアイドリングも結構安定しているようです.さて試運転.

まずもともとの問題はエンジンが暖まってしまってからのアイドリングが安定しないことだったので,適当にそのあたりを走ります.で,いつも長時間待たされる定番の信号にて止まったときにチェック.すると,アイドリングはうそのように同じ回転数を指し続けています.やった〜,治った〜.今まで紆余曲折ありましたが,キャブからなにからいじりまくってようやっと原因を突き止めたのです.あ〜,よかった.

ある程度走りこんで,セッティングをちょっとチェックします.パイロットスクリューの戻しはサービスマニュアルどおりの2と1/8回転戻しですが,この冬場だと少し濃いようです.でも渋滞の時や夏場には丁度良くなるかもしれないので,しばらく様子を見ることにします.あとアクセル開度75%程度までの加速を調査してみましたが,なかなかスムーズに吹け上がるようになっていて,流石黒キャブという感じです(意味がわからん).

まあ,ヤフオクに出回っているものを100%信用して番手の純正と違うもので今まで走ってきて気づかなかったわけで,如何に自分が鈍感かを実感しました.今思い起こせば,番手違いの状態では,低速側高速側のつながりもいまいちで,加速もそんなによくなかったので,結構アクセルの扱いに苦労していたのですが,今となっては感性のままにアクセルを開ければその分加速する感じなのでそんな苦労もなくなりました.

う〜ん,もっと精進せねば.

結果的にキャブそのもののトラブルではなかったように思いますが,結構パイロットスクリューの調整をしたりしてキャブの奥深さを知ることが出来たようにも思います.今回はじめは組み合わせ工具でパイロットスクリューを廻すことをご紹介しましたが,このすったもんだのなかで いい工具を見つけました.それは100円ショップの写真の工具.名前は失念しましたが,たぶん容易に見つけられるのではないかと思います.この工具,いろいろなネジに対応するだけでなくラチェットがついていますので15回転で1回転としてパイロットスクリューの調整が出来ます.しかも長さがあんまり長くないのでキャブの下側に突っ込んでの作業には最適です.早速こいつは車載工具の仲間入りです.

それにしてもあんまり力が掛けられないはずではありますがこんな工具が100円で売っているなんて驚き〜.

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