倒れやすいミラーの修理

ある冬の日,近所のドラスタまでニンジャを走らせているときです.ちょっときつめの段差を乗り越えました.先日修理したメーターが大丈夫かいな?と一瞥し,どうやら大丈夫なようなので安心していたのですが,ミラーに目をやった途端私の目に飛び込んできたのは,まるでたたまれたかのようにカウルに沿って寝ている左ミラー.

以前から左の根元の摺動がゆるいな〜と感じていたのですが,路面のショックがこんなに影響するとは思いませんでした.いえね,高速走行はこれまで何度かこなしているので,摺動はまあこんなでも大丈夫なんだろうなとたかをくくっておったのでした.しかし,こんな状況であることが判明したからにはほって置くことは出来ません.補修です.あれ?ミラーなんて補修できるの?なんて思ったあなた甘い.

可倒式のミラーの摺動硬さというのは大体の場合調整可能なのです.で,どうするか?ですが,まず軸の部分に隠れているネジの頭を露出させます.大概の場合,このネジは下から上に向かってついていたりするのですが,ニンジャのA6までのものはネジの頭をザグリの中にいれ,ゴム板で隠しているだけです.従ってこのゴム板を精密ドライバーの先端などでこじって外せばネジの頭とご対面できるのです.

このネジを単に締めこめばよいわけですが,それでは摺動がすごく硬いだけで,クリック感は復活しません.従ってこのクリック感を出す機構にアクセスするため,分解します.クリック感はA6以前の場合はこのヒンジの谷底に板金部品が敷いてあり,そのくぼみにミラーの支柱の根元側についている突起がはまり込んで発生しているのです.しかし使っていくにしたがってこの板金の裏側に入っているゴムが経たり,板金が徐々に凹み,クリック感を喪失させるという流れでミラーが倒れやすくなるわけです.よくミラーの支柱側の突起が削れてだめになると勘違いしている方が多くおられるために,やむなくASSY交換される方も多いようで,これってちょっとした豆知識でしょ?

で,今回は確かに板金部品は少し軸から離れる方向に反っていたので,これを修正します.ゴムはというとそんな硬化もしていなかったのと,修正した板金を十分裏からサポートしている感じだったので交換しませんでした.で,組み付けてネジを締め込み,少し硬いかな?という程度に摺動硬さを調整します.意外にバイクのミラーの場合単体で調整する場合の摺動硬さはちょっと硬いぐらいが正解なのです.それにもう一度アッパーカウルの内側からナットを押さえながら外さないといけないミラーをもう一度外して調整しなおすなんて考えたくないのも,ちょい硬めに調整する理由であったりもします.

今回はせっかくインナーカウルを外したので,最近入手した国内仕様のライトASSYに交換します.いえね,輸出仕様でそのまま行くつもりだったんですが,どうもロービームでも右側が高目を照らすので,右寄りに走っているとちょっとミラー位置の低い車が前を走っているときにまぶしいかな?と感じたからです.それにやっぱり左右対称の光軸のほうがなんとなく安心できるってものあります.


ミラー,ライトの交換を終え,わざと夜間の試運転を行います.光軸も目合わせの割には丁度いい位置に来ていて,左右対称なのもあって照度が上がったような気がします.

ミラーについては例のギャップのところにいって以前よりオーバースピードで突っ込んでみてびくともしないのを確認しました.これで安心.

ちなみにA6以前のミラーについては後方視認性の問題を指摘する方も多いのですが,私の横のサイズでは十分といえます.結構夏場にやせた体型の人がA6以前のミラーは駄目だといっていますが,下記のいずれかの理由で後方視認性が悪くなっているケースが多いです.

・ミラーのクリック感を発生させる溝ではないところでミラーを止めているために視点からミラーまでの距離が増え,視野角が低下している.
・アップハンが広いか,上げ過ぎでミラーの視認範囲を腕がふさぐ形になっている.

今一度チェックしてみてはどうでしょう?

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