タペット調整

なかなか異音が収まらない我がニンジャ.異音といえばタペット調整でしょうということで,ヘッドカバーとプラグホールパッキン,ピックアップコイルカバーを新品調達します.あわせて数千円ってところでしょうか.それでも工賃を考えると自分でやったほうが良いので,今回自分出たペット調整にチャレンジすることにしました.

で,これだけではいけません.タペットの隙間を測定するゲージが必要です.でもニンジャの場合,インテークが0.13-0.18mm,排気側が0.18-0.23mmといった感じで規格が設定されているので,0.01mm刻みのゲージが本来必要です.でも,そんなのは高いので今回330円税込みで購入した0.05mm飛びのゲージを使用することにしました.

さて,物がそろったらその週末早速作業開始です.まずヘッドカバーを外さなければいけません.まずタンクを外し,その後がサービスマニュアルと少し事情が異なりました.ニンジャの場合ヘッドカバーは,上部の6本のネジを外し,ショックレスハンマーなどで下から外すと簡単に取れるようにマニュアルに書いてあります.でも,そんな簡単には取れないことがいきなり判明しました.

ネジを緩めハンマーで外したまではいいんですが,ヘッドカバーの幅よりもサーモスタットと,フロントカウルステーの隙間のほうが狭いのです.従って,サーモスタットをずらし,なおかつカウルステーごとカウルを外します.サーモスタットのほうは一応クーラントを全部抜いてしまってから外したのであ〜,面倒くさい.

さて,ヘッドカバーが外れたらカムシャフトなどとご対面です.まあ期待はしていませんでしたが,カムのてっぺんには巷で有名なカムかじりが見受けられます.まあ,ここらへんはあっても気にしません.で,早速測定に入ります.ピックアップコイルカバーを外し,クランクを廻し,各気筒の上死点で測定していきます.上死点はカム山が丁度そろって外を向くようになるようにして見つけました.この方が楽ですし...

測定といっても0.05飛びなので結果は下記のようになりました.
#1左#1右#2左#2右#3左#3右#4左#4右
IN側0.000.000.25-0.300.20-0.250.15-0.200.15-0.200.20-0.250.15-0.20
OUT側0.00-0.050.05-0.100.25-0.300.25-0.300.20-0.250.15-0.200.20-0.250.25-0.30

さて,規格はIN側0.13-0.18,OUT側0.18-0.23ですので,これからどれをどれほどつめていけばいいのか...もう少しそろっているかと思ったんですが,それにしても#1のこの隙間って一体何?

で,調整作業に移ります.ナットを緩め,アジャスタを廻し(といってもナットを緩めれば簡単に動いてしまうので,手で)若干回転させ,ナットに固定した状態でナットを締めます.#4から開始して,一つ一つやっていきますが,なかなか合わないのとすぐにあってしまうものとがあって,スムーズには進みませんでしたが,なんとか下記のように若干隙間少なめに調整できました.
#1左#1右#2左#2右#3左#3右#4左#4右
IN側0.10-0.150.10-0.150.10-0.150.10-0.150.10-0.150.10-0.150.10-0.150.10-0.15
OUT側0.10-0.150.10-0.150.15-0.200.10-0.150.15-0.200.10-0.150.15-0.200.15-0.20

まあ測定誤差も多少あるでしょうが,少な目のほうが音が小さくなるでしょうということで気持ち少なめにしてしました.さて,こんな調整でいいのかな?と思いつつもヘッドカバーを締めます.新品のパッキンをまずカバーにはめてから装着しようとしたのですが,もともと隙間が狭いわけで,そんなのは到底無理.一旦はめたパッキンを外してからヘッドカバーをとりつけます.すると今度はEX側のパッキンがちゃんとはまらない.手が入り込まないもんで,もうどうしようもないわけです.で,しかたなくラジエターを外します.本当はここまで外さなくっても出来るんでしょうが,万全を期するために背に腹は代えられません.

なんとかパッキンをはめ込んだら今度は,カムシャフトの左右にあるパッキンのR形状の出っ張り部分に液体パッキンを塗り,ヘッドカバーをちゃんとした位置に乗せ,再びパッキンにずれがないか慎重に確認します.ヘッドカバーを規定トルクで締め,カウルステー,サーモスタットと取り付けていきます.ピックアップコイルカバーは当たり面をスクレイパーでパッキンのかすを落とし平坦にしてから新品のパッキンをはめ込み締めます.さて,プラグキャップをつなぎタンクを載せて,クーラントを満たし始動してみます.


アイドリングの音はまた一段と静かになりました.この時点でかなり満足.早速試運転です.近所を流してみるとエンジン音全体は静かなんですが,やはり3000回転ぐらいからチキチキと音がします.あ〜あと落胆する私.そうこうするうちに何やらクーラントが漏れ出しました.今までのウォーターポンプ周りとは別の,エンジンのヘッド周りからなにやら徐々に漏れています.早速戻り確認したところ,先ほどばらしたサーモスタットの根元の左側のパイプのシリンダブロックに刺さっている根元から漏れているようです.う〜ん,刺さりが甘かったか,シールがいかれているのか...ということで再びタンクを外し,クーラントをまたまた抜きます.毎回毎回あ〜面倒くさい.サーモスタットを一旦外し,今度はちゃんと奥まで刺さっているのを確認してからネジを締めます.クーラントを満たし,タンクを載せ,エンジンを再びかけます.クーラントの漏れは止まったようです.

でも,ここまでやってもチキチキ音が残っているということは,ヘッドを全バラシなんてことになるのかな〜.まさかバルブがピストンをたたいているなんて...?憂鬱.あと,今回のタペット調整も完璧ではない可能性があるので,もう一度機を見てやってみましょう.他に思い当たることもないわけではないので,今後色々やってみましょう.そうでなければ今までがんばってきた意味がないじゃない.と自分に言い聞かせる私.

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