ベース車両の調達(1)

さてベース車両です.で,このベース車両の入手当初は前回お話したようなこの製作記の目的がかっちりと決まっていたわけではありません.というのはこの時期はとても製作記Uのほうで異音に悩んでいた時期でありまして,ちゃんとしたエンジンが安く手に入らないかな〜という思いでオークションをさまよっていた時期でありました.エンジンの相場は製作記Uのころよりも相当こなれてきていて,走行距離少な目の異音なしという感じに程度がよくっても3万円ってところでした.製作記Uの時はあれが7万円でしたから,隔世の感があります.といっても圧縮はちゃんとあるし,問題といえばウォーターポンプと異音ぐらい.ウォーターポンプ,異音といっても両者とも距離をある程度走ったニンジャの持病みたいなもので,これをとやかく言う人はニンジャではなく他のエンジンにしたんさーいというものです.従って特に前回のエンジンの入手に関して後悔の念もなくヤフオクをさまよっていると単なるお買い得感しか感じられず,ともすれば多少程度が悪くっても安けりゃいいじゃないと危険な思考に走ってしまいそう.ここで程度のよろしくなエンジンを入手してしまっては元の木阿弥.自制するのが大変なわけで,いろいろ条件をつけました.

・もって帰れるところからの出品物を狙う.
・走行距離は10000km(自己申告値)以下
・値段は20000円以下
・他の部品もついているとうれしいな

てな感じです.

で,こんなものはそうそうないわけです.特にエンジンのカテゴリーで探していてはこんなものがあるはずもない.ここで広く網を張り部品取り車を重点的に狙っていくことにします.というのはエンジン単体よりもエンジンのついているジャンク車体のほうがコストパフォーマンスが優れているわけです.ここらへんが単なるエンジン入手を製作記Vへ昇格させてしまった所以なのですが...

さて,入手の経緯がそんなわけなので,結局探し始めて数ヶ月経ってもまったく良い品が出品されることもなくいたのです.なぜって安いは安いんですが,70000円とかでちょっとキャブ清掃とタンク錆取りしてタイヤ交換,フォークのオイルシール交換,新品のバッテリを入れてやればエンジンがかかって書付なので車検も簡単に取れてしまうような機体や(それも結構魅力的なんですが),1000RXのエンジンのついた書無し750Rのフレームなんてのもありました.でもそれらは今回の趣旨に合わないのでが却下です.

そんなさなか2004年の中秋,ようやっとお目当てのものにめぐり合えたのです.

それは書無し部品取り車A4,2700km走行.フレーム書無し,エンジンは既におろしてあって,ジャンク,ノークレーム,外装一部OK,タンクだめ,キャブ無し,超長期放置,出品地一時間圏内の近所,開始価格5000円!

エンジンについては2700kmというのがとても魅力的.フレームから下ろせている時点でフレーム曲がりが原因のヘッド周りのゆがみなんかもあんまりないのかも?と贔屓目に見て,最悪エンジンがだめでも外装なんかの他の部品でそうそう損をすることもなかろうということで入札.なんとか予算内で落札できました.

まず,取引にあたっては私がレンタカーを借りて車体を組んだまま運ぶと予算をかなりオーバーしてしまうので,相手の方の庭先でばらせるかどうか交渉します.これはOKとのことで,あとは引取りの日程です.日曜日しかだめとのことで,雨で何度か流れた後,とある秋の暑い日に引き取りに行くことになりました.

つづく
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