怒涛の引き取り(その2)

マフラーを取り外しただけで,若干気落ちして続いてしまいましたが,気を取り直して今度はテール周りを外します.テール周りを外すにはハーネスを抜いてしまわなければいけません.ということはバッテリケースを外して,その裏を通っているハーネスを取らなければいけないわけです.したがって,ジャンクションボックスやクーラントタンクなんかも外すし,あらかじめステッププレートを外してしまわなければならないので,難易度は低いものの手間は掛かる作業です.しかしここは予定していた難易度のとおりサササッと済みまして,ここで若干リカバリしたかな?という感じ.

お次はラジエターを外します.クーラントを抜いてからの作業となりますので,今回はちゃんと工具に加えてオイルパンも持ってきている私なのでした.クーラントを抜いてラジエター,サーモスタットをはずして,水周りの撤去完了.ハーネスを抜いたらプラグコード,コイルを撤去.ここでやっぱり1番プラグキャップが浸水のため固着して抜けてこないトラブルがありましたが,辛抱強くゆっくりと引っ張り無事抜けてきました.プラグホールは錆で大変なことになっていますが,まあこれは製作機Vの時に経験済みなのでそんなに驚きません.キャブレター,エアクリボックスクラッチレリーズを外し,リアホイール周りをはずしに掛かります.で,ここでも固着ではないですが,緩みきらないネジがひとつ.

エキセントリックカラーを挟んでいるクランプネジが多少緩めても,全然エキセントリックカラーが廻らないのです.ブレーキキャリパステーを固定しているクランプを緩めても,これが全然動かないのです.また,リアホイールをとめているアクスルのネジも緩みません.長いパイプをレンチにかまそうと思ったら,長いパイプを持ってくるのを忘れていました.でもここはホイールとスイングアームを同時にフレームから抜く方式に変更することにしました.メインスタンドを書けた状態でスイングアームをフレームから外します.ここはスムーズに外れてなんとか完了.

さて,ここから本日のメインエベント,エンジン下ろしです.傾斜があるとはいえ,ジャッキが自然に動いてしまうほどではありません.フロント側1箇所,リア側1箇所にジャッキをあてがいフレームを外していきます.4箇所のネジを緩めたら1ケ1ケ抜いていきます.クランクケース側のネジもちゃんとたたき出すことなく抜けてくるので,この車体,本当に大きな事故は無いのでしょう.出品者の方も譲り受けたときに”書類が出るから”といわれて引き取ったのに書類が出なくってとても悔しい思いをしたそうですが,書類が出たら今度は私のところに来なかったでしょうから,どうにも複雑な心境になります.

ところが!そのような感銘に浸るのもつかの間予期せぬ事故が.なんとエンジンの下側についていたクランプにスタンドスイッチが絡んだまんまで,それを知らずにフレームを除去しようとしたのでフレームつられてエンジンがグラリ.慌てて手を差し伸べたところ,エンジンのヘッドとフレームの間に手を挟んでしまい,中指の第二間接にエンジンの重量が衝撃となってダメージを...

いででででで!

といってもそのまま力を抜いてしまってはエンジンを路上に叩きつけることになりますので,そんなのでオイルパンでも割れてしまうと後悔しても後悔しきれないことになります.ここは負傷をものともせずエンジンを抱え,ジャッキの上に戻します.っつーてもエンジンの下から1つのジャッキは外れてしまっていますので,エンジンを抱えながら1つのジャッキを嵌めなおすという離れ業.それにしても痛いわ〜,一応軍手を2枚重ねていたので外傷は少しの出血で済んでいますが,数分後には既に第二間接が1.5倍ほどに腫れ上がっています.う〜む,これはもしや折れたかな?

まあ,痛む指もうっ血しジンジンしてきましたが作業は続行せざるを得ないわけでフロントまわりが付いたままのフレームをエンジンから外して,フロント周りをフレームから外してセフィーロの室内に足回り,タンクその他の部品を入れていきます.今回は特にリア周りがばらされていないので後ろのシートで膨大なスペースを食ってしまっています.以前ニンジャ製作記3のときはこれにフロントカウルやテールカウル,フェンダーなど外装がほとんど1台分あったわけですがそれとほぼ同じ体積を占有してしまっています.う〜む,また結構車内が一杯になってしまいましたね.本当に盗人みたいです.で,トランクの奥にフレームを入れたらエンジンを載せなければいけません.といっても出品者の方を呼びに行ったりしては,申し訳ないのでここは一人で乗せることにします.といってもこれは今まで未経験の領域.

この作業には実は勝算があって,十分ではないですがシミュレーション済み.まず,トランクにはいつものように底板は置いてない状況にしてあります.これは単に車載時のエンジンの座りを良くるためのものです.でもエンジンを単純に一人で持ち上げるのは非常に危険.私の寄る年波と根性の程度ではとてもとても...となるとどうするか?ということになります.

で,とりあえず今回はここまで,だって書くのも疲れるのよ,やっぱり.それにしても指がジンジン痛むな〜.

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