試運転前の準備

通常であればナンバーつきのフレームなので,火入れ→即走行試験となるのですがそれをさせない現象を火入れ以前に一つ確認済だったので,前回あんな尻切れトンボになってしまったわけです.それはチェーンです.チェーンは恐らく以前ヤフオクで入手した純正の古いチェーン.錆はそうでもなかったのですが,硬化具合から想像するに結構な低年式から外されたもののようでしたが,2年近くにわたる例のオイル漬けでなんとか渋さも取れ,今回の車体に搭載となったものです.

一方今回の車体についてきたものは一応所々硬めになっていたので,このチェーンと入れ替えにオイル漬けとなっているわけです.で,火入れまで来たこの車体ですが何度か車体を仕上げるために定位置から出し入れしているうちに周辺になにやらゴムの輪っかのようなものが周辺に散らばるようになったのです.なんじゃ?これ.と思いながら見覚えのないゴムに一瞥をくれる私でしたが,そのゴムが一部千切れているのを見て,どこかからちぎれて落ちたものであることに気づき,またそのゴムが1個ならず,2ケ,3ケと見つかるようになるとだんだん不安になってきました.

そしてついにチェーンに変化が発生していることに気づいたのです.チェーンをしげしげと眺めてみると,その落ちていたゴムの予備軍ともいうべきゴムがたくさんリンクの内側から顔を出しているではないですか.

どうやらオイル漬けのまえに既にゴムシールがお亡くなりになっていたチェーンだったようで,装着して何度かスプロケットの間を往復するにつれ,その破損したゴムシールが千切れて脱落して行ったようです.こうなるとゴムシールのいなくなったリンクはスラスト方向に動いてしまいます.最悪スプロケットの刃先に乗り上げでもしたらチェーンが突然切れ,クランクケースにめり込んでしまったり重大なトラブルに発展してしまうかもしれません.恐らくチェーンの伸びもそんなになかったので走行は浅いはずが,オイルシールをいためてしまうような潤滑剤,たとえばCRC556とかを吹いてしまったのでしょう.私も学生の頃そんなことをやってしまいチェーンが綺麗になったと自己満足していましたが,そのような浅はかはメンテナンスはこのような結果につながるわけで,決して進められるものではありません.

ということで,早速交換です.交換と言っても従来付いていた現在オイル漬けのチェーンを装着するだけです.オイル漬け期間が1ヶ月半程度と非常に短いのが気にはなりますが,オイルから取り出した時点でかなりやわらかくなっていたので,これでオイル漬け効果ありと見て装着に踏み切ります.まあ,この期に及んでステッププレートを外したりエキセントリックカラーをまわしリアホイールを前にずらしたりしなければいけませんが,そんなのはもう慣れっこですので,そうそう憂鬱にもならないのが私のよい面でもあり悪い面でもあり...


お次は定番ともいえるクーラント漏れです.何度かエンジンを掛けていたら,ヘッド背面のソレノイドバルブへとつながるクーラントパイプの挿し込み口からクーラントが漏れているのを発見しました.これも初めての経験ではないので早速この部分のゴムパッキンを購入.物が到着したらその週末に作業.タンクを外し早速クーラントを一時抜いて,ソレノイドバルブを外しゴムパッキンを入れ替え,ヘッド側の穴の中を掃除し少しオイルを塗布したらできるだけまっすぐになるように差し込みます.実は簡単に書いてはいますが,狭いところだったりするので結構時間がかかっていたりします.クーラントを再び満たし,リザーバタンクにも補充しタンクを載せたらエンジンを掛けます.結構暖気してもクーラントが漏れないのを確認したら,作業終了.

よく考えると火入れして走り始めるまでにチェーン,クーラント関連の両方をやったので,結構な部品を着脱したことになります.普段は走り始めてからトラブルのネタが上がってくる筈なんですが今回は火入れしただけでこれです.今後が思いやられる状況に少し気持ちも重くなってさて,次回こそは試走ですかね?(人に聞くなっつーの)

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