手ごわいキャブ(その1)

車体も大体組みあがってお次は燃料系にいってみましょう.まずキャブレターです..今回のキャブはばらした車体から持ってきたもの.で,こいつがタンクのガソリン漏れの餌食にあったらしく,結構大変な汚れ具合なのです.

外側がこんな具合ですから,中はもっとすごいことになっているはず.これは気合を入れてかからないといけませんね.以前製作記Vの時にやった車体もガソリン漏れがあったようですが,そのときのキャブレターは車体についてこなかったので,他に落札したものでした.また,その他にも数あるキャブレターをお掃除してきた私ですが,これはその中でも一瞥しただけで部品取りに廻してしまいそうなグレードなんですね.まあ,これほどのものをやれば私の自己満足度もかなり満たされるであろうということで,腕が鳴ります.

では早速作業に移りましょう.今回交換部品はフロート室のゴムパッキンだけです.他のパーツはもしだめだったら購入するということで,これほどの程度の悪いキャブにも拘らず最小限の新品部品投入でクリアしようとするその根性の背景には自分のことながらも理解しがたいものがあります.キャブレターの外観でいくと,インテーク側にはガソリンの固着が所々に見える上,その奥のジェット類につながる穴の貫通もまったく定かでない状況が見て取れます.こんな状態でフロート室の中が一体どのようになっているか非常に興味の沸くところではあり,一方で恐ろしい感じでもあります.

一応今回は4番から順々にフロート室とトップの両方を開けていくことにします.まず4番.トップをまず開けていきますと,ダイヤフラムのゴムに破れなどはありませんが,ニードル側面が酷い汚れです.固着したガソリンが先端近傍を覆っています.

フロート室はどうでしょうか?開けてみると,写真のような状態でドレンの内側にはそんなガソリンの腐った堆積物もなく,思ったほどではありませんでした.まあ,メインジェットはそうでもありませんでしたが,スロージェットは見事に詰まってしまっていましたが...フロートバルブについては固着やテーパ部の段付は見られませんでしたが,フロートバルブ内の腐ったガソリンはなかなか抜けてきません.

ということで,ひとまずニードル,スロージェット,メインジェット,パイロットスクリュー,フロートバルブを超音波洗浄器にかけて洗浄することにしました.スイッチを入れるとともに強烈な汚れが巻き上がってきます.メインジェットはこれで結構きれいになりましたが,いったん内部外部とも爪楊枝できれいにしてから再度洗浄にまわします.

スロージェットは中央の穴がぜんぜん詰まっていたところが,少しだけ穴が開きました.あとは銅線を差し入れてゴシゴシして穴を真円に復旧しました.これも再度洗浄にまわします.フロートバルブは中にたまった腐ったガソリンとアルコールが混ざったものがバルブの頭を押すたびに出てきますので,これをティッシュに染ませて除去します.完全に出きったら同じく再洗浄へ.ニードルはこの時点で表面に固着したガソリンは拭けば取れるようになったので洗浄は行いません.

再洗浄の後には再びそれらをきれいに吹き上げて,各パーツの洗浄は終了.あとはフロート室内をきれいにし,各穴にキャブクリーナーを吹き掛け,穴を貫通させます.フロートバルブのバルブシート,パイロットスクリューの受けの部分は綿棒で完璧に綺麗にし再びキャブクリーナーを吹き掛けます.

あとはこれらのパーツ類を組み付けて4番の作業は終了.こう書いていくと,作業の内容はすこぶる大変そうに感じますが,これらは実は序の口レベルです.4番は一番外観上の汚れもましなところですし,このレベルであれば何度も経験済み.私の経験上今まで一番酷かったのは,前回のザンザスでしたので,それの一番酷いキャブに比べると全然ましなのでした.ということで,あいにくですが他のキャブがどうなっているかはらはらしながら,続きは次回となります.

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