エアクリーナー

エアクリーナーについては庭のジャンクにエアクリーナーボックスはあったのですがエアインテークの板がなかったり,エアクリーナーそのものやそれを固定する棒,交換するときの蓋やなんか,本体以外はことごとく欠品していたのでとにかくジャンクはそのまま捨てることにして,何かかさの大きなもの同士で送料を節約するつもりで安く買えないものかヤフオクを徘徊してみました.が,しばらく徘徊するも,そんなかさの大きいものを複数いっぺんにしかも安く出品しているケースは少なく,車体丸ごとばらして売られるケースはその大物同士が高価になってしまうという事情もあり約1.5か月待っていました.

そうこうするうち,エアクリーナーボックスとラジエターステーを格安な価格で出品している方が見つかり,それを狙っていたのですが,写真を見る限り分解して中を撮影しているにもかかわらず,エアクリーナーそのものが写真に写っていません.エアクリーナーは純正新品を買うと高いですから,以前からやっているエアクリーナー自体のレストア=自作をしてなんとかしようとしていたのでこのエアクリーナーの有無というのは結構重要なポイントだったのです.

結局その出品を両方とも開始価格のままものにすることができ,なんとか満足のいくお買い物になったのですが,到着したものを見てみると,エアクリーナーの下に差し込むストッパーがありません.確かそんなことは出品情報には書いていなかったけど,文句を言ってもしょうがないので,ここはなんとかしなければいけません.といっても心あたりがついていないわけではなく,実は以前部品の在庫の中にこのストッパーを単体で見つけたことがあったのです.それを捨てた記憶もないので,恐らく家探しをさらに念入りにすれば,見つかるはず….

ということで家探しを小一時間したわけですが,結果として狙い通りこのストッパーが単体で見つかりました.実際,小一時間といってもその心当たりの保管箱に到達するまで手前に置いてある他の在庫を一旦どかせるため,スペースを確保したり,他のものが意図せずに見つかって,保管されるべき場所に移し替えたりしていたので,探す時間そのものは10分に満たないので,そんなに苦労したかといわれるとそれほどでもなかったりします.しかし,こんなニッチな代物を後生大事に取っておいて,よもや役に立つ瞬間が来ようとは夢にも思いませんでした.掘り起こした膨大なニンジャやその他のパーツに埋もれながら,ちょっと感動に浸ってしまいました.

さて部品がそろったところで,肝心のエアクリーナーは汚れはそうひどくはないものの,既に起き毛の部分が崩壊していたりそのままで使える代物ではありません.したがってこれを張り替えすることにします.ただ,今まで対応してきたエアクリーナーの自作実績はGPZ1000RX,KSR-2,GPz400Fの3車.それぞれ直角な面ばっかりでしたので,比較的容易に自作することができましたが,今回のニンジャはほとんどが傾斜面.合わせや接着部分の強度,隙間をいかになくすかなど工夫が要りそうです.

方針を考えつつ作業開始です.まず,エアクリーナーの起き毛部分を完全に除去します.もう相当な年数が経過しているようで,軽く力を加えるだけで比較的容易にぼろぼろと取れてくるのですが,かえってこれがまわりに飛び散るのを気にしてごみ箱の上で控えめに作業しなければいけないので少し大変でした.結局あとで接着しやすいようにあえて残した接着層以外を完全に除去するのに約15分費やしてしまいました.

次に型紙を作って,エアクリーナーに仮に貼りこんでいきます.表面,裏面の2枚を作成し,サイド部分で繋ぎを入れる構想です.使用しているフィルター生地は多少伸縮性があるのですが,少し生地が余り気味になるように型紙を作成.型紙に合わせて生地を切りだし,今度は生地そのものをエアクリーナーに仮止めして大きさを調整します.Rを取らないといけないところで少し切りすぎた感はありますが,ここは最悪接着剤を繋ぎにしてしまう方向で行きましょう.

ホチキスで2枚をつないだら,伸縮性を利用して少し拡げながら台形断面の上からエアクリーナーにフィルタ生地をはめていきます.ある程度はまっところで,少し隙間が空いたところは瞬間接着剤で引き伸ばして止めてしまおうとやってみたのですが,なかなかこれが上手くいきません.どうやらゴム系の接着剤を隙間に流し込んで封止してしまう以外ないようです.ということでゴム系接着剤でフィルタ周囲を封止していきます.ある程度硬化したところで表裏から観察して隙間がないのを確認したら,オイルを塗布して完成です.

それにしても今までやった3車はエアフィルタについてはこの生地にした効果がどんなものなのかあまり把握できていません.KSR-2についてはこれを搭載した2号機は確かに低速時薄いような気がしていましたが,エアースクリューの調整でなんとかなっていたような気がします.1000RXについても2号機で採用しましたが,これはパイロットスクリューやジェット類は純正設定のまんまいけましたので1号機と明確な差異はなかったように思います.

片やこのニンジャの場合,エアフィルタはこのようになりましたが,エアクリーナーのエアインテークが2つ穴ではなく1つ穴のまんまです.資料によれば輸出仕様でフルパワーのものの中にもこのエアインテークが1つ穴のものがあったようなので,単純にフルパワーを速度に活かすかどうかというよりも海外代理店の好みで2つ穴モデルがあったのではないかと類推しますし,フルパワーを使い切る走りはまずやらないしやれないことから,1つ穴でこのエアフィルタでどうなるかが興味のわくところです.ということでニンジャについては今までさんざんやってきたので,この車体で初めてこのフィルタ生地の効果というのがわかるのではないかと期待を持たせてくれる吸気系トピックなのでした.

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