ブレーキホース(装着編)

さて装着です.ブレーキフルードを使う作業は結構汚れるので,1日で仕上げてしまいたいところ.したがって他の部分を含め朝から作業を開始します.まずはフロント.一番最初は今ついているZX-10のキャリパーを外さなければいけません.といってもこのキャリパー,車体にしっかりついているわけではなくて,室内において場所をとるのがいやだったのでハンドルにひとまず付けだマスターにつながっているだけです.一応ぶらーんとぶら下がっているのは精神衛生上よろしくないのでフレーム上においてある状態です.

しかしこの状態からの作業は結構大変だったりします.というのも,通常このキャリパーを外す前にホース内の廃フルードを抜く必要があります.フルードを抜くのは下からというのはセオリーなのですが実際固定されていないキャリパーのボルトを緩めるのは大変.しかもハンドルにマスターがついたままだと, ぶらーんとなった状態かフレームの上で緩めることになります.したがって一旦マスターをハンドルから外してキャリパーのバンジョーボルトを緩めることにします.

廃フルードが抜けたら今度はまた車体にキャリパー以外を取り付けて,マスターと分岐ブラケットのバンジョーボルトを緩めます.あとはクラッシュワッシャを新しくしてホースを取りつけます.ここで一つ問題発生.というのは,分岐ブラケットのところで,純正の設計ではご丁寧にもフィッティングボルトの首根っこをホールドする壁ができていて,これがキャリパーの向きに対して大きく後ろに首を振るようスリットが切られていて,ホースを実際そのスリットに合わせて首を振らせて取りつけると,フォークがフルストローク伸びたときにホースに過度な力がかかる可能性が出てきました.ホースの長さを決めるフィッティング時に,このブラケットの詳細を見ずに進めたのがあだになってしまいました.これではいけないということで,やむなくブラケットを一旦外し,グラインダーでこのフィッティングの回転防止のスリットを拡大することにしました.ちょっとこの判断は回転防止という安全を見た設計をスポイルすることになるので多くの時間を費やして悩みましたが,まあバンジョーボルトをしっかりと締めておけばゆるんでくることもなかろうということで,ここは納得して進めます.

多少ここで悩んだこともあって作業開始からホースを取りつけ終わるまで,この時点で1時間経過しています.ということで,急いでエア抜きです.エア抜きも前回他の車体でやってから約1年半が経過していて,久しぶりの作業です.うまく抜けてくるか心配でしたが,ここはもう体にその手順や感触が残っているのでしょう.かなり順調に作業を終了することができ,結果的にカチッとしたフィーリングでレバーを握ることができるようになりました.ここで作業中に気づいたのですが,にぎにぎを繰り返しているときに一向にブレーキスイッチのカチッカチッツいう音が聞こえてきません.よく見ると,センサーバーが本体に入り込んでいて,全然動作していません.これはスイッチを交換しないといけませんね.

お次はリアです.リアは車体組み付けの時にいい加減にホース,キャリパーとも取りつけておいたのですが,キャリパーにはまだパッドが入っていません.ホイールを落札した状態でパッドは入っていたのですが,恐らくライニングの厚みがすでに逝ってしまったので手持ちのものを利用することにしたのです.その手持ちというのがデイトナの緑パッド.それもバリバリにライニングが残っています.これは相当以前に入手したのですが,初期型のフロントでは2セット使うところが,どうしても1セットしかなくて流用の機会が今までなかったもので,なんとかして使ってしまいたいパッドの最有力候補でもあったのです.

一応揉みだしはエア抜き終了後に行うということでキャリパーを清掃し,スライドシャフトの錆を落としてシャフト表面とゴムブーツの中にグリス塗布したら,まだ分厚い緑パッドを取りつけ,キャリパーをステーに取りつけます.ここで少しホースにねじれが発生していたので,仮止めしていたバンジョーボルトを緩め,マスター側とキャリパー側を入れ替えて,マスター側の出し角もいじってなんとかホースのねじれを許容レベルにして増し締め.これでエア抜きができます.ここでも時間がかかるかも?と思った割に5分もすればブレーキペダルは重くなっていき,ほぼエアが抜けてしまいました.あとはバンジョーの周りとディスクをブレー キクリーナーで清掃してリアはおしまい.

最後はクラッチですが,これは先述したとおり少し純正より短いもの.実際車体に当ててみると10cmばかり足りません.で,ニンジャカスタムでも時折見かけるやりかたですが,エアクリーナーボックスの前を通すやり方で,長さを稼ぐことにします.ひとまずホースを這わせてみたところ,う〜ん,どんぴしゃ!と いうことでこの取り合いでマスター,クラッチ側ともに増し締め.エア抜きはここではトラぶりました.というのも少し時間がかかったのでおかしいなと思ったら,ブリードバルブに何やら詰まっていて,例のビオレで吸っても吸っても出てきません.庭にあるジャンクキャリパーからブリードバルブを取ってくるのも考えましたが,それらも放置されて長らく経っていますので,あんまり程度は良くないかもしれないので,ひとまずこのブリードバルブのつまりを針金で取って,今度はビオレではなく,通常のニギニギ+タイミングを合わせてブリードバルブを緩めるやり方でやること10数回.するといともたやすくエアが抜けてきました.う〜む,最初っから部品の状態には気を払っておくべきでした.

といいつつも思っていたより簡単にエアが抜けてしまったので,拍子抜けするぐらい早く一仕事終わってしまいました.ということで午後は違う仕事ができるわね〜.ということで続きの作業はなんでしょう?乞うご期待なのであります.

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