キャブレターでごたごた

さて,そろそろキャブです.キャブについては本体は従来から在庫していたものを少しレストアで使おうとしていましたが,いくつか持ち合わせたうち,候補が二つ.1つはA8あたりの輸出仕様.アイシング対策の配管なんかもついていて,今までにないハイグレード仕様.もう一つは以前使おうとしてガソリンが漏れたので使用を断念したA5あたりの黒キャブ.まあ使えるかどうかは時間を掛ければなんとか使えるレベルにできるので,今回は固い方は温存してひとまず前回使えなかったものを使用することにします.

ぞの前回使えなかった理由が,キャブのつなぎ目あたりからのガソリン漏れだったのですが,あの後ガソリンはつなぎ目ではなく,キャブの入り口側から漏れていて,それがつなぎ目に伝わってあたかもそこから漏れているかのように見えていたことがわかっています.従ってつなぎ目だったら結構大変なんですが,フロートバルブやその周辺で漏れが発生しているならば,それは今まで経験済なので,容易に対応できると踏んだわけです.で,あまりにも前回からも時間がたっているので,買っておかなければいけないのがフロート室のパッキンです.でも,実はこれが在庫してあったりするので,今回はそれを使います.

早速キャブをバラシて,フロート室の中を見てみると,前回軽く清掃ぐらいはしているので,なんとも綺麗.これをやっぱり使いたいわよね〜と思いつつフロートバルブの清掃を念入りに行ってみたところ,バルブシートは綺麗なものなんですが,どうも2番,3番のロッドの戻りが悪そうです.一応アルコールで超音波洗浄して摺動を確認してこのフロートバルブは流用決定.

で,一方の長期在庫品ながら新品交換となったフロート室のパッキンですが,こちらはちょっと難儀しました.というのはこのキャブの前の持ち主だかそのお世話をしていたバイク屋さんだかが,パッキンをフロート室の溝に液体パッキンを充填して装着していたようなのです.このせいもあって,硬化しかかったパッキンがなかなか取れない上,取った後の溝にも液体パッキンが固着していて,これを取るのに結構手間暇を浪費したのでした.まあ少しだけ塗って気休めにするってのはたまに見かけますが,ここまで激しく充填されていたのは初めて見ました.前回外観だけみてパッキンの交換をしないと判断したんですが,あの硬化具合ならもしかしたらここからもガソリンが漏れていたかもしれません.

お次は車体への装着となりますが,ここで少し時間をおいてしまいました.というのもこの時期かなりな厳冬期でして,エアクリーナーボックス側のインシュレーターが硬くなってキャブが装着しづらいかな?なんて思って少し暖かくなるのを待ったりしたのです.そして満を持して温かい週末にインシュレーターを曲げてキャブを装着しようとしたところ,曲がらない!通常曲がるけどすぐに戻ってしまうというのはありますが,4ケ中2つが曲がる気配がありません.う〜む,これなら最初からだめということでインシュレーターを購入しておけばよかったかな〜.ということで約3000円かけてインシュレーターは新品購入と相成りました.

で,今度の今度は車体に取り付けてやるんだからねっ!ということで新しいインシュレーターが届いた週末に作業です.しかし,ここでもさらにもう一点落とし穴が.実はハンドルがZX-10流用ということで,パーツ状態で元々ついていたスロットルワイヤをそのまま使おうとしていたのですが,これが全然長さが足りない.ステムの逆を回して使えないかやりくりしてみましたが,全然だめです.よくよく考えるとZX-10とニンジャではあまりにもポジションやキャブの位置が違います.ZX-10からはキャブもダインドラフトタイプとなっていますし,ヘッドも少しコンパクトになっているのを完全に忘れていました.また,チョークワイヤーについてもストロークは同じなんですが,チューブ側のホルダーから太鼓までの距離が違うようで,こちらも使えません.

ここで本来ならまた作業を中断して新たなワイヤーを調達することになるんでしょうけど,私の場合はやっぱりここで家探しを一発.するとどうでしょう.ゼファー用のワイヤー一式が発掘されました.まあ,ゼファーならばポジションやキャブの位置などニンジャと然程違いませんし,逆に少し長めかも.ということで早速取りつけてみたところ,どんぴしゃ.アクセルの動きなんかもスムーズで,なんでこんな在庫があるのかと思うほどの在庫をかかえて本来悲しまなければいけないのに,にんまりしてしまっている私が憎い.

ということで,キャブがしっかりと車体に収まったところで本当はすぐに火入れしたいところなんですが,まだまだ先は長いのであって,部品が有り余っていながらも部分的には難航してしまうという,今思えばなんとも気を持たせるニンジャ製作記になってしまったのでした.

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