ステム周りを改造

今回ZX-10のステム周りを流用していますが,ここまで組んできて1点不具合が発見されました.ラジエターを組んでみて分かったのですが,ラジエターの上部ネジと,三つ又のナットの頭が干渉して,ハンドルが目いっぱい切れないのです.

といっても干渉しているのは微妙な感じで,角度にして1〜2度って感じです.まあゆっくりハンドルを切ればハンドルストッパまで切れないこともないのですが,急に切ったら間違いなくラジエターのこのボルト部分あるいは本体まで破損して,クーラントをまき散らしてしまうかもしれません.そんな惨事を招かないためにもひとまず対策が必要です.そもそもなぜこのようになっているかですが,ZX-10のトップブリッジとニンジャのそれを比べたところ,約5mmZX-10のほうがオフセットが少なく,ハンドリングのイメージで言うところのクイックになっています.この分三つ又のボルト位置が後ろに下がって,純正ならば問題ない部分に干渉してしまうといったところです.ここはこのステム周りを流用する上で,(1)ハンドルの切れ角を浅くするか,(2)ラジエターの位置をずらすかしかないわけです.でも私の場合はこの期に及んで迄もセンター,アンダーカウルの装着にこだわっているわけですから,(1)のハンドル切れ角を犠牲にする方向をチョイスするしかありません.

で,方針ですが,三つ又のハンドルストッパを追加工して,ねじを取りつけハンドルストッパ位置を疑似的に前に出すことにしました.で,これを一旦車体から外して追加工なんかやった日には作業時間が随分伸びてしまうだろうということで,なぜだかもう1つスペアのあったZX-10の三つ又を使うことにしました.もうこれがあること自体とても滑稽ではありますが,自分でも何で2つ目のZX-10三つ又があるのか,その経緯が皆目見当つかなかったりします.ということで,もう深く考えるのはやめよう….

で,実際追加工してみたのですが,まず結構難しかったのが,元々鋳物で抜いているので,テーパ角のついたハンドルストッパ面に垂直にネジの下穴を明けるのが結構大変.まずフライスなんてものはないので,ハンドルストッパ面に鉛直面をグラインダーで付けて,そこにけがいてからセンターを打って,電動ドリルで穴あけ.センターを打って,ドリルを通すところは,ちょうどその角度になるように木製ベンチバイスを使って角度を調整したのですが,これがまた微妙な角度調整が必要だったりします.で,M6のタップを切り,ネジをロック剤を塗布してからねじ込んで二度と抜けないほどに固く締めこんだら三つ又の改造は終了.

さて既になんどもフロント周りを組んではバラシをしているので,いいかげん飽きてしまいましたが,次の週末に作業です.さくさくっとホイール,フォーク,ステムと車体から外していき,ほどなくしてこんな姿に.ニンジャの場合フォークの間にフロントフェンダーを通すときどうしてもフェンダーを左右から押して幅を詰めた状態で出し入れしなければいけないので,出来ればフェンダーを付けた後あんまりいじりたくないところなんですが….

改造ステムを取り付けた感じでは,ちょうどな切れ角な感じ,ねじの頭で受けているので,純正のハンドルストッパとのフィーリングの違いもほとんどありません.まあ純正流用でありつつもこれぐらいの波乱と工夫はあってもいいかな?と思える範疇ではあります.

で,ステムを取り付けただけではちゃんと確認したことにはなりませんので,フォークとフロントホイールを取り付けて再度確認.見事干渉していた部位の間に5mm以上の間隔が確保されており,なおかつハンドル切れ角も多少犠牲にはなったものの私の通常のライディングならば全く問題ないレベルに収まりました.紆余曲折あったフロント周りですが,ひとまずこれで一件落着.それにしても2世代しか違わないのに,流石バイクブームの終焉前.この時期の2世代というのはそれぞれに大きなギャップがあるんでしょうね.ただ,ここまでやったんだからそれなりの効果もほしいなと期待しつつ次なる課題に挑む私なのです.

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