クーラント漏れ

火入れが済み,クーラント漏れを直した翌週,他の作業を使用として,カバーをめくったところ,いきなりクーラントのシミ発見.まだ作業も始まっていないのに軽い眩暈を感じながらエンジンの周りを見てみると,前回とは違ってエンジンの前側から垂れてきているようです.まあ,水冷をやるのが久しぶりっていえばそうなんですが,それにしてもクーラントのトラブルというのはなんか気持ちが滅入りますね.

で,より詳細に調査したところ,シリンダブロックの前側のクーラントパイプの2番目の根元から滴り落ちている感じ.この部分はわざわざ新品のOリングを調達してまで万全を期したところのはずなのに,ああ無情.で,このクーラントパイプを一旦外す必要ができたということなんですが,これがまた超めんどくさい.一通り外さなければいけないものを列挙すると

・ホーン
・ラジエターステー
・ラジエター
・クーラントホース
・ヘッドへのオイル配管
・ラジエターホースのねじ回しの為タンクも

多少作業性が落ちると思われますが,今回マフラーは外さないで行こうと思いますが,結構大変ではあります.そう方針が決まったら,あとはじゃんじゃんばらしていくんですが,その前にクーラントを抜いてしまわないといけません.もちろんクーラントは使いまわしますので,いつも便利に使っている廃フライパンを使ってクーラントを受け,ちまちまと何かのときのためにと多めに在庫しているクーラントの入っていた空き容器にクーラントを一旦移し替えます.

ここからはばらすだけですが,いかんせんラジエターステーを完全に除去しないでマフラーがついたまま動かせる位置でラジエターを外すのが結構大変.フロントカウルの下周りをズリズリしながら外すのは精神衛生上も負担が大きく,もう金輪際やりたくない作業だったりします.また,オイルのヘッド供給用配管も,これがまたバカ力で締められているらしく,外すのが一苦労.ただでさえボックスレンチが入りにくいところに,ラチェットの先に角パイプを付けて回すのが,煩わしさの頂点で,季節的に初夏の気温に5月のさんさんと照りつける太陽の下の作業で,この時点で相当グロッキーになってしまっています.

で,ようやく配管を外してみたところ,当該パイプについていたOリングは写真のような状態.見事に縦に割れていて,いかに大きなせん断応力がかかったかを物語っています.くぅ〜新品だったはずなのにこんなことになってしまい,断腸の念がこみ上げてきます.まあ適当にあてがってネジを締めて行っただけなので,こんなことが起こるわけですから,本来ならば多少グリスを塗った上で穴のテーパにしっかり当てて,ある程度芯が出た状態をキープしつつ左右均等に締めていく必要があったということでしょうか.となると他のOリングも怪しいので,ここはまた新品を他の部品の発注と同時にして対応することにしました.

まあラジエターは外したまま,クーラントも抜いたままで穴という穴は細切れにしたウェスでふさいで約1週間放置して,次の週取付けです.取り付けについては,Oリングの装着と芯出し,ねじの締め込みなど細心の注意を払って行います.慎重を期しすぎて息を止めてネジを回していたら,眩暈がしてくるほどにです.ここまで来たら後は外したパーツを取り付けていき,クーラントを戻すだけ,幸いにもクーラントの漏れ量はそう多くなかったようで,少量の水の補充で規程量に達しました.

タンクをネジ止めする前にエンジンをかけて液漏れがないか確認します.ひとまず1分経過して漏れはないようなので,今度はタンクを止めてシートまで取り付けたあと水温計が12時を回るまで暖気して,エンジンを切ってみます.ファンが勢いよく回ったら,ここで無理矢理イグニッションを切りファンがまわらないようにしてしばらく放置.実はこの状態が結構エンジンの中の水圧できつい瞬間だったりするようです.おそらく中で水蒸気が発生して想定外に圧力が高くなるんでしょう.結果として漏れは確認できなかったので.作業は終了.ということで新品のOリングということでも手荒な真似は厳禁ということを肌で学んだ私なのでした.とほほ.

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