フロントフォークオイルシール交換など

火入れが済んでひとまずやっておきたいことが一つありました.それはフロントフォークのオイル漏れ対策.それも片方だけ.で,フォーク周りで何かないかな?と探したらもう一つありました.車検を取る前にやっておくべきということで,ハンドル幅の調整です.というのもこのニンジャ,トップブリッジとハンドルはZX-10なので,純正の車検証の値77cmから約5cmも小さいのです.改造申請してもいいんですが,そうするといろいろ資料を用意するのが手間.ということで,ハンドルのバーエンドを用意します.

手持ちの25mmφのステンレス材料を旋盤で適当な長さに仕上げてものはできました.長さは53mm.少しまだ短いですが,車検の実測誤差は±2cmなので,これをフォークのオイルシール交換するついでに車体に取り付けます.

まず,20年以上外されたことがないと思われるZX-10純正ハンドルエンドを外します.一般的にはショックドライバーを使って外すところですが,私の場合ここは写真の様に,ショックドライバーのビット部分を後ろから押しつつスパナやモンキーで回すやり方を採用しています.というのもここはしつこくロック剤が塗布されていて,ショックハンマーだと動き始めてもなかなか前に進まないからです.ともあれ,この作業で問題なくエンドを外すことができました.

取り付けたところがこんな感じ.まあ少し長めかなとは思いますが,まあまあ格好いいので可でしょう.ということで,お次はフォークです.オイルシール交換というと交換用のオイルシールは?ということになりますが,以前ZX-10のフォークを流用しようとしていたときにオイルシール交換を断念した経緯があり,幸いにもニンジャの後継とZX-10が同じダストシール,オイルシールを共用していることがわかっており,このためにわざわざシール類を買いなおさなくてもよかったのです.この点精神的には随分楽なもんで,かなり前向きにこの作業にあたれたりします.

フロント周りの分解はサクサクっと済んで,フォークの分解に入ります.実は前回ZX-10のときにボトムケースを外すのに,ZX-9Rの時に使った約20mm角パイプの先端に,T字型の板を圧入してなんとかボトムを外したのですが,同じ径なので,この治具が使えると踏んで,それを使ってばらしてみました.一応インパクトレンチを当てて何度かやってみましたが,全然回る気配がありません.何度か繰り返してみたもののその結果はなんとNG.どうもすごい力で締められているようで,これが外れない上に,ねじり力に負けてT型の板金が変形してしまい,治具が破壊されてしまいました.

となると,インパクトレンチでガンガンいくとボトムケースはそっちのけでネジとシリンダーのみが連れまわりして,そのあおりを食って本来もっと踏ん張ってくれないといけない治具が破壊してしまったようなので,この入力側の力を少し平滑化してなんとかネジとシリンダーの間で回るようにして,治具を保護してやらないといけません.まあ治具自体はそんなに手間をかけて作った代物ではないので,再度板金部分を作り直して再チャレンジすることにしました.

で,今度はインパクトレンチは使わず,ボトムケースの固定はブレーキキャリパーの取り付け部分をモンキーで締め上げて確実にし,その柄の部分にエクステンションバー,治具についてはパイプレンチをかませ,その先にもエクステンションバーを装着.ボトムケースの分を室内で暇にしていた息子を呼びつけしっかり持たせて,私は丸パイプをかませたレンチをボトムにかましたパイプレンチの先のパイプをねじるようにゆっくりと徐々に力を掛けつつ回していきました.

すると流石におっさんのしがない火事場の馬鹿力とはいえ,ネジが根負けしたようで,徐々にネジがまわってきました.ある程度回ったところで,インパクトレンチに変えて,今度は元気よくネジがまわるようになり,無事シリンダーがボトムから抜けてきました.これで時間はかかりましたがようやくフォークの分解が完了.もう永らく恋い焦がれたシリンダーに逢えて,狂喜乱舞のついでに記念写真を1枚.ちなみに上のがニンジャ,下のがZX-10です.使う治具は同じみたいですが,なんか微妙に違っていたります.

ここからはもう慣れたもの.あとはサクサクっとオイルシール,ダストシールを交換.オイルを規定量の495ml計量して流し込み,再び組み込んでフォーク組立は終了.車体への組み込み,フロント周りの復旧もものの10分で終了.最後に忘れないようブレーキレバーをニギニギして作業完了でございます.

ちなみにカワサキの純正の治具を使えばボトム周りは簡単にばらせたんでしょうけど,そんな治具いちいち買ってられない懐具合の私としては,できる限りのことはしたかなという感じです.もしZX-9Rと同じように各パイプを使用する場合は24mm角のパイプがあれば,ほぼ純正工具と同じ効果が出せるかと思います.あいにく今回近所のホームセンター数軒回ったもののちょうど良い角パイプがなかったので,こんな感じになってしまいました.ホントをいうともっとスマートに行きたかったところなんですけどね.

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