ZX-10ステムをニンジャに合わせる苦労

ZX-10のステムをニンジャに取り付けるにあたって,どのような方法があるかというとまずその差について明らかにしておかないといけません.まずステムシャフトの長さですが,どうもニンジャに対しZX-10が約5mm長いようです.で,ステムシャフトを追加工したり,ステムシャフトをニンジャのものに入れ替えたりすれば問題なくなるはずです.しかしまず前者についてはステムの追加工というのはステムナットのかかる細目ねじ部分を延長する追加工が必要になりますが,そんな高難易度な加工は私もできませんし,きっちり合わせてねじを切りなおすなどという高度な加工はプロでもやりたがらないでしょう.したがって恐らくべらぼうに高額な選択肢であるということが言えるでしょう.また,それをやるにはステムシャフトを三つ又のアンダーブラケットから抜かなければいけなく,それもかなり面倒な作業であることから,その手間と費用が膨大ということで却下.

後者についてはステムシャフトだけ入れ替えるぐらいならば,ちょうどニンジャのトップブリッジを持ち合わせていたりするので,ニンジャの三つ又ASSYを入手してそれをそのまんま使うということになり,これだとZX-10の流用できるパーツはフロントホイールのみということになります.これではなんだが悩み損な感じがします.したがって無理矢理でもほかの方法を考えます.で,あんまりやりたくないやり方ですが,ステムベアリングの止まっている内径の段差部分にスペーサーをかませてはどうかと考えました.これならば追加工は不要ですが,普段あんまりやらないステムベアリングの打ち替えが必要になります.まあベアリング自体はそんなに高いものではありませんので,これはこれでチャレンジしてみてもいいかな?ということでこの方式に決定.さっそくステムベアリングの上だけを購入することにしました.

で,ステムベアリングが到着したところで次の週末に一旦組んだフロント周りを再びばらしてステムベアリングを抜きます.といってもステムベアリングを抜くには通常特殊工具が必要なのですが,べったにやらない作業にあまり大枚をはたきたくないのが人の情ってもんです.したがってフレーム側に残ったアウターケースを打ち出すのに,10mmぐらいのステンレス丸棒を使って,ステムの内側に下側から通し,少し出っ張ったアウターレースの方の部分を円周に沿って均等にしたからハンマーでコツコツ叩いていきます.はじめ軽くたたいていたのですがどうせ使わなくなるベアリング部品ということで,あんまり回数を多くたたいてしまうと近所迷惑という気持ちも働き,徐々に強くたたいて約5分もたたいたらアウターレースが抜けてきました.

ここで用意しておいた5mmの鉄のスペーサー(建材用の適当なパイプを5mm長さで切断して両面を滑らかに削ったもの)を挿入して新しいベアリングのレースに真鍮のブロックを当てて軽くハンマーでたたいて5mm程度フレームのステムに打ち込みます.あとは通常通りステムを組みつけます.するとそれまではガタがどうしても残っていたのに,今度はしっかりとステムナットの締め込みが効くようになりました.まあ実際スペーサーを入れるとステムのガタが出やすくなるかもしれませんが,スペーサーは鉄製ですし恐らく初期つぶれぐらいで,そのあとは変形したりしないでしょうから初期の増し締めだけしっかりやればいいだろうということで納得します.あと気にしなければいけないのは雨水が入らないようにするシールですが,何の車体用かわかりませんが,ちょうどこの取り合いで隙間をしっかりと埋めてくれるようなカバーがありました.う〜む,いったい何の車体用なんだろうか?と思いつつもさまざまな部品を在庫している私自らに感心したりします.

次にキーですが,これは写真のようにハンドルロックのときに出てくるシャフトの先端とニンジャのステムについているハンドルロック用のブラケットとの間に約10mmの隙間ができていて,ハンドルロックできないだけですがここはフレームをいじるかキー側をいじるかビミョーなところです.しかし,こういったクリティカルな場合の判断はまず替えにくい部品は温存するというのが鉄則です.ということで実質的にはキーの方をいじったのですがセキュリティに関わるキーについてはあまり紹介したくないので,ここは割愛します.あんまり何も開示しないのは後々反感を買うでしょうから,ちょっとだけ打ち明けると実はメインキーのハンドルロックシャフトの先に何か付けて急場をしのいだという感じです.

あと,キーセットとして今回車体につけたメインキーはなぜだかタンクキャップのキーシリンダのついていないものでしたので,またまた手持ちのタンクキャップを流用します.ここでもタンクキャップのキーシリンダーのキーを組み替えてこのキーセットと同じ配列にしてなんとかしたのですが,ひとまず公表できるのは写真のところまで.この先はなんだかセキュリティ上伏せておいたほうがよいと思うので...

ちなみに写真のキーシリンダーで回されるキーそのもののパーツについているOリングですが,もうずいぶんやせてしまっています.これでは水が中に侵入してしまうかもしれませんので,手持ちのガソリンOKのOリングセットの中から適当な大きさのものを使って交換して,戻す時にはシリコングリスを塗り込んでセットおきました.

さて,キーセットが何とかなったところで,車体周りに取り付けるにあたってやっておきたいことがありますが,これはまた次回.

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