キャブレター

お次はキャブレターです.この種車はキャブレターが欠品の状態で納車されましたので,今回はキャブは別途用意しなければいけません.ただ,以前バカみたいにニンジャのキャブを買いあさっていた時期があって,その中で程度があまり良くないものは未だ長期在庫となっています.使わないままではそのまま場所をとる在庫になってしまいますし,売るにしても程度が悪いのであまり高額では売れません.内容によってはクレームを受ける危険もあります.なので,ここはそれらを使うしかないのです.

ということで今回流用するのは後期型のフルパワーという触れ込みで入手したキャブです.購入したのはもういつのことかしらって感じで間違いなくうちに10年以上在庫していたものです.外観はアルミ色のボディに腐食が少し浮いているだけですが,果たして開けてみるとどんな感じなんでしょうか,楽しみでもあり,恐怖でもありますね.

ちなみにバタフライバルブの動きが少し渋いポートがありましたので,ゴムを侵さないように廃エンジンオイルをたんまりバタフライバルブの摺動部に吹きかけて,なんとかスムースな動きになるようにはしておきました.

なお,このキャブ,クーラントの循環システム付きの車体から取ったもののようで,下部にクーラントパイプが走っています.今回の車体はクーラントの循環はキャブに来ていないタイプですし,わざわざ日本でキャブの温度を上げてあげる必要もないでしょうから,搭載にあたってこのパイピングを外しておくことにします.

さてフロート室を開けて,フロートバルブを取り出します.するとフロートバルブのシリンダーから外れないものとかもあって,結構フロートバルブ本体の腐食も出ています.今までタールでべちょべちょになっているものは結構見ましたが,腐食して取れなくなっているのは初めてです.案の定プランジャが押しても下がらなくなっていますので,このままでは使えません.超音波洗浄機にかけて1時間近く洗浄しましたが,このプランジャ,4つのうち2つが動かないままでした.しょうがないのでほかにもある在庫キャブから程度がましなものを拝借して4つ揃えました.

あとはフロート室のパッキンが到着したところで,フロート室内を掃除しながらパーツを組み込んでいきます.最近はメインジェット,スロージェットともに真鍮のお掃除用ワイヤーを用意しているので,これを使ってお掃除して詰まっている穴を貫通させ,アルコール洗浄してから長時間の超音波洗浄をしています.

キャブの一連の作業ということでは,取り付けに際してニンジャの場合ある程度エアクリーナー側のインシュレーターが硬化してしまっているとキャブの装着自体とても大変なので,よっぽどエアクリーナーについているものが柔らかくない限りは新品を買うことにしています.今回は車体にとりついてはいませんでしたが種車の出品者の方が車体を運んでくれたので,そのときにおまけということでつけてくれたものをそのまま使用しています.これに新品のインシュレーターを取り付けるわけです.

ということで取り付けてアクセルワイヤの動きがスムースであることを確認したら作業は完了です.それにしても側面のアルミ地のところの腐食がみすぼらしいです.このあと少し研磨して綺麗にしましたが,車体はA6なのでボディは本当は黒にしたいところです.まあ,ひとまずエアクリとキャブが取り付けられたことで,まだ外装のないストリップ状態ではかなり完成に近くなったなという印象になりました.

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