タンクのレストア

今回はタンクの作業をご紹介します.といっても今回といってはいるものの作業自体はもうずいぶん前から行っているものでして,まずはその紆余曲折から.

実はこの車体ご存じのとおりもともと白いタンクが乗っていて,それが下周りに怪しいさびが浮いているので,穴あきを疑っておりました.また内部にはそう深刻でないように見えるものの錆が発生しており,まずこの錆取りをやってみようということでいつものサンポールとマジックリンによる錆取を実施したのです.すると,案の定というか,当たり前というかサンポールを入れてすぐにタンクの下周りからサンポールが漏れてしました.この時になって水ではなくサンポールを入れてしまったことを後悔しましたが後の祭り.幸いにも漏れが出ている個所は1か所なようなのと,もれ量が少ないので,ここの下に大きなガラス瓶を置いておき,抜けた分は徐々に継ぎ足すやり方でそのままサンポールの工程を強行したのでした.約3日ぐらいやったところで錆は落ちたので,次にマジックリンで中和します.あとは乾燥.ということで錆取り作業は終わったものの,穴の開いたタンクというのが一つ出来上がってしまったわけです.

しかし穴が開いているのをそのまま使うわけにはいきませんが,このタンク,へこみなんかはなく,それなりに素体としては程度がよいようにも見えます.ろう付けして穴をふさごうとも思いましたが,ろう付けの技術は私にはないので,ほかの何か手立てはないものか探してみました.すると,応急処置用に売られているガスタンクリペアという補修材が売られているのがわかりました.ここで私の興味はあくまでも応急処置といいながら,それがどれほど持つものか見極めてみたいというものでした.

まあ恒久的な対策にはならないけれど,この補修の実力を見極めておくことはとても重要な気がしましたので,勢いのまんまこのガスタンクリペアを購入,早速作業にあたることにしました.穴の開いている折り返し部分の角の塗装をはいで,表面をペーパーで荒らし,この黒と白の材質で棒状になっているガスタンクリペアを均一な灰色になるまでこねくり回してから隙間なく塗りつけていきます.1日たったところで鉄が露出しているところの錆を防止するためにサフェイサーを吹いておきました.

そして余裕を見て2週間硬化させてからタンクの中に以前のサンポール作業で余っていたマジックリン溶液を入れます.1週間そのまま放置しておきましたが,ここから漏れは発生してこないようです.ということでひとまず穴あきタンクの補修はできたということで,このタンクをまずは使ってみることになりました.

マジックリン溶液を抜いた後はまたサフェイサーを吹いてしばらく放置していましたが,車体のほうがそろそろ出来上がりつつあるということで,塗装を開始します.元の白塗装はプロの手によるものらしく,かなりはがすのに手間がかかりそうです.なので,今回はところどころ傷がついているところは補修し,その上から塗装を乗せることにしました.

結局A2ライムグリーンに塗り上げるのに約3週間かかりましたが,まあ何とかなりそうです.テンポラリの補修材ということで,どれほど持つものか不安はありますが,乞うご期待ってところでしょうか?

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