タンクも時間がかかりそうで着手を早めたのですが,フロントカウルについても実は結構大工事が予想されたので,今回早めに着手することにしました.

実は今回素材に使おうとしていたフロントカウルがこれでして,ライトの下部分がごっそりなくなってしまっていて,その部分を他のジャンクなフロントカウルから切り出してつぎはぎなフランケンシュタイン状態になっているものだからなのです.これは実は私がやったものでして,もう15年以上前にこのつぎはぎ工事をやったものの,あまりにも段差が大きく,面出しに時間がかかりそうであったので,作業を中断して他のもので流用してしまったという黒歴史的な一物であったりするわけなんです.で,今回はその段差を時間を掛けてでも消し去って使えるものにしていきましょうということになります.
で,実際面出しにどんなことをやったかを長々と紹介してもつまらないと思いますので,今回は作業そのものは紹介せず,何時間かかったかだけを紹介しましょう.なんと面出しだけで約28時間かかりました.まあこの部分以外にも削れ傷があったり,元のデカールラインでできた段差を消したりしたのですが,もうそれは苦行のような作業でありました.ですので中身を思い出すのもおぞましい感じで,とりあえず段差が完全に消えたとは言えないものの,その面出しの後,追加で3時間ぐらい(乾燥時間含まず)かけてなんとか塗装までこぎつけました.

で,あまりにもフロントカウルの苦労がありつつもそのトピックがスコッと終ってしまってもしょうがないので,その縮小版ともいえるフロントフェンダーをご紹介しましょう.というのもこれについても同じくフランケンシュタイン状態から仕上げたからにほかありません.まず手持ちであったのはフロントフェンダーの後ろ部分をカットしたものと前半分が破壊されたもの.これらがそれぞれあったもんですから今回,2コ1をやってのけようと考えたわけです.
粉が飛びまくっているので写真は残っていませんが,まずこの後ろ半分のものを丁度前半分の後ろの切断面に合わせてディスクグラインダーで切り出していきます.樹脂が溶けるにおいが朦朧となりながら多めに残すよう切っては合わせてみて,何度かの切断ののち,ようやく接着できる状況になりました.あとは面をきれいにして裏面と表面から接着.裏面にはグラスファイバーマットで補強して形は出来上がりました.

あとはマスキングして塗装です.ライムグリーン,クリア,ぼかし剤を経てこんな感じに仕上がりました.黒い部分にはつぎはぎの界面があって,結構単体だと目立ちますがここは車体に取り付ける時はフェンダーブレイスが乗っかるところですので特に見栄え上は問題ありません.ひとまず満足いく仕上がりと言えるでしょう.

さて,フロントカウルとともに取り付けてみました.こうやってウィンカーなんかも付けるとぐっと完成に近づいたイメージになりますね.ちなみにヘッドライト下のあたり,少しいびつなのがお判りでしょうか?ここはちゃんと最後までやりたかったんですが,そろそろ30時間に届きそうな面出し作業でついに嫌になってここで妥協してしまった証拠でもあります.まあここらへんは自責の念を禁じ得ないところですね.

前回かなり苦労したメーターもインナーカウルやスクリーンを取り付けてこうやって電源を入れてみると,なんだかすごい達成感がありますね.といってもまだこのメーターがちゃんとそのまま使えるかどうかははっきりしないまんまなんですが.