異音対策(その3)

前回はひとまずヘッド交換またはレストアという大物対策の前に人あがきということでヘッドカバーを開け原因を突き止めたうえで部材の入手をしたところまででした.ですので今回はその次の週に行った作業のご紹介ということになります.で,早速まずカムシャフトを外してバルブの動きを確認して他のバルブに対してガタや摺動抵抗が大きかったらヘッドを下す,そんなでもなかったらヘッドは降ろさずにまずはカムシャフトとロッカーアームのみ交換する方向としました.ということでロッカーアームのセットが到着した次の終末に再び作業です.

さて,前回同様ヘッドカバーを開け,今回はカムシャフトを外していきます.ちなみに入手してあったカムシャフトはギアがついていなかったので,カムシャフトをエンジンから外す前にカムシャフトにギアを止めている2本のネジは緩めておきます.

で,カムシャフトの1番側を支えているU溝がこんな感じ.光沢面が綺麗な波状になっています.相当叩かれている感じで,ちょっと心配な感じです.これで内径が拡がっていなければいいんですが,そこらへんはホルダーを組んだ状態で内径を計って判断することにしましょう.

で,ロッカーアームシャフトを抜くわけですが,エンジン右側のプラグを抜いてはてどうしたもんかと考えて,今回のロッカーアームセットにシャフトもセットで付いてきていたので,シャフトを観察してみるとどうもその端面にM8のネジが切ってあり,これを使えばシャフトを抜いたり刺したりすることが出来そうです.そういえば今まで一度もロッカーアームを外したことがなかったんですね私って.

外したロッカーアームと例のセットについてきた中古を並べてみました.勿論外したほうが左です.もうカムとのあたり面の曲率が完全に逆Rとなってしまっています.しかもカム山と同じ感じでこちらも2段に削れが進行していて,明らかに2回あたった衝撃が相当なものであったことを物語っています.ちなみにバルブのガタや抵抗については1番のEX側と他のもので違いは感じられませんでした.ですので今回はIN側カムと1番EXのロッカーアームのみを交換することにします.まあ,これでダメだったらヘッドを外す作業をもう一度やるだけのことですから.

今回使用する長期在庫であったカムシャフトがこれです.国内仕様だったと思いますのでちょうどよかったですが,長期在庫にもかかわらず錆などが一切なかったのが奇跡ですね.カム山もすべての山にカジリはなくとてもきれいです.

カムを載せ,カムチェーンのコマをマニュアル通りに合わせてから組み付けます.そしていつものタペット調整をします.ニンジャの場合はねじ込み式なのでシム方式ほどの面倒はありませんが,誤差の出やすい方式ではありますので慎重に調整します.といっても私の場合0.01mmとびのシックネスゲージはなんか勿体ないので普段温存してまして,ニンジャの調整のときにはこうやって挟んだ状態でマイナスネジを緩く締めていき,ゲージを引き抜くときの抵抗を感じながらネジの回転角を決めていきます.まあこのやりかたで大体+/-0.02mmぐらいの精度に出来上がっているので,大丈夫でしょう.

ちなみに元のカム,ロッカーアームの状態で1番のEX側の2か所の隙間が,0.6mmと0.8mmと約0.2mmも差があったのが気になります.これは推測ですが恐らく前のオーナーか,バイク屋さんがタペット調整をした時に片側のシム調整をしくじり,左右のタペットとロッカーアームが当たる高さがあまりにも違ったためにロッカーアームが暴れ,あのような摩耗につながったのではないでしょうか?まあ想像の域は出ませんが,車検証のメーター読みが2万km程度で実走があなり多くないわりに,あまりにも1番EXだけ摩耗が進行しているので,そのような整備ミスが原因ではないかと思われるのです.

で,ヘッドカバー,タンク,カウルステーなどを元に戻し,再再度火入れということになります.さて,セルボタンをキュルルルルっとしばらく回して程なくエンジンに火が入りました.音は明らかに以前とは違いニンジャの通常の音です.まあ静粛とはいいませんが,それでもカチカチ音はアイリングでは聞こえません.う〜ん,これで走れるようにまでしてしばらく様子を見ることにしましょう.まずは思った通りの作業が出来たなということで,満足のいく内容と相成りました.

これでなんとかヘッドの載せ替えやレストアはしなくてもいい可能性が出てきました.かなり頭の痛いトラブルであったのですが,結構自分らしい解決方法でなんとかなったのが非常に嬉しかったりします.こんなのがあるからトラブルそのものが嫌いになれない困った私がいるわけなんですね.ははは.

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