音楽MDからMP3への変換(その1)

さてこのPCのコーナー始まって以来の音楽関連ネタです.車のコーナーではメディアがころころ変わることに翻弄された様子を少しご紹介しましたが,その中でMDが一時うちの主流であったと書きました.MDが主流だったと過去形でいいながら新しい音楽のライブラリのほとんどがCD-RやMP3に切り替わったあともどうしても既存のMDを聞く手前,MDコンポを使い続ける私.MD自体はそんなに保管に邪魔になるような体積は占有しないため,まあこれでいいかな?なんて今までは思ってきたわけです.しかし世の中ではMDコンポも最近ではそんなにリリースされてこず,変わってMP3再生OKのコンポが出てきたりしています.

このままではMDのライブラリは取り残されてしまうと考えた私はMDを出来るだけ音質劣化無くMP3に落とす手法を調査し始めました.まず音源側ですが,これは光出力つきのMDプレイヤーが必要です.光出力つきというのがちょっと難点で,MDコンポにはこの機能はありません.まああたりまえなんでしょうが,MDからデジタル出力で何かにダビングするニーズというのは無かったし,そんな機能を使う人がいないのでそんなのをコンポ側に持たせるのは愚の骨頂.したがって世の中に存在するMD再生機能付きの機器のほとんどにデジタル(光)出力は搭載されていません.

しかし偶然にも私の持っているポータブルMDプレイヤーがなんとこのデジタル出力を持っていたんです.その機種はSHARPのMD-M20といいまして,MDの短い歴史の中でもきわめて初期のモデルです.当時録音再生可能なポータブルMDプレイヤーというとSHARPとSONYしかなくって他にKENWOODやDENONなどが出してはいましたが,これらはSHARPのOEMだったといような時代でした.で,当時はなけなしの小遣い(当時既に小遣い制だった)から購入に踏み切ったといった代物です.当のデジタル出力というのはこのモデルの場合ヘッドフォンジャックが丸型の光ケーブルに対応していて,ここにさせば出力が出るというもの.しかし,一度CDからMDに落とした音というのは,再びMDやCD-Rに焼けないようにプロテクトがかかっています.これがSCMSというシステムで,単にMDのデジタル出力と他のMDのデジタル入力に光ケーブルをつないでコピーをしようとしてもコピーできないとメッセージが出てコピー不可になるというものです.で,まずこのコピーガードを何とかするかどうかというのがひとつ問題になりました.で,ひとまずやろうとしたことは,PCのサウンドカードに光入力付きのものがあるのはもともと知っていたので,これにデジタル出力をつなげてみてはどうか?と考えたのです.で,うちのPCについているサウンドカードはというと,デスクトップ1号機はオンボード,2号機はなんとSB16互換という状態.普段から如何にPCに音を期待していないかわかりますね〜.

では早速入手.価格.comなんかで調べると,光入出力付きのサウンドカードは3000円を切る値段で出ています.なかなか最近のモデルもいいんですが,ここは一応過去の機種で評価もされているモデルということでさして安くも無いものをヤフオクで落札.型番はApolloのCMI8738.Xp登場前のモデルらしく,Xpでの動作試験の報告などがwebにあったりして,でもそのせいもあって付属のCD-ROMにはXpのドライバが付いていなかったりします.なんとかドライバをダウンロードし,一応PCで普通に使用できるようにしました.ところが,どうもMDをつないでもデジタル信号が来ない.

やっぱりプロテクトが掛かっているのか?ということでたいした調査もしないで二の手を打ちます.

というのは一時期通販などで売っていた魔法の箱.そうCDから一旦MDに落とした音源をデジタル出力できるように変換する装置です.まあビデオのプロテクト外しなどでこういったものは結構ポピュラーですが,MDにもこんなものがあったんですね〜.で,こんなものは型番やなんかを紹介してもしかたがないので詳しくは割愛します.ただ,法律が改正されてこういったものは市販されなくなっていますので,まあその中古をヤフオクで購入したわけですが,これが高い.サウンドカードとは比較にならないような結構なお値段で,ちょっと仰天.でも一旦乗りかかった船.そうそう降りるわけにいかず強情にも落札する私が憎い.

で,商品が到着したところで早速実験です.別途落札した角型-角型の光ケーブルでMD-魔法の箱-サウンドカードとつなぎ,魔法の箱をEDITモードにして早速PC側でモニタ.

しかし!全く音が出ません.もうこれは一体なんなんでしょうか?魔法の箱も通用しないとは!?ここでサウンドカードの取扱説明書を開きます(順番が逆だっつーの).でも光端子(S/PDIFと呼ぶらしい)の設定についてはまるで触れてはいけないものであるかのように何も書いていません.

でドライバーとユーティリティーのすべての設定を探っていくことにしました.で,どうやら,ユーティリティーの中にS/PDIF端子用の設定タグを発見.この設定を片っ端から試してみることにしました.まずモニター出力が出ていないだけなのではと考え,モニター関連の設定を弄ります.しかし,モニター出力は光端子以外の音はちゃんと拾っていますし,モニターの設定をいくら変えても光端子から出ていると思しき音は聞こえてきません.

次に,端子のチャンネルと思われるところを弄ってみました.デフォルトは#1だったのですが,これを#2にしました.するとなにやら雑音混じりにMDから出ていると思しき音が鳴るではないですか!う〜ん,これで端子は生きていることはわかったけれども,この雑音では...やっぱりプロテクトが掛かったまんまなのかな〜?なんて半分あきらめの気持ちのままもうひとつの設定通常-反転を変えてみました.更新ボタンを押すとなんとその雑音はクリアな音に変貌しました.やった〜!なんとか光端子から出た音が拾えた〜.

wavデータへの取り込みも問題なし.なんとか録音可能になりました.しかし,このあと試しに魔法の箱を外して直結で音を通してみて驚愕の事実が判明しました.

なんと魔法の箱が無くとも音が拾えるではないですか!まあこの音がデジタルのまま来ているかどうかはわかりませんが,少なくとも私に音質の違いがわかるレベルの違いはありませんでした.で,あえなくこの魔法の箱はお払い箱.高かったのに〜と後悔するも後悔先たたず.本当に順番を間違えたためにとんだ出費を生んでしまったので,失意の中次回に続くのでありました.

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