車体選定,引き取り(その2)

前回はテールカウルなどを外したところでハタと思いだして写真を撮り始めましたが,これは現車確認の意味というよりも,車体の元の状況を記録しておいて,組むときの参考にするという意味合いが強くあります.というのもこの車体をばらして持ち帰って,しばらく組立図に部品のまんま保管しておくことが想定されますので,その間に記憶がぶっ飛んでしまい,特に電装系のパーツの配置,向きやハーネスの取り回しなど完全に忘れてしまうことがあるからです.そのようなトラブルを避けるためにも,このようにばらす途上での写真が不可欠になってきます.

まああんまり細かく写真撮影をしていては作業の効率も下がってしまいますので,今回はタンク を含めて外装を全て取っ払ったところでストリップ状態での写真を残しておくことにしました.実はここに至るまでは極めて順調でして,ねじがばかになってしまったり,固着しているところはありませんでした.少し回しにくい錆びたネジはありましたが,バイスクリップやインパクトドライバーでなんとかクリアできましたし,マフラーなんかも単気筒がゆえに簡単に外れてしまったのです.その一部始終を見ていたのか,出品者の方は手慣れてますね〜.といって興味深そうに遠巻きに見守ってくれていました.

そうそう,現車確認でしたね.まあ外装はいいとして,お金のかかりそうなところではメーターはちゃんと動きそうなものがついています.外観もそんなに悪くありません.三つ又には錆がついていますが,曲がりはなさそうです.フロントフォークも曲がりはなさそうですが,インナーの錆が少し深く,摺動部にも多くありますので,これは交換したほうが良いでしょう.フロントタイヤはひび割れが出ていてダメそうです.電装系はほぼ大丈夫そうです.経年劣化したコネクタとかもなく,保管状態はそう悪くなかったように思います.フレームは錆が所々ありますので,このまま使うか再塗装するかは今後考えたいと思います.

車体の後ろ半分です.チェーンはダメそうですが,スプロケットはまだ山が残っています.リアタイヤも溝はあるもののひびが入っていてダメそうです.エアも抜けていますが,車体が軽いので結構作業中に動かすのも楽だったりします.

車体の逆サイドです.今回ドラムブレーキというのが初めてだったりします.まあシューとかは摩耗してなさそうなので,多少の調整で大丈夫だと思いますが,そんな点でもワクワクします.リアサスのリンクなんかは錆が出ています.ここらへんはばらしてみて摺動具合をチェックして再利用の是非を決めたいと思います.ちなみに今回はフレームをそのまま使う予定ですので,フレームについているねじはそのまんま部品を外した後もねじ込んでおきます.意外にねじを探す時間が組み立ての時のロスタイムにつながりますので,ばらすときのこういった工夫で時間短縮を心掛けているのです.また,この後は車体を寝かして足周りを外しますので,太いアクスルなどのねじは車体がまだ立っている状態でレンチにエクステンションバーを付けて力を十分かけられる状態で緩めておきます.もう10台以上落札時に相手の方の庭先などでばらしているので,こんなノウハウがいっぱい身についていたりします.

エンジンは外観は塗装が剥げ,アルミが腐食しているようですがオイル漏れなどはありません.セルを回した時の異音の原因が何なのか,気になるところです.ちょっと意外だったのはタコメーターがデジタル式ではなくエンジンから直接メカニカルにつながっていることでした.カワサキだとこの類のタコメーターは空冷Zの前半ぐらいで見なくなってしまうのですが,ヤマハは85年式のこのSRX250Fになっても採用していたとは.

さて,続いて車体を寝かしたり足周りを外します.少しフロント周りが軽すぎて抜くのに苦労した節もありますが,30分もしないうちにこんな感じになりました.ほぼ綺麗に2畳用のホットカーペットカバーに部品が散乱しているので記念写真の一枚.今回はフレームを流用するのと,プリウスにそのままでも積めるだろうということでスイングアームは外さずに行くことにしました.

で,積み込み作業も順調に済み,工具をまとめていたところで衝撃の事実が判明.なんと出品者の方が途中から出てこないなと思っていたら書類を探していたらしく,どこを探しても出てこないとのこと.なので本件は書なしとして取引してほしいとのことなのです.私としては新たなフレームを入手しなければいけないですし,その要らなくなったフレームどうすればいいのよという死活問題にもなりかねない事態なのですが,ここは大人の対応ということで,その時点でヤフオクに出ている書ありフレームを落札したときにかかる送料を含めた費用を減額した取引ということで決着させ,帰途につきます.

う〜ん,それにしても書ありと思っていたのが突如書なしとなり,フレームの入れ替えが必要になって,いきなり出ばなをくじかれた感じです.少し貧血気味になりながら家に戻り,また部品を庭などに隠す作業を力なく行い,その日の作業は終了となりました.この脱力感いったいどうしようかしら.果たして今後どうなっていくのか,いきなり前途多難なスタートに,疲れのあまり普段のようなワクワク感が感じられない私なのでした.

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