スクリーンをなんとかする

さて今回は以前も少し触れましたが,スクリーンです.事の発端はフロントカウルASSYで室内保管していた時に落してスクリーンにひびが入ってしまったことによります.どんなところから落ちたかというと,1mぐらいの高さのアルミフレームを組んだ棚から30cmぐらい積み上げたエアキャップの在庫置き場の上に落ちたわけなんですが,SRX250Fのスクリーンは車体軽量化のためかすごく薄くって,そのせいもあって割れてしまったのです.カワサキ車の場合はこんなに簡単に割れることはないので,ある意味下にエアキャップもあるので安心して置いていたんですが,こんなことになるんだったら屋外に保管しておいた方が良かったと,後悔する毎日ではありました.

そして,なぜそこまで後悔していたかと言いますと,そのスクリーンがなかなか入手できないものだったからに他ありません.まずスクリーン単体での出品がない.たまにあってもなんか自作したような透明のスクリーンを売っている人がたま〜に現れるだけで,その出来もあまりよくなさそうなのと,結構なお値段がするということで,とてもとても購入に踏み切れないという事情がありました.もちろんカウルとのASSY売りにも期待していたのですが,恐らくこのスクリーン,相当割れやすいようで,カウルは新たに売りに出されてもスクリーンがくっついていたり,スクリーンが同時出品されるようなことは皆無なのでありました.

そこでなんとか補修できないか考えてみたんですが,材質がアクリルであろうということでアクリル接着剤のアクリルサンデーでまず接着してみました.で表向きはそれなりにきれいに接着できるのですが,少し力を加えただけで簡単に剥がれてしまいます.アクリルサンデーは恐らく静態物には使えるんでしょうけど,バイクスクリーンのような動いてなんぼのものには対応できないと判断しました.で,一応補修はあきらめ,なんとかこれを状態保持させておこうということで瞬間接着剤で接着しておいたら,こんな有様になってしまったのでした.

で,どうするかを考えたのですが,もうこうなったらじぶんでつくるしかないわけです.幸いにもスクリーンの曲率は緩めで,大きさも小さいので,他車のスクリーンを素材として簡単に流用できるのではないかと考えたわけです.

で,候補に挙がったのがなぜか手持ちで在庫していたGPZ400Rのスクリーンです.何を目的としてどんなタイミングでそれを入手したのかは一切記憶にございません.ともかくこのような流用を考えて入手したのではないことだけは確かです(笑).で,重ね合わせてみると,もう曲率と言い大きさといい,SRX250Fに流用してくださいと言わんばかりのジャストフィット.ちなみにSRX250Fはご覧のようにスモークになっていますが,私は別にスモークスクリーンが好きなわけでもないですし,純正のルックスをそこまで守りたい強い意志もありませんので,このすでにくすみの出ている透明っぽいスクリーンで十分なのであります.ちなみにこの写真ですでにSRX250Fのスクリーンは上の方の接着が剥がれて部分欠損状態になっていますね .ホントにもろい.

で,この重ねた状態で外形をトレースして黒マジックを入れていきます.そしてそれに合わせてまずはセロハンテープを上から貼っていきます.これはディスクグラインダーで外径を切り出すのですが,そのときの加工抵抗でスクリーン素材自体を割ってしまわないためです.穴の周辺も同じく対策しておき,次に外形と穴位置を重ね合わせてトレースして,まず穴をあけます.中心がずれないようにというのと,いきなりドリルが抜けるときに割れにくくするためまず小さな3mmの穴を先にあけて,その後6mmの穴をあけます.次にグラインダーに多用途の切断砥石をつけて外形をざっくり切ったら,次に塗装落し用の砥石に付け替えて外形をきれいに仕上げていきます.

ここで一度車体にフィッティングして穴位置や大きさに問題がないか確認.カウルの段差との合わせ,左右のアンバランス,ねじ穴の不整合などを確認します.大体良さそうなので次に進むことにしましょう.

あとはプラテープをはがして少し大きめに作っておいたのと,まだ凸凹が見えてしまう部分については端面をきれいに整形していきます.外形と穴が済んだら今度はくすみを何とかしないといけません.いつものように1200番の水研ぎから始めて,細目のコンパウンドまでやっていきます.ただ,まだちゃんと使えるものになるか怪しいのと,この先の作業で傷をつけてしまう可能性もあるので,ほどほどにしておきます.

純正スクリーンにはカウルと接するところに黒い塗装がされていて,所々剥げたりしていましたが,カウルが素通しで見えるのは格好悪いので,純正と同じ寸法で裏から黒いカッティングシートを貼っておきます.裏側からなので逆Rになります.しわにならないよう注意しながら空気を抜きつつ作業です.結構気を使う作業でもあり,何度もやり直しをして結構時間がかかってしまいました.

最後にスクリーンの光沢を増すガラスコーティング剤を塗って車体に取り付けます.それはそうとこのスクリーンの取り付けねじですが,力を入れて締めたらねじの首根っこが折れてしまいました.どうやら樹脂製だったようです.恐らくスクリーンの保護のためと思われますが,これでは心もとないのでステンレスねじに変更して取り付けます.なお,まだコーティング剤は時間をかけて浸透させたいのであとで落とすことにしておき,くすんだ白のまんま作業自体はいったん終了としました. まあ,まだコーティング剤がふき取れていないので,完成写真はお見せできませんが,初めて自作したスクリーンにしてはなかなかの出来と自負しておきたいほどの完成度なのでありました.

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