キャブ大掃除(その1)

一般的にレストアの進め方としてはキャブレターっていうのは結構後半にいじることが多いのですが,今回は少々事情が違います.というのはその外観とオークションの出品状況に影響されたのです.まず今回の車体は結構汚れていまして,どこもかしこもオイルを浴びた後に砂嵐にあったような感じなのです.で,例に漏れずそのキャブレターも外観がすこぶる汚い.今まで多くのキャブレターを見てきましたがその中でも一番汚いのです.なんでこんな汚いかは追々判ってくるかも知れませんが,ひとまずこのキャブレターが使えるかどうかを判断しなければいけなかったのです.それはオークションの状況によるところが大きく,実はその時点でただでさえ貴重なザンザス用のキャブレターが結構お安く(といってもニンジャのジャンク扱いキャブレターの倍ぐらい行っていましたが)出品されていたのです.それの終了までにこのキャブレターが使えるかどうかを判断し,入札するべきかどうかを判断しなければいけないわけです.

そんなのとりあえず入札しちゃえばいいじゃん.と思ったあなた.あなたは甘い!このような状況をそのような甘い考えの下行動してしまった人の行く末がある意味現在の私であるわけで,そんなことを我慢して的確な判断の基,無駄な部品を買わないということを第一のモットーとしてやっていかなければいけないわけであります.と豪語しておき自分にブレーキをかけておくわけね...

作業です.まずタンク,エアクリボックスなどを外し,ここまではいつも通り.キャブをムリンと外したいところですが,ちょっと待って.このキャブを外してしまうと,キャブ以上に汚いヘッドカバー周りの掃除がやりにくくなってしまいます.だってヘッドカバーの上になんと1mm以上のチリのようなものが堆積していて,これを取るときにエンジンの吸気ポートが開放してあったりなんかすると,それこそエンジンを壊してくださいといっているようなもの.ここは先を急がず丹念にヘッドカバー周りをお掃除.まあ,出るわ出るわって感じでオイルの混ざったようなチリがワンサカ出たわけですが,本当にこの汚れの理由はいったいなんなんでしょうね?

さて,ヘッド周りが綺麗になって安心してキャブレターを外すことができます.で,外したキャブを見てみたらまあ汚いこと汚いこと.フロートカバーなんか外観的にはもう岩石化してしまっているような感じで,細かいところにくっついているチリは,エアをちょっとやそっと吹いただけではびくともしません.ただ,ばらしてから外観をきれいにしても内部に汚れが入り込んでしまいますので,バラす前に出来るだけきれいにしておきます.可動部以外にはパーツクリーナーを吹きかけ,ある程度綺麗にしましたが,それではまったく効果無しな感じ.こうなったら細い刷毛を持ってきて入り込んだところなんかのチリを落としていきます.内部には一応キャブクリーナーをブシューッとやってみましたが,見た限りでは固着したガソリンの汚れ,カーボンなどは頑固に残っています.こりゃ重症だわ.

それにスロットルを回しても端っこのバタフライバルブの動きが渋くて動きがスムーズではありません.動きの悪いバルブの左右の支点の部分に少し注油して何度か動かしたらスムーズに動くようになりました.まあ,いきなり改善はしたものの,同時にちょっとした絶望感を感じながらまず上部を開けていきます.出てきたのは写真のようなニードルとバルブ.バルブには茶色いタールのようなものがべったりと付いており,取り出すときにも一苦労.ニードルはごらんの有様です.幸いにもバルブのダイヤフラムに破れがなく,救いといえばこれぐらいなもの.とりあえずパーツクリーナをかけつつ表面を磨いてお掃除.

ということで上部から外すパーツはなんとか使えるかな?という状況です.でもここまででこれほどまでに清掃を要したキャブレターがかつてあったでしょうか?この先下部周りをやらなくてはいけません.あ〜あ...失意の中ここで少しブレイク.

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