現車確認

落札した週の週末,相手の方は親切にも1km100円でXanthusを運んで持ってきてくれるとのことで,午前中の到着を心待ちに待っている私がいました.程なくして相手の方が到着,1BOXの中にある車体はそれなりにくたびれていて,値段なりの状況に見えました.ひとまずラダーで車から降ろすのを手伝い,運賃を含めお金を支払い返納証明書を受け取り.取引は無事終了です.さて早速現車確認,現車確認

第一に目に付くハンドル周りです.ハンドルは純正ではないようです.一応元はゴールドアルマイトが掛かっていたようですが,紫外線でその色素はぶっ飛んでいます.で,ちゃんと固定されていないのにハンドルブレースが付いています.これは錆が出ているしそもそも必要ないものですので外すことにします.

それに鍵ですが,とても渋いです.鍵そのものが削れてやせてしまっているのもありますが,いたずらされたようで鍵穴がグチャグチャです.これもなんとかしたいところです.メーターの走行距離は約15000km.年式の割りに走っていない車体といえますが,そのエンジンの状況は未知数です.

グリップの周辺ですが,これもかなりくたびれています.まずブレーキレバーは先端が飛んでいて危険です.グリップは品のないウレタン系のグリップが付いていて,かなり磨耗しています.ふにゃふにゃしていて,乗り心地は最悪でしょう.ウィンカースイッチもなんだかクリック感がなくトラブルの予感です.

あともう一つ,クラッチレバーが握れません.これはクラッチそのものが悪いのかクラッチワイヤーか,クラッチレバーホルダーあたりが悪いのか皆目見当がつきません.これは真っ先に何とかして原因を見つけなければいけません.もしクラッチだったら前回のニンジャの例もありますし...

ライトですが,付いているのは特徴的なXanthus純正のものとは異なるものです.汎用の丸型ライトが汎用のステーでついていますが,メーターカバーを避けて付けているのでライト位置が低く見栄えが悪いのもそうですが,ロービームにしたときに手前を照らしすぎて危ない感じです.純正は2灯ですが格好が悪いと敬遠されたり,2灯の光軸あわせが苦手な人はあえて交換したりするようで,この車体も例に漏れずといった感じです.ハーネス側は2灯用の配線になっているはずですから,この荒い仕上がりを見る限りどんな処理がされているのやら.

ちなみにフロントフォークはダストシールの内側のスプリングが錆びているようで,ダストシールそのものがバキバキになっています.オイルが完全に抜けてしまっているのか,オイルにじみがないのがとても不気味です.

マフラーですが,これは純正の片側2本だしが付いています.これはある意味私のこだわりポイントだったんです.マフラーを変えるという習慣のない私にとって,この異質な形状のマフラーはある意味最大限の冒険だったわけです.

しか〜し喜んだのもつかの間,その外観を一瞥しただけでいやな予感が...オークションの写真ではわからなかったんですが,どうやらステー周りや出口がパテで埋められています.いや,正確に言うと付いているパテがボロボロになっています.

凝視してみるともう最悪.マフラーの出口から覗くとなんと地面が見えるじゃあないですか.ということで,このマフラーは使えませんので交換となります.といってもこのマフラー数がないので入手するの大変なのよね〜.時間が許せばパーツ自作してオリジナルマフラーを作っちゃおうかな?

テール周りはどうも頂けません.まず,テールカウルは3分割のつながっているべき部分が外れています.われがガムテープみたいなので貼り付けてあったりして言わば最低の扱いを受けてきた感じ.まあ外装の補修は標準仕様なんであんまり気が重くはなりませんが...

リアフェンダーは自作のぶった切りタイプのフェンダーレスになっています.これも出来が悪くって,最悪.このままでは乗れませんわな.

ちなみにタイヤですが豪勢にもマカダム100Xが前後についていて,それも7部山な感じです.ひび割れもありませんし1000RXと同じでいいんですが400ccのこの軽量車体になんでこんなに硬いラジアルタイヤ.ちょっとここも私の趣味に合いませんね.

チェーンです.これもえらく汚れています.茶色の土のようなものがぎっしり付いていてとてもこのままで走れる感じではありません.見ているだけで気持ち悪くなってくるので,オイルをつけてワイヤーブラシでそそくさと掃除し始めました.するとずいぶん経ってからですがチェーンのプレートが顔を覗かせました.付いていたチェーンはRKのゴールドチェーンで掃除が進むにつれ結構摺動も滑らかになってきました.ちょっと伸びてきているかもしれませんが,これはスプロケットが使える限りは遣うことにしましょう.

またエンジン下ですがこのチェーンと同じようにオイルの混ざった泥みたいなのが一杯付着しています.エンジンからオイル漏れしている形跡はないので,これも何故なのか解析が必要でしょう.

最後にサイドスタンドです.まああんなマフラーが付いているわけでメインスタンドは標準状態で付いていないのでそれは仕方ないんですが,何にもましてこの車体,寝すぎです.

メインスタンドのほうが車体のメインテナンスもやりやすいし,サイドスタンドはエンジンのオイルのいきわたりに差が出来るので車体が傷みやすい.それにキャブのトラブルなども車体を傾けて保管しているほうが出やすいということで,私はどうしてもメインスタンド派なんですが,ZXR,9Rなどのサイドスタンドは許容してきました.でも,このザンザスの傾きだけは許せません.サイドスタンドの根元のがたが大きいのでその点は修正できるんでしょうけど,ここもいち早く修正しておきたいところです.それにしても寝すぎなのでヤンキースクーターみたいでいやなのと,何よりも駐車しているだけで場所とる〜.

現車確認の結果,意外にも結構楽しめる車体であることがわかりました.ということで格安なイメージのあった車体ではありますが,レストアするにまた結構な手間と金額が掛かることがわかり,また憂鬱になってしまう私が居りましたとさ...

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