ブレーキ関係をまとめて

車体の保管場所からの作業場所への移動が作業の一番初めにくるわけなんですが,この車体は作業場所と保管場所にそう距離はないものの,微妙に位置を調整しなくてはならず切り返しの回数はとても多いわけです.その切り返しなど含めてとり回しでやはりブレーキがないのはとっても骨が折れるので,今回はブレーキをまとめてやってしまうことにします.

といいつつ取り回しではあんまり問題にならないリアからです.というのもこのリアブレーキについては以前ご紹介したステッププレートの入手からして苦労が絶えず,今回のブレーキに関してもちょっとした苦労があったので,それを先に紹介してしまいたかったりするのです.

まず,苦労するという点では,足りない部品の入手です.まずブレーキマスターはなんとか入手できました.それに手持ちにはないセンサーのスプリングやペダルのリンクピンなどは純正部品を新品調達したのです.しかし,その中でも重要部品ともいえるブレーキペダルが全然出品されていないのです.しばらく時間をかけてウォッチしていたのですが悪いことに1か月間まったく出品されません.唯一出品されているのは例の高額なステッププレートにくっついて出品されているものが1点のみ.

なので,ここは思い切って他車流用です.ひとえにブレーキペダルといっても,他車の流用を検討する場合,その長さ,シャフト位置の左右オフセット量,マスターのロッドとのリンク位置,スプリングの受けの位置などが適合しなければいけません.ネットに上がっているザンザスのステップ周りの写真を手掛かりに主にカワサキのバイクで候補になりそうなものを探します.候補としてはステップの根元に支点があるもので,マスターシリンダーが少し後傾して付いているものが有力です.バイクの車体の写真をネットでいろいろ見た結果,ZXR250あたりが候補になりそうです.なのでZXR250の年式はわかりませんが,ブレーキペダルをそれなりの金額で落札しました.

キャリパーについては以前から便利に使わせてもらっている千葉近郊のパーツ屋さんでほかのパーツを同時落札したものを購入してあったので,それを使うのですが,残念ながらパッドは付いていませんでした.なので,パッドについては新品を調達.といっても高いのはダメなので今回も送料込で1000円以下の中国製を購入.そういえば,前回のザンザスの時はフロントでパッドがダメダメすぎて追加工する羽目になってしまいましたが,今回はどうなることやら.

ということで装着してみました.心配されたブレーキペダルも,純正品と見間違うばかりにすっきりと収まっています.心配したブレーキパッドも前回のフロントのようなことはなく,ちゃんと穴のピッチは正しく開いていました(笑).エア抜きも順調で,ホースが純正のまんまなのに,かなりかっちりしたフィーリングで仕上がりました.あともう1点苦労した点といえば,ブレーキセンサーは手持ちにあったのですがセンサーブラケットがなく,在庫にあったGPz400Rあたりのを先の部分をぶった切って穴をあけなおして取り付けています.ということでリアブレーキは終了.

次はフロントです.ザンザスのフロントブレーキはZXR250あたりと共通のキャリパーらしく,すごく華奢です.そのせいか採用されている機種は少なく,ヤフオクでも流通量は少なめです.この車体にはフロントブレーキは付いていませんでしたので,ヤフオクで入手しましたが家の中での保管場所が確保できないため一旦車体に付けたものの,錆などもひどく一度手を入れてやる必要がありそうです.

なので,せっかく車体に付いているということでブレーキマスターにブレーキオイルを入れ,エア抜きをしてほぼ固着してしまっているピストンを出して,側面を磨きます.片押しとはいえ2つありますのでもう一つのピストンを出てこないように算木を挟んでおき,清掃するピストンを出しては少し回転させて清掃して戻しというを繰り返し,行います.これでピストンの動き自体はかなりスムースになりました.

キャリパー本体はOKになったので次はブラケットです.ブラケットは左右ともこんな見た目であり,パッドのスライド固定させるシャフトが錆び錆びです.なぜだかキャリパー側に刺さるほうにも錆が浮いていて,ゴムブーツに穴でも開いているのかなと思ったのですが幸いにも穴は開いていませんでした.これらを錆落とししてペーパーで180#とかから磨いていき,平滑にしていきます.錆びている部分は適当に錆を落とし,つや消しの黒で塗装しておきます.キャリパーに刺さるシャフトについても清掃し,グリスを塗りたくってキャリパーにセットしておしまい.こちらはキャリパーにくっついてきた中古のパッドがありますので,これをそのまんま流用します.

エア抜きは先ほど済んでいるので,キャリパーをセットしてブレーキレバーをにぎにぎしてタッチが戻ったら,マスターのリザーバータンクに適量のブレーキオイルを入れて作業終了です.ちなみにブレーキホースは手持ちのホースの長さを少し短くして片側のフィッティングのオリーブだけ入れ替えて作ったものです.少し長さに余裕を付けすぎたかもしれませんね.ともあれ,こうやって全景を見てみる限りフロント周りは進捗約半分ってところでしょうか.いろいろ地味な苦労がてんこ盛りですね.痛感します.

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