シュラウド部分の補修

ザンザスはそのデザインの特徴として,目立つところでは

 ・ネイキッドでありながら2灯式ヘッドライト
 ・2本出しマフラー
 ・ラジエター横のシュラウド

の3つがあげられると思います.その3つ目はいろいろ賛否が分かれるところで,転倒した時にラジエターを保護する役割を果たしているという反面,転んでも結局ラジエターまで逝ってしまうことが多いということで,せっかく軽量を誇った車体なのにということでネガティブな意見も多かったりします.

で,この元車体はどうなっていたかというと,左シュラウドは削れは多いものの曲がりはないものの,あまり綺麗ではなく黒く塗装されていたりします.右シュラウドは存在そのものがなく,フレームに取り付けるブラケットはシュラウドを取り付ける部分が根こそぎ割れて喪失してしまっています.悪いことにこの時点でこの右シュラウドは左シュラウドよりも出品が少なく高価になっていました.なぜそのような差が発生するかについてはやはりそのフレーム直付けか,ブラケットを介して付けられるかの違いがあると思います.フレーム直付けになっている左側は取り付けられる相手はフレームになっています.対して右側は上はフレームですが下がブラケットなので,転倒した時にブラケットが破壊してしまえばあとは自由に回転してしまい,極度に曲がってしまったり,破壊しやすくなるわけです.

ちなみにこのブラケット,何のためにあるのか考えてみましたが,エンジンのヘッド脇を両側から止める時の寸法上の調整の役割をしているようです.そういった事情もあり,このブラケットも単体出品はなく,フレーム付属しているもののみが高額で出品されています.そんなのフレームを買いなおすことになるわけでコスト上も保管場所の都合上もとても買えませんので,何かしら考えなければいけません.

で,ひとまずブラケットについては現実逃避してシュラウド(ラジエターカバー)に注力します.まあそんな安価ではなかったものの少し予算オーバーする感じで右側が入手できたので,これを使えるようにします.まずはディスクグラインダーに塗装剥がし用の荒研磨シートを付け,削れている部分も含め根こそぎ削っていきます.だいたい表面が平滑になったところで記念写真を一発.

続いてミッチャクロンマルチ,日産GTRのグレーメタリック,クリアとの重ね塗り,最後は少しつや消しクリアを吹いて写真のような状態になりました.まあ傷を補修するのをとにかく削る方向で補修したので少し凸凹した部分がありはしますが,まあまあの出来です.

さて,結局シュラウドを仕上げるまで時間をかけてもブラケット単体の出品はなく,入手のめどは一切立っていませんでした.しかしエンジンを止める側の部分はちゃんと残っているので,今回は無理を承知でシュラウドの取り付け部分のみを補修で再現することにしました.使用したのは以前入手したブレニー技研のGM5520という金属補修剤です.

単にねじの部分まで金属補修剤で復元してしまうと,シュラウドを止めている力ですぐにバカになってしまうでしょうから,今回はこのねじはナットを埋め込んでその周辺をこの補修剤で埋めて強度を出すことにしました.まあフレームにエンジンを止めている機能としたら不十分でしょうけど,シュラウドを留めているだけならば十分な強度を発揮してくれるものと期待しつつナットの位置を治具で固定してこの補修剤を少し盛って,乾いたら少しまたもってを繰り返しながら造形していきます.

さて,出来上がりはあんまり美しくないので写真はありませんが,約2週間硬化させてからこのブラケットをフレーム,エンジンに取り付けて,その上からシュラウドを取り付けます.最初はあんまり力を入れずに固定していきますが,かなりな力をかけてもナットが空回りすることはなく,なんとかシュラウドの固定に成功しました.

まあ1本は他にねじがあるし,回り止めと考えたとしても十分に機能してくれそうなので,あとは走行できるようになったら少なくともこまめに確認していきなりペッキリということがないように確認をしておきたいところです.ははは.

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