キャブレター(その2)

車体についてきたせっかくのキャブが実は使おうとするとどうあがいても高額出費を伴うことが判明してしばらく,策を練っておりました.で,やはりという感じですが他車流用ということが最有力.対象車はGPz400ということになります.で,このGPz400用のキャブレターも実は結構高額流通商品でして,程度の良いものは10000円を超えてきます.そんなのは狙えないので,程度が悪そうに見えて手間をかければ使えそうなものを狙ってヤフオクをしばらく徘徊していたわけです.

そんなこんなで見た目が悪く,出品者のコメントも品質に自信なさげな一品をどうにか落札.それでも予算はオーバーしているのでやはりGPz400のキャブレターといえど相場は高騰しかかっているのかもしれません.まあ確かに見た目はキャブレターボディの中に腐食がはびこっており,芳しくはありません.一応欠品は無いようで,バキュームピストンもクリーナーを吹いて少し竹べらで押し上げてあげたら動くようになりました.ちゃんと戻ってきますのでz550GPのキャブのようにダイヤフラムのゴムが硬化,崩壊しているようなことはなさそうですが,まあとにかく開けてみないことにはわかりません.

あと気になったのが他にパーツを買わなくてもポン付けできるかですが,これは実際車体に載せてみました.エアクリーナー側のインシュレーターは元々エアクリーナーボックスについてきたものは硬化しまくりでしたので,このGPz400用キャブを落札した時に同時購入しました.したがって恐らくそのまま使えるでしょう.もし素直につかないとしてもエアクリーナーボックス側を改造することはそう難しくはないと考えましたので,問題はマニホールド側になります.一応写真の様にキャブをあてがってみたところ,径,ピッチ共に問題なく嵌ることが確認できましたので,さらなる購入部品があるかどうかは開けてみて決めることになります.

早速車体から下し,フロート室をあけてみた写真がこれです.まあニンジャで以前こんなのやったことあるかも?というレベルで,かかる手間を考えるとちょっとくらくらしてきます.フロート室の上側にも腐食が見られ,これは水蒸気が結露してこうなったんでしょうね.恐らく水の混ざったガソリンがフロート室に長期たまったまんまで,このような状況を生み出したものと思いますが,これを見てここからレストアしようと思う人が全体の何パーセントなのか,興味があるところです.

ちなみにこのような古くて程度の悪いキャブは一度もあけられたことが無く,ネジが固着しているケースが殆どです.私の場合は,写真のようなショックドライバーを主に使いますが,ひとまず上下残部のネジ32ケを一気にこのドライバーで緩めることから始めます.ここで緩まないものは大体ネジの頭がバカになってしまったり,ネジが折れたりします.そうなるとバイスクランプや先端の細いプライヤで無理矢理ネジを回すことになります.今回はこのネジがバカになってしまったのが全体の3/4程度あったので,結構時間が経ってしまいました.

ちなみに写真の下の方にあるのがスロージェットを緩めるドライバーです.通常のドライバーの幅をスロージェットが入っている穴より小さくなるように削ってあり,ほぼ専用工具となっています.スロージェットについても同じく緩んでくれないものがありますので,ショックドライバーに添付されていた小さめのマイナスのビットも同じく左右の幅を詰めてあります.従って通所作業では先に4か所ともこのショックドライバーで緩めてからこの青い柄のドライバーで緩めるといった寸法です.

あと写真の解像度が悪いですが,精密ドライバーみたいなのは元々ドライバーであったものの先端を平坦に加工して,フロートピンを打抜くために使っています.新しいキャブは大概ピンは隙間ばめになっているのですが,古いモノは圧入になっていたり,程度が悪いと打抜かないと抜けてこないケースがあるので,必須の工具と言えます.まあこんな感じで工具も改造してなんとかキャブの分解を時間がかかってもやっつけてしまえるようにしています.

ここまで,脱線してしまったりもしたので長くなってしまいましたね.続きは次回ということで.

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