キャブレター(その3)

さて,z550GP純正キャブをGPz400のキャブで代用するの巻でいうところのその2です.まあモノの程度が悪いのは承知の上で,少なくともバキュームピストンがスムーズに動くぐらいは改善したかなといったところですが,引き続き行きましょう.

下周りの分解が済んだところで前回終わりましたが,今回はそこから取り外したパーツを一通り洗浄するところからです.まあ混入を防ぐため4気筒分個別にやりたいんですが,一応すべてのパーツをフロート室に入れてひとまずは全部番号を覚えて置き洗浄層の中へ.タイマーを掛けて始動したら見る見るうちに洗浄水が写真のような状態になりました.幸いにもタールのような沈殿物がほとんどなかったので,錆び,腐食に該当するような部分はこの洗浄層の中でほぼ除去することができましたが,それでもジェット類のつまりは取り切れていません.

従って,この後メインジェット,スロージェット,フロートバルブなどを個別に清掃です.特に今回スロージェットの目詰まりがひどく,いつものようにハーネスで使っているケーブルから取った銅線を2本撚って根気強く洗浄しては腰の無い銅線を突っ込んでを繰り返しでようやくすべてのジェット類,フロートバルブを清掃し終わりました.ここらへん今後銅線とか使うんではなく,もう少し使い勝手の良いツールを用意したいところです.

次に上回りです.バキュームピストンを抜いてみて,すべてのゴムが破れや硬化が無いことを確認してにんまりした後は,そのバキューム室側の汚れをなんとかします.というより,この部分の汚れはチョークが閉まりきっていない状態に加えて負圧ガソリンコックが漏れている場合に見られる現象で,それも腐食具合からいくと相当な期間その状態で放置されたり走行したりを繰り返していたものと思われます.今までこの部分がここまで腐食しているものは見たことがありません.その証拠にこのキャブ,チョークが固着して一切動きません.ここらへんは普段はあんまりやらないところですが,チョークが固着していて,このバキューム室の汚れを見たならばなんとかしないといけないわけです.

さて,キャブの連結板を外して個別にしてしまうと,その連結パイプのOリングが全交換になってしまうので極力ばらしたくない私は,このチョークの修理というのは初めての経験です.どうやってチョークピストンを抜こうか考えていたのですが,チョークレバーのプレートを外したらちょっと狭いところではありますがピストンの六角形状の部分をちまちまとスパナで回したら,取れそうです.あとは固着をどうするかということになります.これはとにかくバキューム室側のピストンの横っ面が見えている窓からCRCをぶっかけて,チョークピストンの後ろにあるフランジにドライバを当てて引っ張ったり押したりを繰り返してなんとかチョークピストンを摘出することに成功しました.あとはチョークシリンダの中とピストンをとにかく清掃してから組み付け,スムーズな動作を確認して終了です.

あとは全体を組み付けるだけなんですが,このキャブ,やっぱり今までの以下なりキャブよりも手ごわいです.それを感じたのはフロート室のゴムパッキンを新品に交換するため除去するとき.写真のような感じでことごとくバリバリになっています.今までは大体ひどくっても3分割ぐらいにちぎれて摘出されることはありましたが,ここまでひどいのは初めて.あまりにも溝が汚かったので,つまようじできれいにした後もう一度超音波洗浄を掛けたほどです.

とまあ苦労して最終的には使えそうなキャブレターといって良い状態にまでかろうじてもってきました.あとは車体に付けるだけですが,これは次回といたしましょう.

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