フロントブレーキキャリパー(その1)

キーがついて保管の不安は徐々に減ってはきましたが,車体のちょっとした取り回しもフロントブレーキがないとやりにくくて無駄に体力を消費してしまいます.今回はこれをどうにかしたいということになります.

このz550GPはホース,ブレーキマスターはあるのですが,ブレーキキャリパーが他車へ流用されてしまったようです.で,ひとまず入手しやすいz400GPのキャリパーのお値段を調べたところ,大体6000円〜10000円弱という価格帯で,とても私の購入できる代物でないことが判明しました.しょうがないので他車流用を考えたのですが,パッと見GPz空冷やニンジャのものが流用できそうに見えましたので,手持ちのニンジャ(前期)のものをひとまず当ててみました.するとスラスト方向の位置は10mmぐらい違いますが,キャリパーステーのネジ穴は片方はそのままいけそう.もう1方は全然ずれているのですが,幸いなことにちょうどフォーク側の取り付け穴の部分にキャリパーステーの逆サイドで使用するときに使うネジの下穴がドンピシャ.ということは少なくともスペーサーをかましてこのニンジャ前期型のキャリパーステーを使えばなんとかキャリパーが取り付けられそうということがわかりました.

そうと決まれば早速作業です.まずキャリパーステーの取り付けネジがどのようなサイズか確認してM10x1.25のタップセットを購入.このタプセット,通常の1番〜3番ではなく,M10のピッチ1.0,1.25,1.5の3種がセットになったもの.しかもタップのみならずダイスも3種ついてきて,メール便なら送料込1500円以下はなかなかお安いですが,品質的にはどんなもんなんでしょう.案の定オークションの説明文にはやわらかい金属にだけ使用してくださいというような遠慮がちなコメントがあったりします.

で,ひとまずテストということで,本来は加工の必要のない逆サイドのシャフトに近い側にタップを切っていきます.ステーのプレート部分を万力に挟んで,ボール盤を手で回してタップを押し付けて案内を作ったら,あとはハンドタップです.でもこれが固いのなんの.短いタップハンドルではもう掌が痛くなるほど.いくらタッピングプオイルを供給してもはじめの1発目は軽いのですが2発目以降が重い.ようやく1穴開けてタップの刃を見てみましたが奇跡的に刃こぼれなどはなく,これで本番に臨みます.

ところが本番の穴はテストとは違い,結構軽くタップが通っていきます.まあ慣れたというのもありますが,明らかに材料の違いがあるようです.良く考えたら,このパーツ,シャフト部分は耐摩耗が必要ですが,他の部分は不要です.そのような都合上部分的な熱処理が加えられているようで,シャフト周辺はその影響で硬くなっているようです.ということで2本の本番タップを明けたら,一応錆が出ていたので部分的にさび落としして塗装をしておきます.

さて,あとはキャリパーです.でもこのキャリパーステーがついていたキャリパーはニンジャのA3〜A6のものらしく,塗装が銀色になっています.ちょっと黒いフォークボトムに銀色を付けるのも純正っぽくなくていやだなと思っていたのですが,ちょうどそのころGPz1100の方でホースが欲しくて入手したブレーキキャリパーがありました.測定してみたところ,外形はニンジャ前期のものとほぼ同じで,シャフト間隔,ポッドの位置も問題なく今回製作したキャリパーステーに取り付けることが出来そうです.したがって,これを流用して今回は純正チックな仕上がりにこだわることにしましょう.

さて,ここらへんで長々と来てしまいましたので続きは次回でございます.

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