並行輸入自動車届出

キャブレターで頭を悩ましている状況で,ある意味頭の中をリフレッシュして対策を練るために,ここで組立作業は小休止です.というのもこの車体はいつもと違って車検を取る前にやっておくことがありますので,作業が暗礁に乗り上げたここで対応してしまおうと考えたわけです.で,早速自動車検査法人のwebへ.いろいろなQ&Aに加え,「審査事務規程」を読み,今回のような改造していない並行輸入車は新車,中古のいずれも下記の書類を用意して,自動車検査法人への届出が必要なようです.

・並行輸入自動車届出書(自分で作成,以下は本書類の添付資料)
・諸元表(カワサキのお客様相談室から入手,コピー可)
・エンジン,フレームNoの拓本
・車体の4方向からの写真
・通関証明(車体と一緒に入手:コピーを提出)
・現地タイトル(車体と一緒に入手:コピーを提出)

ということで,まず自動車検査法人のwebのエクセルの届出フォームをダウンロードして書類を作成していきます.書類をそのままエクセルでアップするのは恥ずかしいので,申請者住所や氏名なんかは除いて項目ごとに参考になりそうな記入内容を列挙していきます.まず<第1号様式(その1)>から.

・車名及び型式:カワサキ / KZ550H
・種別:小型  ・車体の形状:オートバイ  ・用途:乗用
・指定自動車等との関連:無 (あとは無記入)

さて,次の<第1号様式(その2)>については諸元がわからないと記入できませんのでカワサキのお客様相談室からフレームNoを伝えて諸元表を入手します.またGPz1100空冷の時のようにFAXがないと受け取れないので,うちに年代物のFAXがまだ稼動中なのはもっけの幸いです.ということで<第1号様式(その2)>は諸元表を見ながら次のように記入しました.

・長さ:2180cm ・車両重量:210kg ・原動機の型式:KZ550DE
・幅:720cm ・乗車定員:2人 ・原動機の総排気量:0.55リットル
・高さ:1180cm ・最大積載量:-kg ・燃料の種類:ガソリン
・軸距:1450cm ・車両総重量:-kg ・タイヤサイズ:F 100/90-19 R110/90-18
・変速機:手動(足動) ・減速比: 2.934 (27/23x65/26) ・最高出力:60PS/9500 kw(PS)/min-1(rpm)

で,中間の枠には車体,エンジンの解説が必要になりますが,それぞれ下記のように記入しました.

車体:
<カワサキお客様相談室資料より>
 ・通称名:Z(KZ)550GP
 ・形式:KZ550H
 ・モデルイヤー:1983年
 ・仕向け地(車体番号より):米国(U)
 ・打刻位置:ステム右
 ・拓本貼付:最終葉に添付

原動機:
<カワサキお客様相談室資料より>
 ・空冷4ストローク並列4気筒DOHC2バルブ
 ・最高出力:60馬力 / 9500回転
 ・最大トルク:4.9kgf-m / 8500回転
 ・打刻位置:クランクケース上面右
 ・拓本貼付:最終葉に添付

ちなみに下の排ガス,騒音防止については未記入のまんまです.次に<第3号様式>ですが,ここは簡単.

・内径D:58mm ・行程L:52.4mm ・気筒数N:4

で,あとは計算するだけです.ちなみに計算結果は0.553リットルで有効数字から0.55リットルとしました.引き続いて,改造なしのバイクということで様式の4,5は不要で,お次は<第6号様式>です.ここはちょっと項目が多いですが諸元表などから記入します.

<車両諸元概要表(二輪車 ・ 側車付二輪車)>
 ・車両重量/ 前軸重:101kg 後軸重:109kg 計:210kg
 ・車両総重量/前軸重:不明kg 後軸重:不明kg 計:不明kg

<原動機>
 ・気筒配列及び気筒数:直列4気筒 ・内径×行程:58mmx52.4mm
 ・無負荷回転速度:1000min-1(rpm) 

<燃料装置> ・燃料タンク:容量18.5リットル
<動力伝達装置> ・駆動方式:チェーン式 ・変速機操作方式:足動式
<走行装置> ・タイヤのリム/前輪:アルミ, 後輪:アルミ(幅は未記入)
<施錠装置> ・形式:ハンドルロック
<制動装置> ・主ブレーキ形式 前:ディスク 後:ディスク
<作動系統及び制動車輪>:系統 マスタシリンダ形式:シングル
<制動停止距離>:13.5m (50km/h)
<緩衝装置>前輪:テレスコピック 後輪 :スイングアーム
<乗車装置>座席: またがり式
<騒音防止装置>消音器 : 個数 主2個 副0個
<排出ガス発散防止装置> ブローバイ・ガス還元装置形式:クローズド式
<灯火装置等>
 ・前照灯 : 1個 白色60/55W
 ・番号灯 : 1個 白色8x2W
 ・尾 灯 : 1個 赤色 105p2 8x2W
 ・制動灯 : 1個 赤色 105p2 23x2W
 ・方向指示器 :前面 2個 黄色 30p2 23W :後面 2個 黄色 30p2 23W
 ・後部反射器 : 赤色 16p2
<計器> 速度計 : 性能0 〜 140 km/h

です.ここに書いていないのはとにかく未記入か斜線ですので,これで行けるかどうかはある意味賭けではあります.ということで書類の方は終了.

拓本の方は紙をそれぞれフレーム,エンジンの刻印に押し付けて取りましたが,フレームは曲面になっていてむつかしいですし,エンジンの方はエアクリーナーボックスの下に入り込んでいてこれまた綺麗な拓本として取れません.何度かトライしてようやく判読可能なように拓本が取れました.コツとしては鉛筆についてはBより柔らかい鉛筆であまり強く押し付けず,紙は逆にしっかり当てておきます.周りの部品はできるだけ手や鉛筆に干渉しないよう話しておくか,鉛筆のパスする経路をしっかりシミュレーションしておきます.まあ,そこまで気合入れなくても良いのかもしれませんが,やっぱり拓本が読めないとかで書類が突っ返されるといやですからね.自然に完璧を目指してしまいます.

あと,車体の4方向からの写真ですがキャブは元々ついていたものをインシュレーターをつけない状態で適当につけて,タンクも載せるだけは載せて添付のような写真を撮りました.まあパッと見完成していそうでありつつキャブをはじめまだまだやることがいっぱいあるので,自分で撮っていて少し空しい感じがします.

書類が一通りそろったところで運輸支局にある自動車検査法人の窓口に提出します.例によってラインが終了した午後4時半以降に受け付けてくれますので,ゴールデンウイークの中のウィークデーの午後,少し早くいって窓口が空くのを待ちます.一応担当官が戻ってきてすぐ内容を確認してもらい,受領してもらえたので,あとは査定が下りるのを待ちます.だいたい1週間とちょっとかかるとのことでしたが,あいにく日中はかみさんもその後の週留守がちであったので留守電にも査定完了の知らせが入っていませんでした.もしや書類NGで止まっているのでは?と心配になりましたが,といっても車体の方はまだまだ出来上がりませんでしたので,まあ焦っても無駄だわと思い,約3か月経ったところで電話してみました.車体番号を知らせて確認してもらったところ,査定は既に下りているとのこと.

ということで初めての平行輸入自動車届出は完了.あとは車体をなんとかするだけなんですが,これがまた大変そうだな〜.本当に完成するのかしら.

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