キーを付ける(その1)

車体の入手金額も私にとっては破格な今回のz550GP。まあ昔は盗難車と言えばCBXかGPかと言われるほどの盗難確率の高かったz400GPと同じなので、キーのないまま盗難対策もなく停めておくのは精神衛生上よろしくないわけです。まあU字ロックはしていますがハンドルロックもない状況では、もはや盗んでくださいと言っているようなものなので、早急に対策です.

まず、肝心のメインキーですが、これは本来はまったくもって簡単なはずでした。いうというのも手持ちのニンジャかZX10かそこらへんの7ピンのイグニッションスイッチがそのまま使えるはずなのです。でも今回キーを1本にしたいと思いましたので、ここは少し工夫することにしました。まずタンク、シートロックについてはキーシリンダ本体はあります。ただ、ヘルメットホルダーの2つが無かったので、これとメインキーがセットになっていて互換のありそうなものをとにかく探すことにしました。で、ヤフオクの出品を片っ端から見て行ったところ、メジャーなところではGPZ400RとFX400Rとかが同じメインキーとヘルメットホルダキー2ケを含むセットになっているようです。で、幸いにもその2車のうち多少不人気のFX400Rのキーセットが安価に落札できたので、それを流用することにしました。

到着してまずメインキー取り付けて、トップブリッジカバーをいい加減にきれいにして取り付けて、ハンドルロックがちゃんと効くことを確認。これでひとまう盗難対策という本来の目的は果たせました.これで一安心。あとは他のキーです。

まず一番難航しそうなところでシートキーからです。これはマイナスドライバーで開いてしまうようになっていますが、このような経緯を踏んだキーシリンダーは最悪使用できない可能性があって、この段になってこのタイプのシートロックキーシリンダーを購入したほうがよいかなとか思ってしまったりしています。でも一応最悪でもちゃんとあたって砕けないと気が済まないので早速作業です。

とにかく中身がどうなっているか確認するためにもはじめにシリンダーを抜いてしまわないといけないのですが、このタイプは側面からシリンダーに抜け止めのプレートが刺さっていて、そのプレートがキーシリンダー本体にかしめられています。かしめをなんとかしないといけません。

で、このカシメをマイナスドライバーで引き上げて拡げて、そのストッパプレートを隙間から引きづり出したところ、キーシリンダーが抜けてきました。で、ここからが大変。キーシリンダーは案の定1枚1枚のキープレートが変形してしまって、簡単には抜けてきません。恐らくマイナスドライバーを突っ込んで無理矢理回しただけのようで、キープレートと一緒にキーシリンダーも多少変形して凹凸ができているようで、全体の内2枚は引っ張っただけでは抜けてきません。

引いてもダメなら押してみなということになりましょうが、あいにく後ろから叩くと余計変形を強くしてしまうようで、ダメ。プレートが面方向に波打っているようなときはラジオペンチが届く範囲でその変形を修正したり、溝の形状に対して変形が刺さるような感じになっていたり、スプリングが変形して抜けてくるときに引っかかっているのを先にスプリングのみ救出したりと様々な手を打ってなんとかすべてのキーを除去しました。抜けてきたキープレートはもう破断してしまっていたり奇想天外な形状に変形してしまっています。ためしに手持ちのキープレートを入れてみたら、入りにくかったり抜けにくかったりします。これではこのキーシリンダーは流用不可。

それではしょうがないので、キーシリンダーのプレートが入る角穴の内側の変形して出っ張った部分を削っていきます。モノは亜鉛とかですし、出っ張った部分もごくごく限られた部分なので比較的簡単に削れますので、プレートを入れては感触を確かめてスムースに動くのを確認して全てのキープレートの穴の研磨終了。あとはメインキーのキーを挿してみて手持ちのキープレートからちょうど合うプレートを1枚ずつ入れていってグリスアップした後、シリンダーを本体に組み込んで爪の動作を確認。シートロックキーシリンダーはこれで終了。

さて、キーということではまだありますが続きは次回です。

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