なぜz550GPなのか?

旧車はやるまいやるまいと思いつつ,なかなか手掛けたい新しい車体というのに巡り会わず,ついに今回も旧車にカテゴライズされる車体に手を出してしまいました.z550GPです.z550GPというとz400GPのスープアップで輸出仕様しか存在しなかったモデル.実際スープアップというか正式名はわかりませんがz500FXという車体もあったみたいなので正確には400ではなく500のスープアップエンジンなんでしょうけど,まあそんな程度の知識で手を出してしまうあたり,無計画というかなんというか.まあGPz400F,GPz400といった流れで当然z400GPとなるところを天の邪鬼にz550GPになったというのが一番の理由でしょうか.

まあz400GPについては別のページで紹介しましたが,高校のときの宿直のお兄さんと大学の友人が乗っていたということで比較的なじみの深い車体であることは間違いなく,パーツが高騰しているという事情さえなければGPz400よりもさきにz400GPを手掛けていたかもしれません.まあ部品の共通具合でいくとGPz400は意外にもz400GPとの共通部品が吸排気系や電装系で多く存在し,外装やフレーム,足周りを除くとGPz400はGPz400Fよりもむしろz400GPに近いよりという人もいるぐらいですから,GPz400を手がけたことでかなり精神的なハードルが下がったというのもあります.さて,そろそろどのような経緯でこのプロジェクトが始まっていったのかをご説明するところから行きましょう.

時期的にはそろそろGPz400の部品がほとんど車体に組み付いてひと段落した状況で,それなのになぜかGPzシリーズのウィンカー,特にリアウィンカーが余っていました .なんで余ったかはいつもの在庫があるのを忘れたとかつまらない理由だったと思います.で,また悪いことにこれを利用して組めるお気軽な車体はないかなんて考えてしまったのです.Z1000Rとかz1100GPとかはもうパーツが高い上に入手が大変でとてもそんな軽い思い入れで手を出せる代物ではありません.GPz750あるいはGPz750Fもいいかな?とは思ったのですがやはりパーツが入手できそうにない.GPz400,GPz400Fはそれぞれ1回やっているので候補にならないとして,z400GPはどうかな?なんて思っていたのです.でもGPz400からz400GPというのもなんだか安易な感じがして,パーツが異様に高騰していることもあってなかなか触手が伸びなかったのです.

で,そうこうするうち部品ではなく部品取り車のところを徘徊する私の目に飛び込んできたのが,z550GP.出品地は千葉で,質問の応対を見ていたら近場は安価に運んでくれるというようなコメントもあります.でもいかんせん値段が高すぎ.部品取り車として私の基準では破格の値段となっており,とてもとても購入に踏み切ることはできません.

でもその値段が高いのが災いしてか,3回ほど流れて一旦出品が途切れました.あ〜手を出さなくってよかったと自分の勇み足が出なかったことを鑑み,自分で自分をほめてあげたい気持ちになっていたのです.で次の日,そのz550GP,今度は10000円値段を下げて再出品されたのです.はじめは1万円ぐらいじゃ事情はそうそう変わらないと,ウォッチリストから外してしまおうかとか思っていたのですが,また下がったら落札者がでるかもしれないので相場を知る上でもということでそのままウォッチを続けることにしました.特にその時期うちの不動車を合わせた駐車スペースが満車であったので,よくよく考えると購入しても場所がないわと全然購入の意思はなかったりしたので,本当に値段が下がってもウォッチしかしていないという気分だったのです.

そんなこんなでディスカウント後1順目でも買い手がつかず,相変わらずこちらもウォッチだけしている状況だったのですが,どうも2順目あたりからむずむずしてきました.なんだかその車体がかわいそうになってきたのです.このまま流れ続けるとどうもばら売りされてしまうかも?と思いだしたのです.で,その駐車スペースを占有している1台が結局エンジンを下さなければいけないことがわかっており,それならばエンジンを下している間はこの車体が置けるじゃないとメチャクチャなことを考え付いたのです.私の性癖上,無茶苦茶なアイデアは形にせねば気が済まないのでもうこんなことを思いついた日には後戻りができなくなってしまいます.結局のところ他の応札者がいなかったのは不幸中の幸いですが,開始価格で落札してしまったのです.

落札して,出品者の方が運搬していただく算段が取れ,その日の午後にも車体がやってくるというとある休日.朝からその場所を開けるために1台を分解します.まだ夏の暑いさなかであったので,大汗をかきながら刻々と期限が迫る中で作業を進め,ようやく場所が空きました.その1時間後,出品者の方が到着.なんとか無事にその場所に車体を納めることができました.1点だけ目論見と違ったのが,その車体は輸入されて一度も国内で登録されたことがない車体であったので,現地タイトルとかの書類しかなかったことです.これにはちゃんとカワサキが何年ぐらいに製造したこの車体であり,そのスペックを明らかにしたうえで,この車体がそれと現物が相違ないということを証明してからの登録となります.あ〜,結構面倒くさそうだな〜と思いつつも,逆に新しいことにチャレンジできる課題が増えたと前向きにとらえる私.

ということで丸車を買っての取り組みながら結構楽しめそうということで,いろんな意味で期待の持てる企画スタートであります.

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