タペット調整(その2)

さて基準タペットシムが4枚届きましたので次の週末に作業を再開します.

まずカムカバーを外したあとは,カムチェーンテンショナーを外します.z55GPの場合はオートテンショナーになっていまして,車体の前後方向に直接テンショナーを押すスプリングが入っており,そのお尻側に先端がテーパになっているシャフトをこれまた後ろからスプリングで押すといった格好です.まあ今主流のラチェットタイプでは装着のときの作法が面倒だったりしますが,このテーパ面で合わせるタイプは感覚的には信頼性がイマイチな印象ですね.ここらへんニンジャでも前期,後期でテンショナーが変わっていたりしますので,カワサキはテンショナーについて当時かなり苦手意識があったのかもしれません.

まず吸気側のクリアランスが0であったところのタペットホルダを抜いて基準タペットシムを挿入します.マグネットを使って抜くんですが,マグネットの磁力が弱くなかなか出てこないところもあって大変でしたが,なんとかタペットクリアランスがすべての場所で測定できるようになりました.しかし,このままカムシャフトを締めこんだらピストンとごっつんこしてしまいますので,ちゃんとタイミングを合わせなければいけません.サービスマニュアルによると,ポイントのTマークを合わせて写真のように合わせるのが正解とのこと.それにしてもいろいろな車種でこのカムシャフトのギアは共通ならしく,いろいろ浮き彫りで表記があって間違いやすい感じです.気を付けたいところですね.この状態でテンショナーを入れてクランクを回しながら測定します.その結果,下記のようになりました.

バルブ #1OUT #2OUT #3OUT #4OUT #1IN #2IN #3IN #4IN
シム厚初期値(mm) 2.55 2.50(2.00) 2.45(2.00) 2.45(2.00) 2.55(2.00) 2.65 2.50(2.00) 2.60
タペットクリアランス初期値(mm) 0.15 0.00(0.45) 0.00(0.25) 0.00(0.35) 0.00(0.45) 0.05 0.00(0.40) 0.10
狙いクリアランス(mm) 0.25 0.25 0.25 0.25 0.20 0.20 0.20 0.20
所要シム厚(mm) 2.45 2.20 2.00 2.10 2.20 2.50 2.20 2.50
購入 / シム流用元 #3OUT 購入 そのまま 購入 購入 #3IN 購入 #2OUT

まあ測定値は狙いの計算が簡単になるように0.25は0.23-0.28までとか丸めていますが,#3OUTにおいて2.00シムがそのまま使えるほどになっていたのは驚きです.このエンジンかなり距離を走っているのでしょうね.ということで流用できるシムはできるだけ流用するということで購入するのは2.20が3枚,2.10が1枚ということになりました.あ,そうそう.あとヘッドカバーガスケットも購入しておかないといけませんね.

さて,ここでまた購入したシムなどがが到着するまで待つ必要がありますので続きは次回ということになります.ここらへんやっぱりシムよりもネジで調整できるニンジャとかのほうが楽ですね.簡単にくるってしまうとかヘッドが多少大きくなってしまうとかあるんですけど.

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