なぜ今更ゼファーなのか

GPZ900Rニンジャは排気量別にいえば,リッターバイククラスの中で売れ線中の売れ線といえます.で,中型の範囲で言えばカワサキの売れ線といえば,ゼファーかGPZ400Rということになります.しかし今までやったカワサキ400といえばザンザスかGPZ400FまたはFなしということである意味月間売り上げでトップになった型式には今まで取り組んでこなかったという歴史があります.これは単にGPZ400Rはまだ弾数があって,いつでもできるだろうということと,ゼファーもそれと同じだったのですが,そうもいかない事情が発生してきました.というのもゼファーについてはマニアな方がいらっしゃるのと旧車会やそれから派生したような流行のような形で人気が再燃してきているのです.で,ゼファーについてはやはり避けて通れないという考えのもと,種車さがしを開始したというのが事の発端であったりします.

しかし実のところ私はGPz400Fに19のころ乗っていましたし,昔の思い出のところでも少し書きましたが,カタログスペックでしかバイクの性能を判断していなかったようなボンクラであったことからGPz400Fの最終モデルである54PSに対してゼファーの46PSというのはどう見てもスペックダウンにしか思えず,イマイチ好きになれなかった車体でもありました.当時はカウルなしのバイクが少ない状況で,Z400FXやZ400GPがCBやCBXなどに向こうを張る感じで中古車市場で高値取引されているようなご時世でしたので,Z400FXやZ400GPが買えない人が買う(といっても新車のゼファー方が高いはずなんですが)イメージがついてしまい,突如わいたネイキッドバイクブームをある意味冷めた目で見ていたわけです,しかしそのバイクの思い出のコーナーでも書きましたがひそかにゼファー1100には乗ってみたいとか思っていたわけで,まさに支離滅裂な自分であったことを今になって思い出しました.

さて,そんな状況ですから部品取車であっても高値で取引されてしまうゼファー.どのような種車が自分にとってふさわしいかを考えてみます.あらかた

1)書付きの部品がいっぱいついた実動車
2)書付きの部品がいっぱいついた不動車
3)書なしの部品がいっぱいついた不動車
4)書付きの部品がほとんどない不動車
5)書なしの部品がほとんどない不動車
6)エンジン,フレームなど個別に全数調達

という選択肢が浮かんできますが,私の特性とお財布から1)〜3)は無理なことが明白です.4)については実は書ありフレームがこの時点でかなり高価になっていて,ここでもお財布事情がそれを許しません.必然的に選択肢は5)か6)に絞られるわけですが,実はエンジンも単体になると結構高額であったりして,選択肢は消去法で絞られ,結局のところ5)が残ることになりました.

で,そんな感じで安価に入手したいのは山々でしたが,結局過走行車であったり族車仕様での改造が過ぎたりとなかなか良いものに巡り合わず,あっても高額に跳ね上がってしまったりしていたわけです.で,はっきり言ってゼファーはもうやらなくてもいいかな?とあきらめていたところに埼玉の千葉県よりから出品されていた書なしの部品がほとんどついていない不動車が出品されました.写真を見た感じでは足周りはついているもののタイヤはダメ,ハンドルも曲がっていたりパーツがついておらず,フレームに乗っているのはエンジンのみ.オイルクーラーはパイプまでしかついておらず,ピックアップカバー,ダイナモカバーもついていないためダイナモは結構錆びていますし,リアサスはなくフレームがリアタイヤに乗っているだけ.チェーンは錆さびで使える見込みなしという代物です.リアサスがないので,バイク配送業者さんも扱いを嫌がるような品物なんですが,そんなものであっても競合がいたりします.その結果ある程度の金額まだ上がってしまいましたが,なんとか落札.次の週末に引き取りに行くことにしました.

工具やホットカーペットカバーなどを積み込み下道を走ること約2時間半.相手の方は解体業のようで,分解する場所はあるとのことで,その解体作業場の一部をお借りして分解します.流石に部品がほとんどついていないので分解自体はサクサクいけるのですが,ピボットカバーの取り外しでねじがバカになり,外せないというトラブルはありましたが,ピボットカバーといいつつそれがあってもピボットシャフトは抜くことができるので,なんとか1時間強で分解と車への積み込み終了.

お礼を言って帰路につきます.帰宅してからエンジンを適当に隠し,フレーム,足周りは庭に散らばらせて保管します.まだフレームなど含め,多くのパーツを買い集める必要がありますので組み立て開始までまだしばらく時間を要しそうですが,ゼファーの場合今までやってきた車種との共通部品や流用可能なパーツも多いので,まず在庫しているものからどんなものが使用できるかなんかを調べるところから始めましょうかね.こんな感じで順調とも不調ともいえない滑り出しのゼファー企画.実はエンジンや足周りを単体で売ったら車体価格よりも高額になるので,金もうけのためであればこのまま売ってしまったほうが良かったりします.そんな誘惑がありながら果たして本当に完成までいけるのか,自分の優柔不断さに不安を感じながらのスタートになってしまいましたとさ.

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