タンク補修

次は外装の最後のタンクに行きましょう.タンクはいつも長めの時間を費やすということもあって,フロント周りのどたばた以前から進行中でありました.まあ凹みとかは極めて少ない良質な部類のタンクではあったのですが,結果から言うとやはりグリーンメタリックの例の元々の塗装がここでも多少悪さをしてくれました.

まず元々の状況ですが,薄いタンクパッドがついています.これが結構はがれにくくって大変でしたが,まあ再利用するわけではないので破壊前提で剥がして,タンク側に残った粘着層をとにかくアルコールで落とすといういつもの作業から開始です.次に写真ではそう目立ちませんが,この塗装の弱さゆえに何か所か深めのキズが入っています.下地のキズをそのままにして上からグリーンメタリックを塗ったところもあって,グリーンメタリックの層をペーパーで水研ぎなどして落としていくのですが,傷の底にはグリーンメタリックの塗料が残ってしまいます.実はこの作業サイドカバーなどと並行して進めていたのですが,この時点ではまだグリーンメタリックの塗料のタチの悪さに気づいていなかったこともあり,完全には除去しないで少し残っているようなところは許容して進めておりました.あとはタンクキャップの前のあたりに微妙な凹みがありましたので,ここもグリーンメタリックを完全に落とさずにパテを塗ってしまったりして,その境界面に少し緑が見えている状態になってしまったりしておりました.

パテ埋めの何度かやっては表面を削り,ようやく平面が出たら,乾燥したところでサフェイサーから塗っていきました.で,ここでグリーンメタリックの塗料がなぜかサフェイサーを通り越して表面に出てくる現象を初めて確認したのです.この時点では上からイエローを塗れば消えるだろうと考えて,作業を先へ先へ進めて行ったのですが,結果としては写真のような感じで,5回ぐらい塗ったところでところどころ緑っぽいところが残ってしまっています.

これではいかんということで一旦乾燥させてから緑っぽいところはサフェイサーの層を含めペーパーで落としてから再塗装をしました.でもやはり境界面はどうしても残ってしまいまして,境界面の部分でうっすらと緑っぽいエリアが残ってしまいました.結局それを消すために予定より3缶ほど多くソフト99のカーニバルイエローの缶を使ってしまいました.とりあえず日光の下で見てもその緑の部分が見えなくなったところでイエローの塗装は終了.

あとは白,青のライン入れとゴールドのラインテープを貼ります.写真は玄関の暗いところで撮ったので,画質が悪いですが見た目はなかなかきれいに上っています.ここから2週間完全に乾燥させてから,ウレタンクリア―を塗っていきます.今回もイサムのものなのですが,以前も書きましたが噴霧が細かくなったので,垂れを恐れて素早くぬろうとすると表面が荒れたまま残ってしまいます.少し肝を据えてゆっくり均一な速さ,距離で塗っていくのを心がけ,なんとかウレタン塗装が完了.

また2週間完全乾燥をさせた後,最後の仕上げということで,Kawasakiの立体エンブレムを貼ります.またタンクの曲面に合わせて変形させるのが結構大変でしたが,それよりもこの中国製エンブレムは曲げると黒い塗装の部分がぱりぱり剥がれてきたりします.しょうがないので剥がれた部分をタッチアップしたりしてできるだけ見栄えが悪くならないような工夫が必要だったりします.ZRX(400)のときに報告したようにめっきムラのようなものもありますが,ただ車体に付けると目立たなくなるレベルなので安いのはしょうがないとして,この塗装剥がれはいかんともしがたいところです.

仕上がりについて,実は天日の下でチェックしていたら,例の緑の感じが2か所ぐらい意識してみるとわかってしまうような色むらを見つけてしまいました.イエローを念入りに吹いて確実に消したつもりだったのですが,どうも乾燥して塗装膜厚が薄くなったのと,艶のあるクリア塗装が表面に乗ったことで,再び顕在化してしまったようです.意識してみないとわからないレベルなので,これはこのままにしておきますが,痛恨のミスって感じです.

とまあ工程を淡々と紹介したものの,やはり下地の怪しい塗装はちゃんと除去してから補修を始めたほうが良いよねという教訓を強く感じたタンク補修なのでした.

KEN-Z's WEBのトップへ NEXT