出品者の方には２−３時間と言っていたのですが，このペースでは３時間を超えてしまいます．急いで作業を続けます．リア周りが終わったところでキャブを外します．通常の車体だとリアインナーフェンダーを外すのですが，どうもエアクリーナーボックスがあると外しにくそうです．そのためまずキャブからということになります．で，エアクリーナーボックスとの間のインシュレーターがこれまた殺人的に硬化してしまっていて，キャブがなかなか外れません．その前にK-TRICのコネクタが固着していて取れなかったりしてかなり焦っていたのですが，押しても引いてもキャブが外れてこず，その押したり引いたりが不安定にジャッキとサイドスタンドの下の算木で支えられている車体をさらに不安定にしてしまい，ついにはジャッキが外れて自分に向って車体が倒れてきました．なんとかとっさに支えて事なきを得たのですが，後ろで見ていた出品者の方がかなり慌てて，後ろから支えに飛んできてくれました．その助けもあってそのままジャッキに車体をの\戻すことに成功したわけですが，それ以降は少し遠慮がちに押し引きをして，それでようやっとキャブが車体から外れました．
エアクリーナーボックス，インナーフェンダーが外れたら次はハーネス類を外します．ここでも結構エンジン上のハーネスの固定がしっかりしていたり，フロント周りにいろいろな電装系改造がされていたりして，サーモスタット周りを外すのにも少し時間がかかってしまいました．ここで例のホットカーペットカバーの上に車体を横たえて，ハンドル周りを取っ払い，フロントフォークを抜きます．ところどころかなり固く締まっているネジがありましたが，これは車体が一度もばらされていない証拠なのかもしれません．そんなこんなでここでも少しタイムロスして2.5時間経過．ああもう3時間にあと30分しかない．
エンジンとフレームだけになったところでエンジンを車体から外していきます．さきほどのジャッキアップが不安定であったことから，ジャッキをかけた状態では硬いねじを緩められなかったので，この横たえての作業になりまして，下っ側にレンチを入れなければいけない場合などではなかなか力がかけられずねじを緩めるのにもたいそうな時間がかかりました．で，すべてのねじが外れたところでフレームを持ち上げエンジンを外そうとしたのですが，どうもエンジンがフレームの間をすり抜けてくれそうにありません．いろいろな角度で試してみたのですが，にっちもさっちもいかず，結局オイルフィルタを外さないとエンジンがフレームを抜けられないというのがわかりました．ここらへん結構ギリギリな設計しているのねと少し感心しつつ策を練ります．
というのもこの日は工具箱のうちミドル級の品ぞろえの構成で持参しており，このなかにオイルフィルタレンチは入っていないのです．他の工具でなんとかオイルフィルタを回せないものかトライはしてみましたが，オイルフィルタの胴径をまわせるようなものは皆無．ここでもう脳みその中の糖分を全部使い果たすほどに高速演算で思考回路を稼働させ，一つだけアイデアが浮かびました．まず取り出したのはドライバーセットに入っている千枚通し．これをオイルフィルタの側面にあてがい，ハンマーで打ち込みます．当然少し中からオイルが漏れてきますがそれを気にせず逆側に先端が届くまで打ち込みます．ここでこの千枚通しをシャフトとして回してようやくオイルフィルタが外れました．
ここでエンジンからのオイル漏れをできるだけ気にしつつフレームを外し，オイルフィルタを戻してオイルフィルタにウェスを巻き付けておきます．あとはプリウスに禁断のエンジンを載せるわけですが，プリウスをその分解していたエリアに持ってきて，エンジンをハッチバックのすぐ後ろまでホットカーペットカバーに包んだまんま地面を引きずって持ってきます．ありがたいことに出品者の方が手を貸してくれ，無事エンジンがホットカーペットカバーとべニヤ板の上に載りました．一応オイルフィルタからオイル漏れを気にしてエンジンの前側を上にして安定させて，エンジンを中心にフレーム，前後足周りを入れていきます．出品者の方は本当にプリウスに全部が載るのか半信半疑だったようで，興味深く後ろから積み込み作業を眺めています．最後の最後にタンクが助手席に敷いたエアキャップの上に載ったところで全積載終了．
出品者の方にお礼を言っていたら，自分でやろうとは思えないですね〜．とありがたいお言葉をいただいちゃいました．ということで作業時間はなんと3.5時間ってところ．ほんとに出品者の方には申し訳ないやら恥ずかしいやら．帰途についたら結構ボロボロに疲れてしまっていながらも渋滞に巻き込まれつつ帰宅は18時を回っていました．あたりも薄暗くなる中部品をいろいろな場所に隠すかのように収納し，作業が終了したのは７時半ってところ．あ〜，疲れた！ということでかなり疲労困憊した車体引き取りでしたが，これからいったいどうなりますことやら．
