まず鍵をなんとかする(その1)

車体を引き取った直後というのはまだ組立スペースは他の車体で埋まっており,フレームは庭に,エンジンは他の車体の脇に置かれている状態でしたが,間もなく1台が抜ける予定であったのでそれに向けて車体をくみ上げてもスムースにことが進むように準備しておきます.恒例のです.というのもこの種車は鍵なし.タンクキャップは閉まったまま,シートは外れていますが,シートロックは変形しており,バッテリ端子がちょん切られていることから恐らく鍵がない状態でシートの下のバッテリを盗んでいった輩がいるのでしょう.メインキーにはいたずらされた跡がありますがそんな深刻なものではないようです.ヘルメットホルダーも無傷で,問題点はとにかくキーがないということ.これを何とかしなければいけません.

で,その方針を決める上で鍵を何とかするのが先決なんですが,ここで奇跡が起こりました.今まで入手してきたキーが10数本ストックされているのは今まで何度かお知らせしましたが,なんとそのうちの1本でヘルメットロックとシートロックが開いたのです.いや,ホント奇跡です.ここはキープレートが4つしかないとはいえ,偶然手持ちのものがドンピシャで使えてしまうというのは何というめぐりあわせでしょう.

ということでまずこのキーでタンクも開くはずなのですが,そうは問屋が卸しません.カワサキのタンクキャップは長期放置すると開かなくなるのは定番中の定番のトラブルであり,このタンクも例にもれずであったわけです.まあ最悪キーシリンダを壊して開けてしまうことも考えましたが,ここは冷静に取り組んでいきたい私.ちなみにタンクの中はガソリンなのかなんなのかわかりませんがかなりな液体が中に入っています.結構タンクの持ち運びでその重さをずっしりと感じることができますので多分10リッター以上は入っていると思われます.これが一体どんな状況になっているか知りたいような知りたくもないような.ただ,このタンク少なくとも漏れがありませんし,凹みはそうひどくないので,多少の錆び取りで使えるようになれば結構お得な感じがします.

ここは欲を出してキーシリンダーも救いたくなるのは人の常なのであります.で,やったことというと,まずキーがあっているかどうかの確認です.といっても鍵穴の中を解析したりはしません.キーシリンダーにCRCをぶっかけながら何度かキーを回していきます.ここでびくともしなければキーが違うということになります.キーがねじれてしまわないように気を付けながらでもついつい力を過度に掛けてねじれてしまいます.純正キーではなくスペアキーなので強度的には少し低いのでしょう.20度ぐらいねじれたところで少し厚めの鉄板に挟んでハンマーでたたいてまたフラットに戻します.これを逆サイドにネジってを繰り返してしまうと,部分的に繰り返し曲げが加わる箇所が出てきて,破断に至ってしまうので,このようなやり方で破断を防止するのです.

さて,これを何度か繰り返しつつのべ100回以上キーを回そうとしてきましたが,徐々にその角度が増してきました.大体キーの曲りのリミット同じ程度キーシリンダーが回ったところでこのキーが使えるというのを確信しました.あ〜良かった〜.でもここからが大変でした.根気強く何回も何回もキーを回してはCRCを吹き,少しねじれたらその都度叩いてねじれを戻しをもう何回繰り返したでしょうか?作業開始から約1時間経ちましたが角度は45度を少し超えたところ.もう途中でくじけてキーシリンダを壊してしまおうかとも思いましたが,ここは辛抱辛抱.45度ということはここから追加であと1時間ぐらいやれば開くかも?ということでがんばります.

で,結局追加30分ぐらいでなんとか開きました.やった〜.でも中を覗き込んでがっかり.なんと中は錆だらけ,ガソリンと思っていた液体も半分ぐらいは水だったようでもう泥水の様になっています.恐らく屋外に放置されていた期間が長く,タンクキャップから水が浸入してしまったんでしょう.まあまったくきれいなものは想像していませんでしたが,ここまでひどいとタンクの内部を何とかするのにかなり手間をかけなければいけないというのが確定.ということでタンクキャップが開いて1勝,タンクの中が汚くって1敗という感じで何かすっきりしませんがキーについては一歩前進.さて,ここらへんで長々しいので後半に続きます.

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