ところどころ足りない部品がありつつも車体が組み上がったので，ひとまずバイクカバーがところどころだけではなく大きく裂けてしまっている手前，電装系を仕込む前に雨が直接かからないようにしないといけません．屋根代わりになるものの代表格と言えば，シート，タンクになりますが，タンクは補修，塗装までの期間が長いので別途進めるとして，まず少しでも早く屋根代わりのものを載せるという観点からシートに着手することにしました．
実は車体にシートは出品写真には確かについていて，実際引き取ってきてはあるものの，これが果たしてそのまま使えるか疑問なレベルです．というのも
まずシートの金具を外してみましょう．水平に見てみると，写真のような有り様であり，これはかなり重症と言えるでしょう．ピンの部分も少し片側は傾いており，先だってのシートキャッチ金具の修復の時にうすうす感じていた通り，相当無理矢理こじって外したことが想像できます．まあここまでやるのはコソ泥の類のやることなので，ある程度想定はしていましたが．で，一応モンキーレンチやプライヤーなどを駆使して，板金部分の曲り，ピンの垂直などを修正しました．といっても結局はシートに取り付け，車体との間で取付取り外しがスムースに行えるかが問題なので，最終的には調整が必要です．
さて，次はシートのウレタンベースをどうするかです．まずタンデムシート側のウレタンベースはなぜか無傷で残っています．メインシート側がごっそりと逝っていて，どうもこれは野犬とかがシート生地の破れたところに顔を突っ込んでムシャムシャ噛み千切った感じです．まあ犬ってのは結構変な修正もありますからあながち間違った推測ではないと思います．
ということでメインシート部分を手持ちのウレタン材でつくっていきます．まあタンデム側との段差が出てしまうとよろしくないということで繋ぎの部分を微妙な形状に切出したり厚みを合わせたり結構大変でしたが，最終的には硬めのウレタンの上にスポンジシートをかぶせて，R面にかぶせて表皮をかぶせても段差が見えにくくなるような工夫をしてウレタンベースをなんとか修復というか構築．
ガンタッカーを使って，手持ちの表皮をかぶせて行きます．ここらへんの作業はいつも通りですが，どうもZRXのシートベースの樹脂が少し硬めなようで，場所によっては針がちゃんと入って行かず，曲がってしまったり少々難儀しました．またちょっと純正よりもウレタンが薄かったようで，シートの前端部分が少々しわっぽくなってしまいましたが，全体的にはこんな感じで，タンデムベルトの下にちょうど段差が来るような感じでほぼ満足の行くシートが出来上がりました．
さて，最後はベルトです．ベルトの表皮はバリバリに硬くなっていて，さして苦労もなく全部剥がれてくれましたので，ここに表皮になる人工皮革を巻いて体裁を整えます．といってもお裁縫したりするのは面倒なので，両端の金具を一旦外して人工皮革を接着します．接着の養生については綺麗に接着したところをそのまんまリビングの机の脚の下で挟むというもの．前回はライムグリーンのニンジャに青いシートを搭載するのに同じことをやりましたが，これが結構効果的でしっかり接着するにもってこいの手法なのです．約３昼夜，微妙なリビングのテーブルの微妙な傾きに家族の冷たい視線を浴びながらすごし，ついに養生完了．人工皮革の両端に穴を貫通させ，金具を装着しベルトが完成しました．
さて，このベルトをシートに取り付け，今度はシートのフレームに対しての着脱具合を確かめます．で，いきなりけつまずいてしまいました．というのもフレームが前期，電装系は後期のこのZRXは，イグナイタの取付位置が純正の位置には取り付かないので，写真の様に取り付けていたのですが，これが見事にシートの裏面とヒットしてしまいました．しょうがないのでイグナイタをシートよりも後ろに来る位置にずらしてなんとかごまかします．気を取り直してシートの着脱具合についてを確認しましょう．まず１発目はシートキャッチにちゃんとダボピンが刺さらず，しょうがないのでダボピンを調整．なんどか付けては調整を繰り返しなんとかダボピンは入りましたが，どうもシートとフレームの隙間が広めで，あまりよろしくありません．恐らくシートカウルを付けても広めでしょうから，金具自体を再び曲げ調整してシートを下げ目に取り付けられるように修正しました．
ということでシートはとりあえずの完成です．それにしてもシートでこれほどまで手間をかけたのは初めて賀茂しれません．ただ，シートベースウレタンが自作であり，なおかつ積層構造だったり微妙に合わせ加工をしたりしたので，少し見栄えは悪いですし，すわり心地も少し違和感があります．ここらへん次の課題だったりするかもといいつつ，次は何をやろうかな？と楽しみな私なのでした．
