車検の行き来の時に少し触れましたが,外観は完成したものの,信号待ちなどでの停車時のアイドリングがあまりよろしくありません.症状としては信号待ちのときにアイドリングがしばらく高いまんま(2000回転前後)で,しばらくすると徐々に落ちだすというもの.その落ち方はゆっくりなのですがあまりにも落ちすぎてエンストしそうになることもしばしば.そんなときはあおりを入れてエンストを防ぐといった具合.排気は少しガソリン臭く,アイドリング時にはエキパイの中で1本が水をかけてもじゅーっとならない時があります.そのエキパイは大体2,3番のいずれかだったりするので,ちょっと怪しいかな?と思うところがあります.
それはイグニッションコイルです.ZX-4の場合,イグニッションコイルは1,4番と2,3番用の2ツあります.2,3番のいずれかのエキパイが冷たいのであればどちらかが失火している可能性があるということになります.でもイグニッションコイル自体はそんなに安価なものではないので,いきなり交換するのではなく,周辺から可能性を埋めていこうと考えたわけです.
で,まずやってみたのはプラグコードの交換です.プラグコードは種車1号機か2号機か定かではありませんが,恐らく新車時からついていたもののように思います.でもそんなに硬化していなかったりするので,そのまま付けてしまったのです.でもよく考えると30年経過しているわけで,硬化していなくっても機能的には劣化が進んでいるとみていいわけで,今回はその当然交換すべきところをスキップしてしまったのを今になってやり直すというすごく非効率的なことをやるわけです.で,プラグコードはもう最近はテイラーのとかは面倒なのでDAYTONAのものが在庫にあったので,それに新たに足りない分をアマゾンで買い足して交換します.古いプラグコードはねじ込んである端面の部分を見てみたところ,結構芯線がばらけてしまっている上にその周りの絶縁層も開ききってしまって,コイル側,プラグキャップ側のネジに対して芯線をちゃんと密着できていない感じでした.それならば少し端面をちょん切って接続しなおせばよかったかもしれませんが,そこまでやるならばプラグコードを交換したほうがいいってもんでしょう.
で,2,3番のみならず1,4番も当然プラグコードを入れ替え,プラグを清掃してプラグ周りの作業は終了.あと1点気になっていたのが信号待ちでの回転の落ちでして,これはさすがにプラグコードだけでは治らないだろうということで,キャブのパイロットスクリューの戻し量で調整しようと考えました.このZX-4はネットで拾った資料では2-3回転と書いてあったのでこれまでその中間の2.5回転戻しにしていました.一方,元々このキャブの戻し回転数は3.5回転でしたので今回はアイドリング付近での燃料が薄いと判断し,元の3.5回転に戻すことにしたのです.しかしこのZX-4の場合,パイロットスクリューのアジャスターの真下にいろいろなものがあり,エアクリーナーボックスを外してもすこぶる作業性が悪いので,思い切って一度キャブをマニホールドから外し調整することにしました.この方が確実でなおかつ時間短縮になったりするわけです.
さて,試運転です.アイドリングはスクリュー調整は必要でしたが,ずいぶんと安定しました.アクセルをあおった後の回転の落ちは正常になってくれたので,戻し回転数はやっぱり3.5回転が正解だったようです.エキパイも4本ちゃんと水を付けたら瞬時に蒸発してくれます.次に走り出してみましょう.いきなし低速からパワーが上がりました.思わずアクセルの開けすぎでつんのめるところでした.近所をちょっと長めの距離流して確認し,わざと信号待ちを長く入れたりして様子を見ます.少し熱ダレ気味になるぐらいの時間回してもばっちり1250回転ぐらいで落ち着いていますので,アイドリングは非常に安定していると思われます.不具合が解消し,パワーが全体的に戻ったので乗っていてとっても楽しく,小一時間ショートツーリングを楽しんだ感じで,久しぶりの充実感.
試運転の感じでは結果オーライな感じですが,プラグコードとパイロットスクリューの両方を一気にやってしまったので,どちらが決定打か計りかねる結果となりました.ただ失火のような症状は恐らくプラグコード,回転の落ちについてはパイロットスクリューの戻し量ということになりましょうか.ともあれ絶好調になりましたので,これからZX-4についてはさらに距離を伸ばしていきそうな予感です.