キャブレターレストア

前回の火入れではエンジンがかからないばかりか燃料漏れまで発生してしまい,一体何を基準に整備してきたんだか自己嫌悪に陥ってしまうほどの出来だったわけですが,今回はその燃料漏れを発生させたキャブレターについてです.まずその漏れの箇所ですが,これについて実は心当たりがあったりします.というのもキャブを購入したときに全体的にはとても良質なものに見えたんですが,キャブレターボディの連結パイプの周辺にうっすらとガソリンが染みた後があったのです.それが車体に付けてみて燃料を通して漏れたら交換しようという浅はかな判断となり,今回に至るわけです.

ということでとある休日,ほとほと自分にあきれながらキャブを車体から外します.と,いきなり問題点が.4番キャブのフロート室のドレンから泥水のようなものが出てくるではありませんか.ガソリンが地面に少し落ちてしまったのですが,明らかにそのガソリンとは違う茶色い水滴があり,これは明らかにタンクから水分が浸入したということでしょうか.恐らく火入れ前からタンクを車体に載せてずいぶん長期放置したので,それが良くなかったか,それとも結露が原因か,ここらへん火入れで火が入らない原因の一つであったかも知れません.

というわけでフロート室をまず開けてみます.案の定フロート室内には泥水が溜まったと思われる痕跡があり,これは以前ジェット類のチェック,フロートバルブ,フロート室パッキンの交換を行ったときには見られませんでしたので,明らかに車体に載せてから相当な量が侵入した痕跡でもあります.他のフロート室ということでは3番でも浸入の痕跡がありましたので,間違いなく燃料経路から入ってきたと思われます.幸いにもジェット類,フロートバルブなどはつまりなどなく無事でして,簡単に掃除して事なきを得ました.

とまあここまでは前菜です.メインディッシュの燃料の中間パイプ周りのOリングを交換していきましょう.今回はしっかりと純正品を使用して万全を期します.まあそんなに高い部品ではないんですが純正品を都度購入するのもなんだか面倒ではありますよね.つくづくフロートバルブやなんかと一緒に買っておけばよかったと思う次第です.

キャブ1つ1つをばらしていきます.大体キャブの連結バーへの取り付けネジはすごくきつく締めこまれていますので大体ここでくじける方が多かったりします.また,ヤフオクで流れている品物の中にはこのネジを緩めようとしてくじけた跡なのかネジのリセスがバカになってしまっているものも多く存在します.

幸いにもこのキャブはネジバカになっていなかったので片っ端からショックドライバーで緩めていきます.最近ではこのショックハンマーでプラス,マイナスネジは大体開けられるようになっています.以前はネジの頭にドライバービットを差し込むときに少し左回りに力をかけてしまっていることがあり,失敗することも多かったのですが,最近はネジ頭にしっかりとドライバービットをかけたらショックドライバーを少しだけ左に回し,ドライバー内の斜面の中腹にハンマで叩く部品が軽く触れた状態で当たっているのを想像しながら,叩く瞬間にはハンマーの力だけでドライバーが前に押し込められるようにして打ちます.変な力がかかってしまうと軸芯がずれたり,ネジのリセスにドライバービットの先端が変に乗り上げてしまったりあまり良い影響がないというのを肌で学んだ結果だと思います.

取り出した中間パイプのOリングは取り出してすぐにバキバキになってしまいました.2段になっている外気側が特に疲労している感じでして,恐らくガソリンで侵されたのではなく,熱でやられたというのが正解でしょう.ちなみに上部にあるオーバーフローの中間パイプについても今回交換したのですが,こちらは普段はガソリンにさらされていませんので漏れているのかどうかは不明です.でも下部の外気側がダメになっているので,その原因が熱だとすると同じぐらい劣化しているはずですので,交換しておくべきでしょうね.

というわけでキャブについてはトピックを紹介するつもりがなかったのにこの期に及んで紹介することになり,面目ないったらありゃしない.ということで次こそは火入れに行きたいところなんですが,まだまだ続きます.

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